表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

287/690

ドキッ!? 気になる樹は魔王様

更新遅れてすいません。

少々忙して……


もうちょっとすれば時間がとれるはず!

あ、発売しましたよーー!

是非、見て欲しいです;


 元の世界で、とても有名なヘルメットなヒーロー達が、なんたらタッチというモノをして、人数が増えれば増えるほど速度が上がるなどの設定があった。

 

 だが移動とは、数が多ければ多いほど移動速度は遅くなるモノ。


 現在俺達は、200人を超える大人数で移動しており、移動速度と踏破性に優れる俺の馬車は、他の馬車に速度を合わせる形で走らせていた。


 ただ、チートなペットであるヨウちゃんのお陰で、魔物に襲撃されることはなかった。しかし、肝心の移動速度は上がらないので、当初予定していた村までは辿り着けず、途中の道端で野営をすることになり、その準備をしていると――


「おいおいジンナイ。久々に会えたってのに、これは何の大軍だ?」

「へ? ドミニクさん、それにリーシャ」

「あ、ジンナイだ! ホントに家出から戻ったんだ」

「おい、おれを無視すんな。あ、妹はどうしたんだよ! いや、連れて来てたらぶっ飛ばす。なぁ、モモとは会ったんだよな?」


 野営をしている時に出会ったのは、熟練中年冒険者のドミニクさんとその娘リーシャ、そしてモモちゃんの兄ロウだった。

 

 どうやら彼等は、ナントーの村での護衛をしていたそうだが、交代が来たのでノトスに戻る途中だったらしい。


 そして、何故か俺達と合流すると言い出したのだ。


 魔王が発生したので、このまま同行するのは危険かもしれないと言ったのだが。

 『ジンナイ、勇者様たちが戦うんだろ? だったらそれを見逃すような奴は居ないさ』などと言うのだ。

 しかも、リーシャとロウまでもそれに同意。


 勇者の人気というべきか、勇者達が集まるのだから、その機会を逃すという発想はないらしい。


 今代の勇者の戦いを、目撃出来るのかもしれない。

 そしてその機会があるのだから、それについて行くと言うのだ。


 しかし中央の招集に参加出来る条件はレベル20以上。

 熟練のドミニクさんはともかく、リーシャとロウには参加資格は無いのだが。この二人は裏方(サポーター)として参加すると言い出した。


 出来ればノトスへと戻って欲しかったのだが、ドミニクさんがこのまま参加すると、リーシャとロウの二人だけでノトスへと戻る事になるので、結局3人とも中央へと行くことになったのだった。



 最初は、狼人少年のロウはまだ子供なのだから、この旅は厳しいのではと思っていた。だが、ロウは思いの外よく働いていた。


 しっかりと仕事を叩きこまれたのか、ロウは率先してテキパキと動き、野営時や、馬を休ませる時の休憩時にしっかりと仕事をしていた。

 少なくとも、俺とサリオよりかは働いていた。


 そして――


「え? コトノハ様がモモの面倒を」

「はい、モモちゃんとは仲良くさせて貰っています。ふふ、可愛いですよねモモちゃん。よく抱っこをしてあげているんですけど、『くぁ』ってアクビをしてからコテンって眠っちゃったりして」


 ロウは、女神の勇者様である言葉(ことのは)とよく話していた。

 内容のほとんどはモモちゃんの事だが、空いた時間は言葉(ことのは)と話してばかりだった。


 そしてその後ろでは、まるで弟が取られたかのように、リーシャが面白く無さそうな顔をしていた。

 時折り自身の胸元に手を当て、小さな溜め息を吐きながらロウを見ている。


 これから魔王と戦うというのに、少々緊張感のない空気。

 あまり人の事は言えないが、悲壮感というモノは皆無に近かった。

 斜に構えた見かただが、これから楽しみにしているスポーツの試合にでも向かうかのような雰囲気。


――これは勇者がいるからか?  

 なんか勝ち試合にでも行くみたいだな、

 


 その後俺達は、五日ほど掛けて中央へと辿り着く。

 大人数だった為に、予想よりも二日ほど遅れた到着だった。


 因みに獣人少年のロウは、女神の勇者言葉(ことのは)とよく話すことと、それをなんとも言えない表情で見ているリーシャのこともあり、嫉妬組から監視対象となった。 

 

 俺としては、言葉(ことのは)とはどう接したら良いのか分からず、現在距離感を取り損ねている状態なので、ロウの存在は正直助かった。


 ロウを挟むことで何とか会話をすることが出来たのだから。

 



 

       ◇   ◇   ◇   ◇   ◇





 城下町に入ると、まず俺達は宿の手配を行った。

 今回は大勢の冒険者を招集しているのが予想できた。一人二人なら何とかなるだろうが、二十人を超える団体が数多くいる。  


 勇者達の分なら、城に部屋を取ってくれるだろうが、一緒にいる冒険者全員まで引き受けてくれるかは不明だった。

 それに伊吹と三雲は、冒険者達と一緒にいる事を選ぶつもりらしく、元から城へと泊まるという選択肢はない様子であった。


 流石に50人を超える冒険者を、一緒に受け入れられる宿屋は少なく、陣内組、三雲組、伊吹組は、それぞれ分かれて宿へと泊まることになった。

 

 陣内組だけで一件の宿屋を貸し切りにする為に、先に泊まっていた宿泊客相手に、ドミニクさんが交渉をしていると。


「あの、ご主人様。あちらに」

「うん? 何が」


 ラティが何かに気が付いたのか、宿屋の入り口の方を示した。

 そしてその示した入り口の方へ視線を向けると、二人の冒険者が宿屋へと入って来た。


 俺は咄嗟に、貸切るつもりの宿屋なので、マナー違反かもしれないがやんわりと断ろうと思っていたのだが――


「あ、赤城――と、ドライゼン」

「やあ、陣内君」

「オレとは一年ぶりか、ジンナイ」


 ( 何でこの二人が? )


 俺は心の中で咄嗟に身構えた。

 俺達が城下町に入ったのはほんの1~2時間前。しかも城への報告は後回しにして、宿屋を探していたのだ。


 偶然にココへ来たとは考えられない。

 間違いなく奴等は俺が来るのを待っており、そしてやって来たのだ。

 どうしても勘繰ってしまう。


 ( ラティの反応は…… )


 出来るだけさり気なく、俺はラティの方へ視線を向け、彼女の【心感】を確認する。

 視界の端に見える彼女の表情は無表情。

 

 ( 敵意は無しか )


 一瞬で確認を終えると、俺は赤城に話し掛けた。


「久しぶりだな赤城。で、何か用があって来たんだよな?」

「ああ、話が早くて助かるよ陣内君。情報の共有というべきか」


「うん?」

「実はね、僕達は魔王と既に一戦やってきたんだよ。それで分かった事が何点かあるから教えに来たのさ」


 

 勇者赤城は、俺達に魔王についての情報を伝えるべくやって来た様子だった。

 

 

読んで頂きありがとう御座います。

宜しければ、感想など頂けましたら嬉しいです。

ちょっと返信が遅れておりますが、必ず感想返しは致します^^

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ