Episode5〜アーチエネミー〜
「やれやれ。」
とピエロがため息をつきながらゆっくり降りてきた。よく見ると手には短剣があった。もう少しで地に足が付くところまで降りてきた瞬間にピエロが姿を消した。
「ひゃひゃひゃひゃ・・・。」
不気味な笑い声だけが聞こえる。辺りを見渡すがどこにも姿は見当たらない。
俺がキョロキョロと辺りを見渡していると視界がまるで切れかけの蛍光灯のように一瞬真っ黒になった。
また辺りを見渡すがピエロの姿は見えず不気味な笑い声だけが聞こえる。
「シャルル！！」
カレンが叫んだ。見るとシャルルが血だらけで倒れている。起こっていることに頭で整理ができなかった。
すぅーー
「あなた不思議な匂いがしますねぇ。あなたの匂いを嗅ぐとなぜか殺意が芽生えるんですよねぇ。」
と、俺の目の前に一瞬で現れたピエロが言った。
完全に狂っている。
するとピエロの周りに謎の紋章が現れた。
「お前は絶対に許さない。」
カレンがピエロを睨みつけながら言った。彼女の目は鋭く尖っていた。
謎の紋章が強い光を放ちピエロは光に包まれた。
「逃げて。」
カレンが俺に言った。
俺には彼女のように特別な能力を持っているわけでもなければ、剣術や格闘術を持っているわけではなかった。持っていたとしてもあのスピードは目では追えない。だから俺は彼女の言う通り逃げようとした。
その時、光の中から黒いモヤが現れ光が弱まった。
「あぁ鬱陶しい。これだから魔術師は嫌いなんですよ。でもこの程度なら一瞬でひねり潰せちゃいますねぇ。」
光の中からピエロが出てきた途端にまた姿を消した。やはり見えない。
次の瞬間カレンが口から何かを吐いた。
血だ。
口からだけじゃない一瞬のうちに身体中血まみれだった。
カレンは立っているのが精一杯のようだった。カレンの前にピエロが姿を現した。
「やはりこの程度でしたか。これでお別れです。」
そう言って短剣を振り上げた途端ピエロが倒れた。
気がつくとピエロの足元に俺がしがみついていた。俺に何かできるわけでもない。だが身体が勝手に動いていた。
相変わらずの低クオリティです。
応援していただけると幸いです。
