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馬車で会議

まとめ回っぽいので短いですー


 南に向かう馬車。

 その馬車の中には俺とラティとサリオ、それと御者のららんさん。



 馬二頭で引く馬車の中で、俺はららんさんが積み込んだと思われる荷物を眺めながら、町での出来事の疑問を口にする。


「ららんさん、ルリガミンの町って中央の城が管轄だったんですよね?」


 俺はまず今回の疑問を口にした。


「ん~大雑把に言うとそうだけど、細かく言うとちょっと違うかな?」

「それはどういう事ですか?」


「誰も手を出さない面倒な町だから中央の城が面倒をみていたって感じかな」

「面倒?でも町なんだからドコも欲しいんじゃ?」



 俺は町や土地から収入を税などで巻き上げれるのだから、どの貴族も町や土地は一個でも多く欲しいモノだと思っていた。

 だが、ららんさんの説明は逆な感じだった。


「あの町って、意外とうま味が無いんよ、どちらかと言うと面倒の方が多いん」

「面倒?とは」


「管理とかやね、地下迷宮ダンジョンでの面倒事に町の維持や治安とか色々ね」

「あ~~確かに荒くれ者多いし大変か、町の住人とはちょっと違うな」



 ――確かに、運営とかは大変って聞くもんな、

 それで荒くれ者ばかりじゃ苦労とか多いか、納得した、



「特に地下迷宮ダンジョンとかは管理とか大変らしいんよ、それで労力の割りに利益が少ない、寧ろ減る場合もある、だからどの貴族も手を出してなかったん」


( 中央の城が管理してたのは公共事業みたいなモノかな? )


「じゃあ、今回のは、俺が原因だと?」


「それも一つの要因やね、だけど本質は違うやね、」

「それじゃあ、何が?」


「うん、本質。それはうま味やの、つまり稼げるかどうかやの、あの町は、魔石の生産量が圧倒的なん、多分、余所の20倍近い量やね」


「はい?20倍?っあ!」


 

 俺は思い出す。

 地下迷宮ダンジョンに来た最初の頃は、まる一日かけて当時で金貨1枚の稼ぎ。

 だが、今は魔石魔物を一体狩れば当時の価格で金貨2~3枚なのだ。


 しかも、ハーティさんが以前言っていた、他の地下迷宮ダンジョンよりも魔石魔物が倒しやすいからルリガミンの町に来たのだと。



「多分やけど、それを狙ってたんやろな、本来の価格の1/8やからな魔石が」

「それを手に入れると‥」



 俺が知っている知識だと、

 魔石とは元の世界で言うと電気や石油みたいな資源だ。

 

 部屋の明かりや水を出したら温めたり、火を起こしたりなどの使い道がある。

 一般人ではMPが少ないので生活魔法アカリでも4時間程度が限界だ。

 それを補うのが、魔石を消費する魔石製品なのだ。


「それって滅茶苦茶美味しいですね、」

「だから乗り出して来たんやろうね」


 ――でもそれって、

 他の大貴族が黙ってないんじゃないか?


「それやから、近いうちに貴族でゴタゴタがあるかもやの」



 ららんさんに俺の考えを見透かされたかのように、会話を先回りされた。

 振り向きながら『にしし』な笑みを浮かべている。


「管理下に置きたがる理由は分りました、でもこれから逃亡生活か、」

「あ!ちょっと明るい話題やけど、じんないさん南ならワリと安全かもよ」


「うん?だって公爵に追われてんですよ?」


「いや、追われたんは北やからや、南は南ルールやから簡単には北は手を出せないはずやよ、無理に兵隊を連れて南に来たら、他の三公爵から狙われるし」

「それは他を侵略に来たら三公爵で止めよう的な?」


「そそ、そんな感じやの」


 ――よかった、、この辺りは普通だった

 元の世界と同じで、余所に攻めたら他の国から非難されるのと一緒か、



「暗殺者とかは無理やけど、今回みたいのは多分無いはずやよ」

「ならよかった、しばらく南に住むかな」


「ぎゃぼう!南ですか暖かくて美味しい果物だらけですねです」

「あの、サリオさん果物は高価ですからあまり口に出来ないかと、」


 

 それからしばらくサリオと食事での言い合いが始まっていた‥。



 


         閑話休題(値段次第だな)

 



 

「しかし、暗殺で公爵を乗っ取るとかアリなんかよ、」

「え?普通やよ、バレ無ければいいだし、例えば森で兄をやっちゃうとかね」


「‥‥‥」

「‥‥‥」

「あの、わたしはその時寝てしまっていたので、」



 どうやらよくあるようだ。

 思いっきり身近であったのだ、しかも一枚噛んだ形になっていたのだ。

 やはり油断ならない異世界だ。



「あと、公爵ってのはそんな凄い権力なのかな?今回みたいな」 

「うん、無茶苦茶が出来るやね自分の領地なら、他の領地は別やけど」


「厄介な、」

「それとね、貴族ってのは大体がそんなモンやよ?自分の領地ではね、領地のモノは自分の物だ的な考えなのがぎょうさんおるんよ」


「なにその互換上位ジャイアン、迷惑すぎるだろ、」




          ◇   ◇   ◇   ◇   ◇




「ららんさん、それとツケの事なんですが‥」

「あ~それがあったの!じんないさん鎧のツケはまだええよ、南に着いたら色々と物入りでしょ、荷物は全部置いて来たんよね?」


 俺達は町を脱出の際に、急いでいた為に宿の荷物は持って来れなかったのだ。

 貴重品がある訳では無いが、着替え等の日用品はすべて失った事になる。


「そうなんです、大急ぎでしたからね、って そう言えば何で馬車で待機を?」

「ん?どらいぜんさんから連絡を受けての、それで大急ぎで準備したんよ」


 ――手際が良いと思ったけど、

 ドライゼンが裏で準備してくれたのか、じゃぁ‥‥



「どらいぜんさんも知ったのは直前だったみたいやの、それで大急ぎで教えに来てくれたんや」

「なるほどです、」

 


 町の連中には裏切られたと思っていたが、裏切ったのは知らない連中ばかりで、知っている奴はほぼ味方をしてくれていたようだった。


 俺はその事に嬉しさをひとりで噛み締めていると、そっと背に手が添えられた。


「あの、よかったですねぇご主人様」


 ラティが俺の背に手を添えながら横で優しく微笑んでいたのだ。


「ああ、かなり嬉しいな」


 俺はガラにも無く素直に感想を口にしていた。

 だが、本当に嬉しかったのだ。

 

 今までは、基本的に周り敵で、ラティとサリオ以外で頼んでもいないのに助けてくれる存在がいた事が。

 そんな感想に浸っていると、ららんさんが思い出したように聞いてきた。


「そういや、じんないさん。どらいぜんさんに最後何をお願いされてたんです?」

「ああ、あれね‥」



 俺達がららんさんの馬車に乗り込む直前に、俺はドライゼンからある頼みごとをされていた。

 

 内容は。

 『いつか北で力を貸してくれ、今はまだその時では無いが』と。

 なんとなく予感していた、暗殺者を北で見た事あるなど聞いた時に‥‥。


 だが、まだその時では無いのだから、頼みごとはまだなのだろう。


「ドライゼンが今度手伝ってって事ですよ」

「にしし!なるほろのぅ、そういう事にしときますかの」



 ららんさんはまるで内容を知っているかの様に『にしし』な笑みを浮かべている。

 そしてまた何かを思い出したように口を開く。


「あ!そだ、じんないさんメッチャ強かったのう、あの槍捌きは凄かったで」

「槍捌き‥? あ!あの最後の三人相手の時か!」


「丁度見えたんやけど、しゅぱー!っとやっつけておったから」

「いや、普通に雑魚だったし、別に大した事じゃ、」


「ららんちゃん!ジンナイ様が余裕発言してるですよです」

「さりおちゃん!まさかの俺Tueeeですかね?コレ」



 エルフとハーフエルフのちびっ子たちが、やいのやいの騒ぎはじめていた。

 見た目は可愛らしいのだが、腹黒な奴等なのだ、しかも年上。

 

 俺がその二人を眺めていると、横からラティも語りだした。


「そうですねぇ、ご主人様は本当にお強くなられました。相手は手練れではなかったですが、それでも3人を相手に鎧袖一触でした」


「ぎゃぼー!ラティちゃんまで褒めてキタですよです」

「らちちゃんが褒めるなんて本物やの!」


「いや、もういいから、」




 俺達は馬車の中で情報整理から話し合い、そして雑談を交わしながら南に向かった。

 つぎの新天地の南に向けて。

 


深夜に、なろう勝手にランキングで一瞬だけ38位の良い夢を見させて頂きました!


ご指摘や感想ご質問などお待ちしておりますー

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