えぴろーぐ
最終話です。
ええ、第一章の完結です。
若干連投気味なので、まだの人は一つ前のお話へと。
あと、一つ前の話は後半に若干追加があります(ストーリーには影響なし程度です
では最終話をどうぞ
カランカランと木の板の音がなった。
この木の札さんがなるときは、このお家にお客さんが来るあいず。
「おとうさん、おかあさん。おねえちゃんをおむかえに行ってくう」
『気を付けて』といつもいっしょの声をかけてくれる優しいお母さん。
コトママは、『一緒に行きましょうか?』って言ってくれるけど、コトママはお料理しているから平気ってお返事をすう。
『行ってらっしゃい』とハヅキママに見送られながら、わたしは歩きなれた道をとてとてと歩く。
すっごく大きい木さんばかりの森。
道をまっすぐ歩いていると、遠くにお馬さんが見えた。
わたしはおかあさんのいいつけを守って、大きく手をふってあいずをすう。
ちゃんとわたしがいるってあいずしないとあぶないから。
「あっ! サリオお姉ちゃ~ん!」
「モモちゃーーーん! やって来ましたですよです~」
わたしの大好きなサリオお姉ちゃん。
わたしがもっと小さいときから遊んでくれた大好きなお姉ちゃん。
いまも来てくれたら遊んでくれて、よくお芝居につれて行ってくれう、とっても大好きなお姉ちゃん。
「わあ、モモちゃん、大っきくなりましたねえです。もう5才でしたっけです?」
「うん、5才。あとちょっとすうと6才」
わたしを大っきくなったと言うサリオお姉ちゃんだけど、大っきくなったというならお姉ちゃんもそう。まえはもっと小さかった。
ひょっとするといまのわたしよりも小さかったかもしれない。
でもサリオお姉ちゃんは大きくなった。
よくわからないけど、お父さんが悪いモノを取ってくれたから大きくなれるようになったって言ってた。
くりっとしたおめめは前といっしょだけど、髪も凄く長くなって、いまは絵本にでてくるようせいさんみたい。
「にしし、いつも仲良しさんやのう」
「あ、ららんお兄さん」
サリオお姉ちゃんにほっぺたをスリスリされながら、ららんお兄さんを見る。
お父さんはとても怖いひとだって言っていたけど、いつもわたしにお菓子をくれる大好きなひと。
たしかにときどきすっごい目をしているけど、お父さんの方がもっとすごい目をしているし、サリオお姉ちゃんを見るときの目はやさしくて、本当に大好き。
「ほい、モモちゃん。これはお土産。ちゃんと馬車に乗ったらもっとあげるからのう」
「うん、ちゃんと馬車にのう~」
ららんお兄さんの馬車にのって、わたしはお家へとかえう。
「おっ、モモはサリオたちのお迎えに行ってくれたのか? おしおし、いい子だなモモは」
「うん、おむかえいってた~」
わたしはお父さんにとびつく。
馬車の上からだからちょっとこわいけど、お父さんはぜったいにだっこしてくれる。
わたしのお父さんはすごいひと。
むかし、すごい悪い”まおう”っていうのをたおしたすごいひと。
サリオお姉ちゃんがつれていってくれたお芝居で、お父さんがすごくがんばったことをおしえてもらった。
お父さんとお母さん、ことママとはづきママもがんばっていた。
でも、お父さんがすっごいしっぱいをしちゃって、せきにんをとる? ために、らーしるさんってひとをみて、まもらないといけなくなっちゃった。
そうしないとこまるひとがいっぱいで、よくわからないけどたいへん。
だからおとうさんは、木さんが大きな森にいう。
「さあ、モモ。サリオお姉ちゃんを案内してあげて」
「うん、――あっ! お母さんと”リティ”ちゃん」
お家のとびらから、大好きなお母さんと、とっても大事なわたしのいもうとリティがやってきた。
お母さんに手をもってもらってよちよち歩きのリティちゃん。
きょうはリティちゃんの一才の誕生日。
だからみんなあつまってくれた。
みんなが来てごきげんニコニコのリティちゃん。
これはぜったいに言っちゃだめなひみつ。
よくわからないけど、リティちゃんは、まおうさんをたおしたときのごほうびだっておしえてもらった。
ほんとうは、よくわからないけどダメなのに、そのごほうびでリティちゃんを『さずかった』って、お父さんにおしえてもらった。
このイセカイのカミサマが、がんばったからごほうびにくれたって、お父さんがいっていた。
わたしはすごくうれしい。
可愛い、可愛いわたしのいもうとリティちゃん。
「リティちゃ~ん」
「あぷぁ!」
リティちゃんもわたしがだいすき。
わたしは大好きなお父さんと、大好きなお母さんと、大事で大好きなリティちゃんとすごしていくの。