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俺式魔物狩り

今度は2回もちゃんと見直しましたよ‥


ノトス地下迷宮ダンジョン編です

 魔石魔物狩りは順調だった。

 そして、順調なのには理由があった。

 

 ラティの存在である。

 この南ノトスの地下迷宮ダンジョンは狼型の魔石魔物がよく湧くのだが、この魔石魔物は盾持ちだと抑えるのに苦労するのだ。何しろ縦横無尽に広い通路を走り回るのだから。


 だが、ウチにはラティが居た。

 彼女の機動力と言うか素早さは、その狼型を遥かに上回っているのだ。

 それは狼型を苦もなく押さえ込むのだ。

 魔物の攻撃を容易くかわし、動こうとすれば相手の出鼻を挫く。まさにラティは狼人だけど狼キラーとなっていたのだ。


 ハーティがこの地下迷宮ダンジョンではなく、中央のルリガミンの町の地下迷宮ダンジョンを選んだ理由、それは盾持ち壁役と狼型の相性の悪さから避けたのだと推測出来る。




 そして大剣持ちアタッカーのスペシオールさんも、ラティの作る隙を上手く突き順調に魔石魔物を倒していったのだ。

 しかし慣れて来たと言っても反撃による手傷を負う事もある、だが今回は回復役のミズチさんがいるので、回復の不安が解消された。主に薬品ポーション代が。




 魔石魔物を数体倒した後、俺は休憩ついでにステータスを確認する。



ステータス


名前 陣内 陽一

職業 ゆうしゃ


【力のつよさ】71

【すばやさ】 69       

【身の固さ】 72

【EX】『武器強化(中)赤布』 『回復(弱)リング』『魔防(強)髪飾り』

【固有能力】【加速】

【パーティ】ラティ79 サリオ84 ミズチ34 スペシオール32

―――――――――――――――――――――――――――――――――


ステータス


名前 ラティ

【職業】奴隷(赤)(陣内陽一)

【レベル】79

【SP】236/432

【MP】180/318

【STR】 293

【DEX】 321

【VIT】 275+8

【AGI】 419+13

【INT】 258

【MND】 284

【CHR】 343+8

【固有能力】【鑑定】【体術】【駆技】【索敵】【天翔】【蒼狼】

【魔法】雷系 風系 火系

【EX】『見えそうで見えない(強)』『回復(弱)リング』『防御補助(特)』 

【パーティ】陣内陽一 サリオ84 ミズチ34 スペシオール32


 ―――――――――――――――――――――――――――――――――


ステータス


名前 サリオ

【職業】奴隷(赤)(陣内陽一)

【レベル】84

【SP】269/269

【MP】582/616

【STR】224

【DEX】247

【VIT】214

【AGI】250+5

【INT】384

【MND】356

【CHR】286

【固有能力】【鑑定】【天魔】【魔泉】【弱気】【火魔】【幼女】【理解】

【魔法】雷系 風系 火系 土系 闇系

【EX】『見えそうで見えない(強)』

【パーティ】陣内陽一 ラティ79 ミズチ34 スペシオール32


 ――――――――――――――――――――――――――――――――――


ステータス


名前 ミズチ

【職業】冒険者

【レベル】34

【SP】139/139

【MP】175/214

【STR】 79

【DEX】 71

【VIT】 65

【AGI】 68+3

【INT】 110

【MND】 101

【CHR】 78

【固有能力】【鑑定】【魔泉】【持久】【水魔】【風魔】【幸運】【魔効】

【魔法】聖系 風系 氷系 水系 土系 

【EX】『見えそうで見えない(中)』

【パーティ】陣内陽一 ラティ79 サリオ84 スペシオール32 


 ――――――――――――――――――――――――――――――――――

ステータス


名前 スペシオール

【職業】冒険者

【レベル】32

【SP】67/142

【MP】103/121

【STR】 93

【DEX】 82

【VIT】 98

【AGI】 79

【INT】 81

【MND】 82

【CHR】 90

【固有能力】【鑑定】【一閃】【駆技】【剛力】【耐打】【無音】【味覚】【音感】

【魔法】雷系 風系 火系 聖系

【EX】『武器強化(中)』

【パーティ】陣内陽一 ラティ79 サリオ84 ミズチ34


 ――――――――――――――――――――――――――――――――――


「‥レベル差があるとはいえ、ラティ達は凄いな、」

「ホントだよね!二人とも強すぎっ!」

「ああ‥オレもそう思うぞ‥」


「あと、今までは何だったの?ってくらいにステーテスも増えるし、」

「‥‥一度、レベル1に戻りたい‥」



 ラティとサリオはレベルの低いうちから俺とパーティを組んでいるので、勇者の恩恵ギフトでステータスの伸びも補正が入っているのだ。


 新しく入った二人も、魔石魔物狩りで既に10近くレベルが上がっているが、最初のレベル20の分は補正無しという事になる。ある意味サリオは英才教育かもしれない。


「それよりも驚きなのが、じんないくんだよね‥」

「ああ‥別次元だ‥」

「頼む別次元言わないでくれ、」

「あの、ご主人様強さはステータスでは表せないですから、ある意味別次元かと」

「そうなのです!きっと【無茶】ってのがあったら700は行ってるのです」

 


 ラティの毎回癒される優しさと、サリオのいつもアホさを感じながら俺は、次の予定の事を考えていた。



 次の予定。

 この地下迷宮ダンジョンに適した魔石魔物狩り(システム)を作り上げること。

 

 ハーティはルリガミンの町の地下迷宮ダンジョンに適した戦闘方を作り上げていた。あの地下迷宮ダンジョンではよく湧いていたイワオトコを盾役が押さえ、そしてアタッカーが一斉に放出系WS(ウエポンスキル)で攻撃行う。


 シンプルで強かった。

 だが、その反面脆い所もあった。ハリゼオイのような癖のある強い魔物とか、機動力のある狼型には通用しない。何より、ボンクラアタッカーを量産する事になる。

 下手すると放出系WS(ウエポンスキル)は放てるけど、剣が振れない前衛を作ることになるかもしれないのだ。



 まずは、迅盾を使えるのを増やして、次にWSウエポンスキルだけに頼らないで、接近出来る方法とか考える必要があるのだ。


 ――いや、待てよ?

 放出系と近接系を組ませて”重ね”を使うのもありか、

 あれなら少人数でも高火力を出すことが出来るな、よし!



「ラティとスペシオールさん、次からちょっと戦い方を変更します」

「‥‥分った」

「あの、変更するその戦い方とは?」



 俺は休憩時間を使って、WSウエポンスキルの”重ね”を組み込む戦闘を二人に指示した。

 前よりも難易度が上がる事になるが、スペシオールさんの技量をみた限りでは、数日もすれば可能だと思い、二人にお願いをしてみた。


 この二人がそれ・・を簡単に実行出来るようになれば、他の人に教える時に見本として見せることが出来、今後誰かに教える時に効率的になると思ったのだ。




 そしてスペシオールさんは、俺の期待を予想よりも早く応えてくれた。

 武器を構えた状態から素早い一撃を放つ技術の【一閃】(居合い切りなようなモノ)持ちのお陰か、スペシオールさんはすぐに”重ね”を成功させ始めたのだ。


「‥むう、この”重ね”は威力凄いな‥」

「あの、こんな簡単に合わせてくる方は初めてです」

「ほわ~、ホント凄いね、簡単に魔物倒しちゃって強すぎない?」

「これはジンナイ様がお払い箱になる日も近いのです」

「サリオ、お前晩飯抜きな」


「平気ですよー!レイヤちゃん優しいから、ちゃんとくれるのです」

「あの、ご主人様の強さは単純な攻撃力ではないのです。どんな魔物でも倒してしまうのがご主人様の強さなのですよ、サリオさん」



 ――帰ったらレイヤに言っておくか、サリオを甘やかすなと、

 あとラティはいい子なので、今日フルコースで撫でてやろう、

 帰ったら楽しみだ!



「ん?なんだよみんなこっちを見て‥」


「ううん、じんないくんがすっごく悪そうな顔していたから、休憩の時は真面目な顔していたのに‥」

「‥‥」

「あたしは何となくですがわかったです、ズバリ夕ご飯の事ですねです!」

「あの‥いえ何でもないです」



 どうやら考えが顔に出てしまっていたらしい。

 

 そして俺はいつもと違う雰囲気に戸惑いと嬉しさを感じていた。

 今みたいに3人以外のパーティや冒険者連隊アライアンスと組むことはあったが、いつも俺は隅の方に居た感じだったが、今回は中心にいる感じなのだ。


 俺は始めての引っ張っていく感覚を感じながら、魔石魔物狩りを続けた。

( 充実してるぞ俺!)





 それから次の日。

 速攻で問題が発生した。


 調子が良くなるとすぐにトラブルが舞い込んで来るモノなのだろうか。

 出来れば別のトらぶるが良いのだが‥


「おい!お前達、なんで魔石魔物狩りやってんだよ!」

「そうだぞ!それは禁止されているだろ今は」

「もしこっちに魔石魔物が来たらどーすんだよ!」

「魔石目当てかお前等?自分達だけ美味しい思いしようとすんなよ」

「管理に通報してやる!」



 一応他からは離れて魔石魔物狩りをやっていたが、どうやら近くを通りかかったパーティが俺達を見ており、そして魔石魔物狩りに文句を言ってきたのだ。

 当然彼等の言い分は正しい。コチラが特例でやっているの知らないのだから。

 だが――


「なあ俺達も混ぜろよ」

「そうそう、美味しい思いはみんなで分けないと」

「お前等、危なくないか?」

「ビビッてんなよ!第一さっき簡単に倒していたしよぅ」

「俺達も入れろよ!通報はしないでいてやるからさ」



 最初は文句を言っているのだと思っていたが、どうやら違った様子だ。

 彼等は魔石魔物狩りの美味しさ(稼ぎ)を知っているのだ。

 

 しかし、今回は参加させる訳にはいかないのだ。

 今、俺達がやっているのは、この地下迷宮ダンジョンに適した戦い方を作りあげる事だ。

 完全に適したモノを作るのは無理だが、ある程度の形になったモノ(戦い方)がないと、無駄に被害が出るからだ。



 俺は参加のお断りをどう言ったらいいか考えていると‥


「アレ?亜麻色の髪の狼人‥?」

 

 俺達に参加させろと言っていた10人前後の冒険者達の1人がラティを凝視した。

 そして彼は、ラティを指で四角を作り覗き込み。


「お、おい!この子、瞬迅ラティだ!マジかレベル79だよ」

「マジか?あの噂の?迅盾の狼人?ああ!本当だ」

「さっきの動き見て、俺もそう思ったんだよな~」

「お前‥スカートの中を必死に覗こうとしてただけだろ!」



 ラティの存在に騒ぎ出す冒険者達。

 ルリガミンの町では当たり前になっていたが、ここでは違うらしく、今度はサリオの方を見ながら声を上げる。


「って、事はこっちの小さいのが”焔斧”か、」

「エンフ?そっちは聞いたこと無いな?」

「知らないのか?結構後衛の間じゃ有名だぞ」

「聞いた事あるな、魔石魔物でも一撃で屠るとかなんとか」

「後衛で有名なのか、しかしハーフエルフか‥」



 ヒートアップしていく冒険者達。

 そして次は‥


「なぁ?おい‥瞬迅に焔斧がいるってことは‥」

「ああ、そこの‥」

「目つきの鋭いのが‥」

「奴が噂の必殺(フェイタル)か」



 冒険者達はそう言って、恐る恐るスペシオールさんを見つめた。

 そして評価を開始する


「おい、普通にイケメンじゃねえかよ」

「俺の聞いた話じゃ、目が腐った奴って聞いたけどな」

「俺もそう聞いたな、すげー冴えない感じだとか」

「なんか見た目がルーキーと変わらないとか聞いたぞ?」

「嫉妬からのデマだったって事か、全然違うじゃねえかよ」



「‥いやオレは必殺(フェイタル)じゃないぞ、必殺(フェイタル)はこっちだ」



 スペシオールさんは誤解を解くために俺の方を視線で指した。

 

 ――遅い!

 もっと早く言ってくれ、自分からは名乗り出にくいんだよ!

 知りたくない情報と評価を聞いちまったじゃねえかよ、



 少しキズ付いてきる俺に冒険者達が、必殺()の感想言ってくる。


「一緒にいるから只者じゃないと思ったが、こっちがか、」

「ああ、別の意味でやばい感じを放っていたが、こっちか」

「俺は専属の暗殺者か何かかと思ってたよ」

「やばい奴とは思っていたが、こっちが、」



 忍胴衣に替えて、舐められなくなったのは良かったが、期待していた方向とは、違う方向に行ってしまったようだった。


 そして俺達の素性を知ると、もっと参加させろと言い出してきた。

 俺達のことを知っていると言う事は、その強さも知っていると言う事で、魔石魔物狩りを楽に出来ると思った様子だった。

 それは間違ったことでは無いが、参加させるつもりはないので、


「お断りします、これは領主代行からの指示なので」



 俺がダメと言うと揉めそうなので、アムさんの名前を出して納得して貰おうと思ったが、それは甘く。


「なんだよソレ!あれか、巨大魔石を独占でもするつもりかよ、」

「んだよ、最近じゃ武器買うのもステプレ提示とか面倒なの作るし」

「いいじゃねえかよ!入れろよ」

「ふざけんなよ!だったら瞬迅だけでも‥」



 ――時たま思うんだが、 

 ラティって常時魅惑(テンプテーション)でも発動してんのか?

 不安になるくらい喰いつく奴いるんだけど、



 ふと関係ない事を考えていると、スペシオールさんも前に出て冒険者を説得してくれた。

 やはり外見がガキの俺より、背が高く迫力のあるスペシオールさんの言葉は説得力があるのか、冒険者達はしぶしぶだが引き下がってくれたのだった。


「ほへ~スペさんは迫力があるのです」

「そうでしたね~、普段そんな喋らないのに声に凄みがありましたね」

「‥‥いや‥」



 ――あれ?彼が一番レベル低いはずだけど、

 なんかこのパーティだと一番上に見える?


「きっとこれがレベルでは測れない強さなのですよです」



 そんな会話をしつつ、俺達は魔石魔物狩りを続行した。

 先程の絡んで来た冒険者達は、更に奥に魔物狩りに向かった様子だったが。

 俺達が魔石魔物狩りを切り上げて帰る途中、出口付近で事件が起きた。


「助けてくれー!」

「魔石魔物のパーティだー!」

「よかった!まだ居てくれたか必殺(フェイタル)!」

「頼む!みんな助けてくれ!」



 それは、先程の絡んで来た冒険者達が、複数の魔石魔物の追われて逃げて来る光景であった。

 走って逃げてくる冒険者の後ろ、彼等を追って来るのは、広い通路一杯に見える魔石魔物の群れであった。


 ――マジか、

 確実に死人が出る数だろ‥

読んで頂きありがとうございますー


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