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第7話 動機

 会田は自慢のスカイラインを飛ばして保険会社に向かっていた。

 保険会社には五分ほどでついた。会田はスカイラインを会社の前に止めて、会社の中に入っていった。

「警察だが、大至急確認したいことがある。」

会田は警察バッジを見せながら、受付に話し掛けた。

「な、なんでしょうか。」

受付の女性は少し驚いた様子で言葉を返した。

「成岡充さんが生命保険に加入しているかどうか知りたい。」

「かしこまりました。では少しお待ちください。」

受付はどこかに電話をしていた。

 しばらくすると、受付が話し掛けてきた。

「はい、成岡さんは確かに生命保険に加入されています。」

「ちなみに保険金の額はどれくらいですか。」

「三億円です。」

会田は開いた口がふさがらなかった。

「あ、ありがとうございました。それでは失礼します。」

 会田は保険会社を飛び出し、携帯電話を手にとり三鷹に電話をかけた。


 そのとき三鷹はタクシーで成岡の実家に向かっているとこだった。

 突然携帯電話が鳴り響き、三鷹は急いで携帯を手にとった。

「はい、もしもし。」

「俺だ、会田だ。」

「何かわかったのか?」

「ああ、成岡は生命保険に入っていた。しかも保険金は三億円だそうだ。」

「そうか。じゃあ会田は事件現場にいてくれ。二時間ほどでそっちにいくから。」

「わかった。」

三鷹は電話を切り、少し寝た。


「お客さん、つきましたよ。」

タクシーの運転手が三鷹を起こした。

「あ、ありがとう。」

「お代は5600円ね。」

タクシーの運転手は、メーターを見ながら三鷹に言った。

「運転手さん、俺二万出すからさ。ここで少し待っててくれない?」

運転手は少し考えた後、三鷹にしゃべりかけた。

「逃げないでくださいよ。」

「もちろん。」


 三鷹はタクシーから降りて、目の前にある古風な家の表札を見た。

『成岡』とかいてあった。ここに間違いない。

 三鷹は扉をノックした。だが反応がない。

「あれ、いないのかな…」三鷹は何度もノックしたが誰も出てこなかった。

 そんなときだった。三鷹の後ろをひとりのおばあさんが通っていった。

「あれ、あんた成岡さん訪ねてきたの?」

「はい、そうなんですけど。」

「成岡さん入院しているのよ。それもかなり重い病気で。すぐに手術しないといけないんだけどその手術にはものすごくお金がかかるらしいの。大変な状態なのよ。」

「そうなんですか…」三鷹は何かを考えていた。

「おばあさん。入院しているのは、男?それとも女?」

「女よ。お爺さんのほうは先に死んでしまったからね。」

「ありがとうございました。」三鷹は深々と頭を下げた。

「何が?」おばあさんはよく意味がわかってないようだ。

「それではさようなら。」三鷹は待たせていたタクシーにとびのった。

「さようなら??」おばあさんは意味がわからないまま三鷹を見送った。

「運転手さん、さっきの喫茶店まで。大急ぎでね。」



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