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脱出

今までの書き方をちょっと意識して戻してみました

何故か重くなっている気がしたので、違和感あるかも知れませんが申し訳ないです


書き方戻した方が、進む気もしまして、あと 書いてて楽しいので

  


 俺は激しく反省しながら走っている。


 もっと穏便に行けなかったのかと、カッとなって衝突ばかりしていなかったかと。理不尽な事だからと、それで常に噛み付くような事ばかりしていたのではと。


 そして、俺はまた失敗もしていた。忠告を受けていたにもかかわらず、ラティに頼ってばかりでは恥ずかしいと思い、ラティとサリオにその忠告のことを話さなかった。


 話していれば警戒してラティが睡眠薬入りの食事を取ることもなかったのではと。



 頼らないように心掛けるのと、頼らないでは全く違うのに。

 俺はそれを勘違いして、そしてラティとサリオを危険な目に合わせている事に、情けなくて泣きたくなっていた。



 ――だけど今は、泣き言より行動だ、


「ジンナイ様、このまま森の中を移動で?」

「ああ、このまま森経路であの街を目指そう」



 俺達は天幕から逃げ出した後に、暗闇に乗じて森の逃げ込んだのだ。だが、あまり時間を掛けると、勇者や葉月達の場所がわからなくなるので急がねばならない。


 いま行われているだろう戦勝会に間に合わないと、葉月達に合えなくなる可能性が高い。

 口裏を合わせて、俺達は先に帰ったとでも言われ、勇者達と会えないように包囲されると詰みである。

 包囲される前に勇者達に会いに行きたいが‥


 ――しかし、いくら何でもここまでやるか? 

 俺に対しての恨みか?他にも間接的に恨みでもあるような、 

 何となくそんな気がするな‥


 ――取り敢えずは街に入って勇者の葉月を味方に付けて、

 ヴェノムの横暴なやり方を止めてもらう案しか浮ばないな、

 冒険者の奴隷を強引に奪うのが、まかり通るとは思えないし、



 俺の予想では。

 あの馬鹿息子と騎士隊長あたりの取り巻きだけが、単独で動いてると予想を付けた。少なくともあの時までは、陣営を歩いていてもまだ平気だったのだから。


 ラティとサリオを寝かして無力化し、俺も天幕内で捕縛でもするつもりだったのだろう。予想外だったのはサリオと俺がその事に気付いて逃げたした事。




 藁にも縋る思いで街の近くまで森を経由してたどり着いたが、残念ながら明らかに警戒されていた。

 森から姿を少しでも現せば、騎士達が殺到しそうなくらい厳重に街の出入り口を封鎖していたのだ。

 街は外壁でしっかりと閉ざされており街に侵入するのは絶望的であった。これは別の逃げる方法を考える必要がある。 


( 街がダメと、強行突破も無理 )



 ――大体なんでこんなに警備しっかりしてるんだよ!

 って、あれ?馬車が街から出てきた‥

 あれって騎士アムさん?あと子供が乗ってる、しかも耳が長い?


 街から姿を現した馬車はそのまま進み、街からは見えない森の近くで止まったのだ。あからさまに怪しく。


「怪しいですねです‥」

「ああ、露骨過ぎるな」


 ――どう見ても罠!

 でも、乗ってるの騎士アムさんなんだよな、どうしようか‥よし!



「サリオ、ここで待機してラティを見ていてくれ、俺が行ってくる」

「信用できる人なんですかです?」


 ――ガレオスさんの知り合いだし、

 もしかしたら、ガレオスさん連絡が出来るかも、それに、


「たぶん平気だ、ここまであからさまなのは俺に会う為だろう」

「了解してラジャです」


( きっと、平気だ、甘いかな俺、)



「やぁ、出てくるの待ってたよ英雄さん」

「やっぱりですか、騎士アムさん」


「困ってると思ってね」

「全くですよ、あの馬鹿息子のお陰で」


「それでね、逃げる手伝いをしようと思ってね」

「へ?ガレオスさんに連絡を取ってくれればいいんだけど」


「ああ、いまは無理かな。ほら、目を光らせて居る奴がいるから、このまま逃げちゃおうよ」

「そうなんですか、それじゃあ逃げるしかないんですね」



 呆気なく逃げる為に馬車が手に入った。

 だが、何故俺を逃がす為に手助けしてくれるのかが気にはなった。

 一瞬罠かと思ったが、もし罠ならばこの時点で囲まれているはず、そうではないのだから、罠なのでは無いのだろう。



 心の中で罠の可能性を否定し続けながら馬車に揺られていると、騎士アムさんが、唐突に御者をしている男の子の紹介し始めた。


「この御者をしてる子は、ららんって言うんだ、僕に協力をしてくれてね」



 その後は、のん気にららんの紹介と逃走ルートを説明してくれた。


「この森の道を進めば、見つかっても後ろからの攻撃だけ警戒すればいいから楽だよ」

「それ回り込まれる可能性は?森の先で」


「平気平気、たぶん‥」

「おい!」


 なんとも緊張感の無い奴であるが。

 たぶんと言った辺りで目を逸らしたのが少し気になる。

 

「まぁ、逃げ切れればいいけど、ダマしてないよね?」

「それを素直に聞くんだ。僕に」


「ジンナイ様、なんともマヌケ会話をしてますです」

「あはは!そうかもね、それとね気づかれちゃった」


「へ?」

「ぎゃぼ?」


 いつの間にか後ろから馬に乗った騎士団が追って来てたのだ。

 その数は、目視ではすぐに確認出来ない程の人数であった。 


「さぁ!追っかけっこだね」


「なにぃーーー!」

「がぉーーーん」


 ――って!追って来てるの、ヴェノムとデウス達か、

 大将自ら追ってくるって、あとは取り巻きか‥?


 追ってくる騎兵の中に、ヴェノムとデウスの姿が見えたのだ。

 他の騎兵とは違う格好なのですぐに気が付けた。


「ららん、気軽に逃げてくれ」


「いやいやいや!ガチで逃げろよ」

「ジンナイ様、この人軽すぎますよ!なんか怖いですよ逆に」


「サリオはラティを支えてやっててくれ、俺は後ろを警戒する」

「らじゃです!」



 ――騎士ならたぶん魔法は無いはず、

 クロスボウとかか?矢を気をつければ‥って!


「 ファランクス! 」


「―――― ギィィイイン!!――――」


 結界の小手から魔方陣が出現し矢を防ぐ。


「頼むー全力で逃げてくれーーー!」

「わかったー!ららん頑張れー」


「あの、アムドゥシアス様おれは御者じゃなくて、アクセサリー師ですよー」



「ぎゃぼう、ららんさんが喋った、無口キャラかと思ってましたよです」

「ほらほら、次の矢が飛んで来るよ」


「アムさん、この結界結構大変なんですよ!」

「ラティちゃん起きてー!この男ども使え無すぎるです」



 大騒ぎしながら逃げる俺達。

 それを追ってくる騎士団。だが、騎士団にはこちらを止める手段が無く、ただ追ってくるだけであった。


「あ~~サリオちゃんかな?相手が横に回り込みそうだったら魔法で止めてね」

「ほへ?騎士の人に撃ってよいのです?」


「ああ、構わないよ責任は僕が取るからね」



 そして馬車は森を抜けた。が――


「おい!アムさん完全に回り込まれてるじゃないか」

「ぎゃぼー詰んだですよ詰んだですよです!」


 森を抜けた先には、騎士団が百人以上待ち伏せをしていたのである。そして追ってくる騎士も20名以上。


「ああ、平気だよ英雄さん」

「む?」


「ぎゃぼう!待ち伏せですよです」


 ――くっそ、ラティだけでも護るには、、

 だけど、なんでアムさんはこんなに余裕なんだ‥?



「うんそうだね、でも待ち伏せされているのは、あいつ等だけどね」

「へ?」


 困惑している俺達を無視して、アムさんが突然真面目な顔をして声をあげる。


「やれ!お前達、僕は覚悟決めたよ」


「おおお!アムドゥシアス様」

「いくぞーてめー等」

「アムドゥシアス様が覚悟を決めたぞー」

「遅いんですよ覚悟が、でもこれで間に合う」



 各々が雄叫びを上げ、俺達を追って来ていた騎士に襲い掛かる。



「さて、こっからは僕達だけで行くから、英雄さんは何も見なかった事にしてくれないかな」

「一体何が?」


「利用してごめんね、でも君と話して決めたんだよ」

「・・・・・」


「君が言ってたからね、だから酷くなる前に行動しようと思ったんだ」

「・・・・・・・」


「僕は兄を殺すよ、そしてこの領地を変えてみせる!」

「遊び回ってる息子の方だったのかよ‥」



「森で起きた不幸な事故さ、魔物がまだ残ってるなんて。発見が遅れて兄が犠牲になってしまった」

「えげつないな、」


「彼からの手紙がきっかけかもね今回のは」

「今度あったら文句言っときますよ」


「はは、お手柔らかにね。後、ららんをよろしくね」



 『また今度ね』そう告げてアムさんは馬車を降りていったのだった。





 その後は、俺達にアムドゥシアス側の騎士が近寄ってきて、【ルリガミンの町】までの食料と水、あと俺が置いていった槍を届けてくれた。



「ジンナイ様これは‥」

「ああ、」


 ――くっそ俺達は餌にさせられたのか、

 この森の道にヴェノムとデウスや取り巻きを誘き寄せる餌に‥


「ごめんよ、アムドゥシアス様が迷惑をかけたみたいだの」


「えっと、ららんさんは?」

「ありゃ?降りないでよいんです?」


「うん、オレは、」


 

 ららんが今回の事の説明をしてくれた。

 アムドゥシアスは悩んでいたと。この領地は近い未来もっと酷くなると。

 あの兄とデウスがいる限り。


 それから目を叛けるようにして遊びまわっていたが、自分を慕ってくれる部下達を作ることが出来、いつかはやらないと行けないと思っていた矢先に今回の件。


 自分と密会ではないが話す姿を見せれば、兄が気になって行動を起すかも知れない、そう思い今回動いたわけらしい。


 結果としては偶然もあるが、上手く行ったのだ。

 俺が必要以上にヴェノムに噛み付き、しっかりと餌になったと。


 しかも、街の外壁を張ってたのはアムドゥシアス側であったと言うのだ。足止めした後に自分が馬車でうろつけば、俺が出てくるだろうと。そして最後に‥


「森では何があったか知らない事にしてくださいね」


「ららんさん、それは知らなければ問題ない的な奴ですか?」

「ぎゃぼう!はら黒いです」


「そそ、そうですよ」



 人懐っこい顔で笑うららんさん。何処か黒い笑いだが‥ 


「でも、ららんさんは戻らなくても?」

「オレは領地がゴタゴタになるから、逃がされた感じやの」


「それって」

「これからあの領地は揉めますよ。しばらくは近寄らない方がいいですね」



 ――小さい子なのに、なんか強かな子だな、

 まさか‥



「あと、オレはエルフですから、今そう思ったでしょ」


 ららんは話し続ける。


「まぁ、耳を見れば検討付くと思いますけどね、あと歳も24だの」

「幼く見える【固有能力】持ち?」


「そそ【幼男】持ち」

「ぎゃぼー!あたしとキャラがかぶったーです!」

 

 下らない雑談と交えならが馬車を走らせる。

 まるで今までの激走などなかったかのように‥




 こうして俺達の初の防衛戦を終えた。

 


 ――なんか、防衛戦とは関係ない所で疲れた気がする、

 ああ、ラティ早く起きないかな、癒しが欲しいよ癒しが、


読んで頂きありがとうございます

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[一言] ぎゃぼうぎゃぼう煩い
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