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纏まる騒動

やっと話が進みます!

今回は短くてスイマセン

 偽俺騒ぎから四日後。


 地下迷宮ダンジョンの魔石魔物狩りの休憩中にドライゼンが近寄ってきた。

 普段からハブられ気味の俺の周りには現在誰も居なかった。


 ラティとサリオは、休憩時間は赤城組の女性陣に連れて行かれるのだ。



 寄ってきたドライゼンが少し周りを気にしてから俺に話し掛けてきた。

 何気無い雑談のように―― 


「ジンナイ、前の偽者を覚えているよな?」

「忘れられるか!あんなの」


「アイツな、まだ居るんだよ」

「へ?それが」



 ドライゼンの話の流れと意図が読みきれず、俺は聞き返していた。

 

「普通はあんな馬鹿なマネをした奴は町を去るんだよ」

「あ、確かに普通はそのまま居られないな、どっかに行くよなぁ」


「女の方は去ったみたいだけど、男の方はまだ居るんだ、それと」

「それと?」


「乱闘騒ぎの方もまだ居るんだ、アイツも去ってもおかしくないのに」

「で、前フリはもういい、要点を教えてくれ」



 ドライゼンとの付き合いでもう解る。

 これは何かがあって、俺に忠告をしに来てくれたのだと。

 たぶん、忠告が必要な位にやっかいな事が起きているのだろう。


「ジンナイ、誰か貴族‥上級男爵以上に恨みを買うような心当たりないか?」

「‥‥ある」


「やはりそうか‥、たぶん貴族が暗殺者を雇ったかも知れない」

「なんで分かった?理由を聞いてもいいか?いや教えてくれ」



 大小の差はあるが、恨みを買ったと思う心当たりは4つある。

 まずひとつはギームル、次に北でのゴタゴタがあったジャアの実家。

 可能性が低いと思うが、城で葉月にちょっかい出してた奴。

  

 無いと思うが、南の領主辺りだろうか。



「理由は、実家に居た時に似たような奴を見た事があるからだ」

「貴族だって言ってたな‥それでか、でもそれだけで?」


「ああ、だから確証がある訳じゃないが、デッドって男には注意しろ」


 『奴は多分暗殺者だ』『詳しい話しは後』とドライゼンは俺に伝えてきた。

 


 その後、魔石魔物狩りが終わり、宿の食堂で詳しい話しを聞く事になった。


 今回の経緯をドライゼンが語る。

 ドライゼンはいつもの趣味に近い情報収集を行っていたらしい。

 

 数日前に、とある酒場で乱闘騒ぎの相手エルドを見たのだが。

 その相手エルドと一緒に話をしている男に違和感を感じたそうだ。


 また別の日には、例の偽者の奴とその男が一緒に居るのを目撃したと。

 

 それで気になり、そのまま見張っていると乱闘男エルドまで合流したと。

 その二つの出来事を目撃して、俺がターゲットでは?と感じたようだ。

 その際に【鑑定】で調べ、名前と【固有能力】をチェックしておいたそうだ。 

 

 能力は【隠密】【無音】【隠殺】などを確認。

 


 そして今日の休憩時間に俺に確認をし確信したそうだ。

 何かしらの刺客だと。


 ドライゼンはいつもの笑顔ではなく、真面目な表情で俺を見つめながら。


「どうする?これは結構やばいかもだけど、」

「だな、俺も楽天的に考えるつもりはないし、油断もしない」


「ジンナイらしいな、でももしかしたら暗殺者じゃないかも知れない」

「でも怪しいんだろ?」


「怪しいな、あの二人に接触している時点で怪しいからな」

「だな‥‥」



 正直、いつかあるんじゃないか?と 考えていた事だった。

 いつも理不尽に襲われる。

 

 召喚も勇者としての能力無しも奴隷の事も。

 この異世界は俺に理不尽で無茶ハードモードばかりが降り懸かる。


 

 だが、素直に理不尽を受け入れるつもりはない―― 

 理不尽を取り払う事は出来なくても。


 避けるにげる事や対処たたかうする事は出来る。

 俺はその力を身に付けて来たのだ、隣にはラティも居る。

 あ、あと、サリオも。


 

 ――今は兎に角考えろ、

 誰に狙われているのか、まずは誰に狙われたかを知りたい‥ ん?


「なぁドライゼン。お前が実家で見た暗殺者ってどこで?」

「あまり言いたくないが、北だ、」


「北ってボレアス領か?」

「ああ、ある貴族に会った時に見たんだ、似たような奴を」


「似たとは?服とかか?」

「そうだよ、それと雰囲気とか空気かな」


「ボレアス領の伯爵か?その会った貴族ってのは」

「――っな!?なんでそれを」



 ――決め付けるのは危険だが、

 北の伯爵の可能性が高いな、いま思うと一番狙ってくる可能性高いか、

 アゼルさんが隠蔽失敗したのか、? あと確認を、


「ちょっと質問だけど、中央の宰相は暗殺とかやらかすか?」

「お前‥‥トンデモないのに恨まれてんだな、ちょっと引いたぞ」



 ドライゼンに本気で嫌そうな顔をされてしまった。

 だが、俺が悪い訳じゃ無い、この異世界が理不尽なのだ。


「で?どう思うんだ?」

「俺の主観で言うぞ、たぶん暗殺は使わないな」


「一応理由を聞きたいんだけど」

「理由は簡単だ、清廉潔白な方だからだ。いいか?宰相ってのは旨みが全くない役職なんだ。権威はあっても権力はあまり無いし、やりたがる奴はほとんどいないんだ。それを10年以上も続けている人が、暗殺者を使うとは考えられないな」


 

 ドライゼンが熱の入った声音で俺に語りかけた。

 まるで、暗殺者を雇うか?と聞いた俺を叱りつけるようにも感じれる位に。

 ひょっとするとドライゼンは、あの宰相の知り合いなのかもだ‥

 

 ――宰相は暗殺者使わないか、、

 確かに暗殺者を使うなら、もっと最初にうちに来てるか‥  



 その後、ドライゼンと話し合いを交わし。

 常に警戒をするように言って、ドライゼンは去っていった。


 

 そして部屋に戻り3人で相談し合う。


「ぎゃぼう~困ります~ジンナイ様が死んだらあたしが困ります~です」

「やかましい!困るってのはお前の事かよ」


 

 サリオはふざけた事を言っているが。今なら解る。

 コレは彼女なりテレ隠しのようなモノで、本当は俺の心配してくれ――

  

「あ!今なら赤城様のところで引き取ってくれるかもです」 


(あれ?違うかも)





             閑話休題アイアンクロー






「ラティ、【隠殺】があると殺気とか感知出来なくなるのか?」

「はい、完全には察知出来なくなるかもです」 


「う、やっぱりかぁ」

「あの、それなのですが気配なら察知出来るかと思います、覚えたので」


「へ?覚えてる?」

「はい、前の乱闘の時にご主人様を凄く睨んでおられる方がおりまして、殺気を感じないのが不思議でしたが、【隠殺】の件で合点致しまして、その気配なら覚えておりますので」



 うちのラティはチートかも知れない。


 あの時に、確かにラティは監視をしているのが居ると言っていのだ。

 話を聞く限りでは、余程分り易い位に睨んでいたのだろう。

 これである程度やり易くなったかも知れない。


 もしかしたらソレも罠の可能性があるかも知れないが。



「よし!助っ人傭兵はそのまま続けよう、それと食事場所も毎回変更だな」 

「はい、それが宜しいかと、一応食事にも今後【鑑定】をしますねぇ」

「ひゃほう!新しい店でのお食事!嬉しいです」 



 こうして俺は北原以外の暗殺者と戦う事になったのだった。

読んで頂きありがとですー


感想やご質問にご指摘などお待ちしておりますー

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