ドキッ!? 気になる樹は魔王様
更新遅れてすいません。
少々忙して……
もうちょっとすれば時間がとれるはず!
あ、発売しましたよーー!
是非、見て欲しいです;
元の世界で、とても有名なヘルメットなヒーロー達が、なんたらタッチというモノをして、人数が増えれば増えるほど速度が上がるなどの設定があった。
だが移動とは、数が多ければ多いほど移動速度は遅くなるモノ。
現在俺達は、200人を超える大人数で移動しており、移動速度と踏破性に優れる俺の馬車は、他の馬車に速度を合わせる形で走らせていた。
ただ、チートなペットであるヨウちゃんのお陰で、魔物に襲撃されることはなかった。しかし、肝心の移動速度は上がらないので、当初予定していた村までは辿り着けず、途中の道端で野営をすることになり、その準備をしていると――
「おいおいジンナイ。久々に会えたってのに、これは何の大軍だ?」
「へ? ドミニクさん、それにリーシャ」
「あ、ジンナイだ! ホントに家出から戻ったんだ」
「おい、おれを無視すんな。あ、妹はどうしたんだよ! いや、連れて来てたらぶっ飛ばす。なぁ、モモとは会ったんだよな?」
野営をしている時に出会ったのは、熟練中年冒険者のドミニクさんとその娘リーシャ、そしてモモちゃんの兄ロウだった。
どうやら彼等は、ナントーの村での護衛をしていたそうだが、交代が来たのでノトスに戻る途中だったらしい。
そして、何故か俺達と合流すると言い出したのだ。
魔王が発生したので、このまま同行するのは危険かもしれないと言ったのだが。
『ジンナイ、勇者様たちが戦うんだろ? だったらそれを見逃すような奴は居ないさ』などと言うのだ。
しかも、リーシャとロウまでもそれに同意。
勇者の人気というべきか、勇者達が集まるのだから、その機会を逃すという発想はないらしい。
今代の勇者の戦いを、目撃出来るのかもしれない。
そしてその機会があるのだから、それについて行くと言うのだ。
しかし中央の招集に参加出来る条件はレベル20以上。
熟練のドミニクさんはともかく、リーシャとロウには参加資格は無いのだが。この二人は裏方として参加すると言い出した。
出来ればノトスへと戻って欲しかったのだが、ドミニクさんがこのまま参加すると、リーシャとロウの二人だけでノトスへと戻る事になるので、結局3人とも中央へと行くことになったのだった。
最初は、狼人少年のロウはまだ子供なのだから、この旅は厳しいのではと思っていた。だが、ロウは思いの外よく働いていた。
しっかりと仕事を叩きこまれたのか、ロウは率先してテキパキと動き、野営時や、馬を休ませる時の休憩時にしっかりと仕事をしていた。
少なくとも、俺とサリオよりかは働いていた。
そして――
「え? コトノハ様がモモの面倒を」
「はい、モモちゃんとは仲良くさせて貰っています。ふふ、可愛いですよねモモちゃん。よく抱っこをしてあげているんですけど、『くぁ』ってアクビをしてからコテンって眠っちゃったりして」
ロウは、女神の勇者様である言葉とよく話していた。
内容のほとんどはモモちゃんの事だが、空いた時間は言葉と話してばかりだった。
そしてその後ろでは、まるで弟が取られたかのように、リーシャが面白く無さそうな顔をしていた。
時折り自身の胸元に手を当て、小さな溜め息を吐きながらロウを見ている。
これから魔王と戦うというのに、少々緊張感のない空気。
あまり人の事は言えないが、悲壮感というモノは皆無に近かった。
斜に構えた見かただが、これから楽しみにしているスポーツの試合にでも向かうかのような雰囲気。
――これは勇者がいるからか?
なんか勝ち試合にでも行くみたいだな、
その後俺達は、五日ほど掛けて中央へと辿り着く。
大人数だった為に、予想よりも二日ほど遅れた到着だった。
因みに獣人少年のロウは、女神の勇者言葉とよく話すことと、それをなんとも言えない表情で見ているリーシャのこともあり、嫉妬組から監視対象となった。
俺としては、言葉とはどう接したら良いのか分からず、現在距離感を取り損ねている状態なので、ロウの存在は正直助かった。
ロウを挟むことで何とか会話をすることが出来たのだから。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
城下町に入ると、まず俺達は宿の手配を行った。
今回は大勢の冒険者を招集しているのが予想できた。一人二人なら何とかなるだろうが、二十人を超える団体が数多くいる。
勇者達の分なら、城に部屋を取ってくれるだろうが、一緒にいる冒険者全員まで引き受けてくれるかは不明だった。
それに伊吹と三雲は、冒険者達と一緒にいる事を選ぶつもりらしく、元から城へと泊まるという選択肢はない様子であった。
流石に50人を超える冒険者を、一緒に受け入れられる宿屋は少なく、陣内組、三雲組、伊吹組は、それぞれ分かれて宿へと泊まることになった。
陣内組だけで一件の宿屋を貸し切りにする為に、先に泊まっていた宿泊客相手に、ドミニクさんが交渉をしていると。
「あの、ご主人様。あちらに」
「うん? 何が」
ラティが何かに気が付いたのか、宿屋の入り口の方を示した。
そしてその示した入り口の方へ視線を向けると、二人の冒険者が宿屋へと入って来た。
俺は咄嗟に、貸切るつもりの宿屋なので、マナー違反かもしれないがやんわりと断ろうと思っていたのだが――
「あ、赤城――と、ドライゼン」
「やあ、陣内君」
「オレとは一年ぶりか、ジンナイ」
( 何でこの二人が? )
俺は心の中で咄嗟に身構えた。
俺達が城下町に入ったのはほんの1~2時間前。しかも城への報告は後回しにして、宿屋を探していたのだ。
偶然にココへ来たとは考えられない。
間違いなく奴等は俺が来るのを待っており、そしてやって来たのだ。
どうしても勘繰ってしまう。
( ラティの反応は…… )
出来るだけさり気なく、俺はラティの方へ視線を向け、彼女の【心感】を確認する。
視界の端に見える彼女の表情は無表情。
( 敵意は無しか )
一瞬で確認を終えると、俺は赤城に話し掛けた。
「久しぶりだな赤城。で、何か用があって来たんだよな?」
「ああ、話が早くて助かるよ陣内君。情報の共有というべきか」
「うん?」
「実はね、僕達は魔王と既に一戦やってきたんだよ。それで分かった事が何点かあるから教えに来たのさ」
勇者赤城は、俺達に魔王についての情報を伝えるべくやって来た様子だった。
読んで頂きありがとう御座います。
宜しければ、感想など頂けましたら嬉しいです。
ちょっと返信が遅れておりますが、必ず感想返しは致します^^




