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二人

二人の視点で書いてあります

この話は、勢いで書く必要があったので、見直しが甘いです

いつも以上に酷い文章ですが許してください、読み飛ばしても問題無いです

 わたしの名前は、ラティー・ラフィット・ロートシル


 11才の時に眠っているところを、両親に赤首の奴隷として売られた。


 それまでは、山の麓で普通に暮らしていた。

 親からはよく勉強を教えて貰っており、歴史や狩りの知識、お父さんが言うには、知識は武器であると。わたしは勉強が好きだったので、真面目に聞いて学び、本もよく読んでいた。


 学んで知識を武器にしてみたかった‥‥

 



 売られてからは、お父さんの顔はちょっと思い出せない、お母さんも思い出せない。



 奴隷になってからは、乱暴な冒険者ばかりに買われていった。

 貴族や商人などには、【狼人】のわたしを買うことが無いことを、歴史の勉強で知っていた。でも冒険者は乱暴でイヤだった。



 一人目のご主人様は、人間の男の人だった。

 お父さんくらいの年齢だと思う。武器を持たされ、魔物に切りかかれと命令をよくされていた。


 凄い怖かった記憶がある。


 二ヶ月位したある夜に、わたしは物音に目を覚ました。

 奴隷は床で寝ているから、足音や振動がよく聞こえるのだ。

 気付くとご主人様がわたしに押しかかって来た、怖かったのですぐに逃げた、何をしようとしてるのか、わたしは知っていた、だから逃げた。


 逃げて街を走っていたら、見回りの兵士様に声をかけられた。

 わたしを見た兵士様は、首の方を見ると顔色を変えて、ご主人様が誰かを聞いてきた、わたしは素直に答えた後に、奴隷商に戻された。





 二人目のご主人様は、太った冒険者だった。

 やはり武器を渡され、魔物の周りを走れと命令された。

 怖かったけど走りまわった、必死に走った。

 

 他にも走ってる奴隷の人が居たけど、みんな死んでいった。



 それから二週間位経ったある夜に、部屋に来いと呼ばれる。

 なんでも美味しいものを食べさせてやると、美味しい物は好きなので、部屋に喜んで駆けて行った。

 

 昔食べたお母さんの料理は美味しかった。

 きっと同じように美味しい物を食べれるのかも知れないと思っていた。


 

 部屋に着くと中は暗かった。

 アカリを唱えますか?と聞くと必要ないと言われた。

 ご飯を食べるのに暗くて良いのだろうかと思っていたら、ベットに横になりなさいと言われ、横になると太ったご主人様が、飛び掛ってきた。


 今から美味しいもの食べさせてあげるよ、って 訳の分からないことを言っていたが、わたしは逃げた。




 再び奴隷商に戻った。

 今度はなかなか買われずに奴隷商の館で、美味しくない食事と汚い部屋で過ごしてた。


 わたしは出来れば綺麗な場所が好きなのに。


 


 三人目のご主人様も、人間のご主人様だった。

 とても優しい人で、お風呂にもご飯も美味しいのを食べさせてくれた。


 武器は持たされ戦わせられたけど、もう慣れた物。



 二ヶ月位した日に、キミのお父さんになりたいと言われた。

 でもそんなことを言われても困ったので、悩んでいたら焦らなくてもいいよと、言ってくれた。


 少し嬉しかった。


 それからある日、お父さんと一緒のベッドに寝て、慣れていこうと言われた。

 暖かいベットで寝るのは、好きなのでベッドに入った。


 一緒に寝てくれるのは、実はわたしは好きだった。

 なんだか安心するからだ、そして体を抱きしめてくれた。

 ちょっと力が入りすぎなのか、痛かったのでご主人様にそれを伝えようと顔を見たら、顔が怖かった。


 その後は、もっと怖いことになったので逃げた。




 そんな繰り返しを30回くらい続けた。

 

 6回目くらいからは常に警戒をしながら寝るようになった。

 逃走経路などをチェックするようになり、何時でも逃げれるように準備して考えるようになった。



 どんどん顔に力が入らなくなって来ていた。

 笑うことは出来るけど、頬があがり難く、そして目に力が入らなくなってくる。鏡を見ると、目があまり宜しくない感じに。


 それは死んだ目になっていた。もう男の人に襲われるのはイヤだ。




 14才になると、買ったご主人様が、買ったその日のうちに襲ってくる事が増えた。


 助けて欲しい襲われるのは凄くイヤなことなのに。




 今日も檻で新しいご主人様を待っていると、珍しい服を着た人がやって来る。

 その人はわたしよりも死んだ目をしており、ちょっと勝てそうにない感じの目の腐り具合。


 わたしは、そのご主人様に買われる。

 何故かご主人様にステータスを見て欲しいと言われ。

 言われて見てみると、そのご主人様は目だけじゃなくて、ステータスも腐っていた。 ついでに言うと、着ている皮鎧も腐っている。


 驚きだった。



 そのご主人様は、稀にいる優しいタイプのご主人様だった。

 ただ、この世界のことを全く知らない人。だけど、よく歴代勇者様のことを悪く言う珍しい人だった。



 ご主人様が寝る場所をベッドにしなさいと言ってきた。

 やはりここは警戒するべきだろう、わたしは断固床で寝ることを主張する。


 そうしたら、ご主人様も床で寝だした、変わり者なのかも知れない。



 朝になるとご主人様が近寄ってきた。


 いつもの嫌なのが始まるのだろう、寝たフリをしながら警戒していた。

 抱えられてベッドに移され、これはいよいよ来るだろうと、わたしは体を丸めてバネを溜める。


 何時でも逃げだせるように。


 だが、ご主人様は外に出て行ってしまった。

 何故だろう?。



 もしかしたら悪いご主人様じゃないのかも知れない。

 まだ警戒は必要だけど、一緒に戦い、一緒のご飯を食べさせてくれるご主人様。


 【狼人】にも優しいタイプの人だ、ただ時たま此方を見て何か悪いことを考えている事がある、やはり警戒は必要だ、無言で見つめて警戒しよう。



 宿のお風呂に入っていると、誰かが覗こうとしいてるのを察知する。

 わたしは裸を見られるのが凄いイヤなので、覗かれる前に目をつぶすことにした。覗きを知ったご主人様は怒っていた、わたしの嫌がることをされてそれを怒ってくれた、優しい人なのだろう。


 だけど木刀は置いて欲しい。



 驚きの出来事があった。

 ご主人様は、冒険者ギルドに入れない人だった。

 何かをしたらしい。だけど【狼人】に偏見のない人だと確信も出来た。



 その後、またわたしは襲われてしまう。

 今回はご主人様ではなく、他の人だった。

 

 襲って来たのは、昔、ご主人様だった人と、今のご主人様の知り合いの方だった、油断したつもりは無かったが、魔法を掛けられて体が動き難い。


 だけど今回は安心出来た、大丈夫だと思った。

 ご主人様が来てくれるのが分かっていたのだから。


 今思うと、襲われてる時に、誰かが助けに来てくれたのは、初めてだった。



 ご主人様は普段とは比較にならない速さで男達を倒す。

 そして、泣きながらわたしを心配してくれた。


 わたしには初めての事。

 親以外の誰かが、泣きながら心配をしてくれるなんて。




 その日の夜は、ご主人様が気を遣ってくれて、一人部屋を用意してくれた。

 とてもありがたかったが、一人でいるとドンドン不安になって来た。

 

 幸い部屋の鍵を預かっていたので、ご主人様の部屋に行った。



 ご主人様は慌てていたが、部屋に迎え入れてくれた。


 助けてくれて守ってくれるご主人様に、初めて甘えてみたい衝動に駆られた。

 実際に我が侭を言ってしまった。


 そして気付いたら名前まで聞いてしまっていた。




 朝起きると兵隊が沢山いて、戦ったけど、私はすぐに寝かされてしまった。


 

 起きた時にはまた奴隷商の館だった。


 体からご主人様との契約が切れたことを感じれた。

 だけど、きっと迎えに来ると確信出来た、理由は分からないけど。


 わたしの当てのない確信は正しかった。

 

 ご主人様が迎えに来てくれた。

 何故かボロボロになっており、額と顎のキズが酷かった。

 だけど、わたしを見ると凄い安心した顔をしていた。


 わたしも安心出来た。


 このご主人様は少しだけ信用しても良い人なのかも知れない。



 その後、色々あった。


 ご主人様が、強姦の冤罪で罵られている時もあった。

 きっと自分が、説明すれば疑いが晴れるかも知れない。

 だけど、わたしは奴隷。


 主の指示も無しに、勝手に話すのは良く無い事だろう。

 だから、指示を待つ。

 『ラティ、誤解を解け』と言われるのを。

 自分が襲われた時のことを話すと言うのは、少し嫌...

 だけど指示があれば、それに従うつもり。

 それで誤解が解けるのだから。


 なのに、この方は何も指示してこない...

 ここでもわたしを守る。



 そして今、大怪我をしていた、ご主人様の横にいる。

 怪我はすでに綺麗な女性の人が治してくれた。


 すごく優しい目をしてご主人様を見ていた。

 それをわたしは...なんだろう? なんだろうか?



 ――なんだろう?



 色々考えていたらご主人様が目を覚ました。

 そして頭を撫でてくれた、その時にある事に気付いた。


 ご主人様に、何かをして貰えることが、すごく嬉しく感じること。


 何かをして欲しいのではなくて、何かをして貰った時に、前以上に嬉しく感じるようになったのだ。 


 これはいったい、、なんだろう?。



 わたしの知らない心。


 ――――――――――――――――――――――――――――――――


 わたし...私の名前は、葉月由香 17歳


 花より団子の乙女!

 学校に居たら異世界に召喚されてしまった。


 驚きはしたけど、ちょっとワクワクしてしまった。

 私はゲームやるし小説も読む、勇者だなんて、ちょっと憧れる、勉強も大事だけど、冒険もしてみたい年頃なんだもん。



 王の間に居る大人の人達が、みんな私を聖女だと呼ぶ。

 正直悪い気がしなかった、アレ私って特別っと、浮かれちゃっていた。


 

 同じクラスの陣内君が大変な事になっていたのに。




 みんなが彼を見ながら【鑑定】を使っていて、『なんだろう?』って私も【鑑定】を使ってみたら驚きだった。


 私たちが最新ゲームなら、彼は旧世代ゲームみたいな感じのステータス。

 周りのみんなも大人の人も彼を、排除しようとしている。


 

 私は怖くて何も言えなかった。情け無い...


 それから私は、教会の偉い人に援助して貰える事になった。

 右も左も分からない世界で、不安な私を助けてくれた。


 陣内君はどうなったのだろうと思ったけど、パレードから見なくなっていた。

 

 だけど子供の私には助けることが出来ない。



 そう決め付けて見ないことにした。



  

 私は少し力を付けた、勇者として少しは強く。

 次に陣内君に会ったら、私は謝ろうと思っている、

 あの時、何も言えずに、目を叛けて逃げてごめんなさいと。 


  

 だけど、偉い人から彼を捕まえて欲しいと言われた。


 勇気出して理由を訊ねてみると、彼が女の子を襲ったと言うのだ。

 証人はクラスの同級生の男子。


 いくら異世界でも女子を襲うのは絶対にダメ。



 裁判をするから、手伝って欲しいとお願いされた。


 偉い人に裁判をスムーズにする為、陣内君が騒いだら、沈黙の魔法を唱えて欲しいと、お願いをされた。


 偉い大人の人には逆らえないから、悪いとは思ったけど、沈黙の魔法を使う。



 彼は喋れないからか、すごい怖い顔をして何かを訴えている。


 裁判なら彼にも発言か何か無いとダメなんじゃ?って思ってたら、風夏ちゃんに止められた。


 確かに彼女の言う通り、凄い目をしている。



 正直怖い。それくらいに彼が必死で怖かった。

 そう怖かった。

 やっぱり本当に女の子に酷い事をしたのかもって、思っていると。

 

 王女様が来て、彼を解放することになった。


 正直女の子を襲う人を解放するのはどうかと思う。

 陣内君には悪いけれど。魔王倒すまでの間、彼には牢に入って欲しいと、この瞬間まで思っていた。――けど、それは間違いだった。


 解放された陣内君は、王女様に頭を下げてお礼を言うと、凄い勢いで奴隷商の所に走って行く。


 私はこの裁判に居合わせたみんなに、彼は文句でも言うものだと思っていた。

 だが彼は、奴隷商の館に行くことを最優先にした。




 それから街で普通に、その奴隷の女の子と並んで歩いているのを目撃する。


 そこで私は、女の子を襲ったと言うのは、嘘なんだと気が付いた。

 そうでなければおかしい、まだ一緒に居るなんて。それに奴隷の女の子の表情も嫌がっていなかった、無表情なのに、それが解った。


 ――何故だろう。




 次に陣内君に会ったのは、地下迷宮ダンジョンだった。

 強い魔物と戦っている最中に、突然壁を崩して現れたのだ。


 そして彼は女の子を助けて欲しいと叫んでいた。

 ちょっとMPがキツかったけど回復魔法を掛けてあげる。

 

 

 それから彼は必死の形相で地上に向かって行く。



 私はこの異世界で色んな人に大事にされている。

 パーティの仲間や国の偉い人達にまで、ほぼ全ての人から。


 私の回復魔法は凄いらしい。

 回復魔法を掛けてあげた人から感謝されている。

 

 でもきっとそれは――

 私の回復魔法に価値を見出しているのだろう。



 だから羨ましかった。


 あの奴隷の女の子が、羨ましかった。

 彼女は彼女自身を陣内君に大事にされているのだから。


 私の周りの人は、私を通して回復魔法を見ている。

 だから私を呼ぶ時は、みんな聖女様と呼んでいる。


 さすがにクラスの同級生のみんなは違うけど。

 

 今パーティにいるクラスメイトからは純粋に好意を感じる。

 でも、何処か回復役の私を見ている気がする‥‥

 



 それから彼を追って地上に戻ってみると、彼はやはり怪我で倒れていた。


 近くにいた回復魔法術士の人はMP切れらしい。

 私は無理をして回復魔法で彼を助けた、それは当然のこと。


 ――クラスメイトなんだから当たり前、

 うん、ただのクラスメイトなんだから当たり前、



 それなのに、奴隷の女の子は何故か、私を警戒している。

 何故だろう。




 また次の日に、彼に出会った。少し珍しい場面で...

 普段、陣内君は奴隷の女の子と常に一緒だった。


 だけど、その日は少し違った。


 彼は暗い壁際で、ボロボロな姿で壁に寄りかかり。

 奴隷の女の子は、明るい光の下で、沢山の冒険者に囲まれている。


 奴隷の女の子は称賛されていた。



 すると彼は私に気付き、昨日のお礼を言ってきた。



 その時の顔は。

 寂しさと悔しさ、今にも泣きそうな顔に見えた。


 何故?奴隷の女の子は陣内君をほっといて、あの光の輪に居るのだろう。


 彼は貴方をあんなにも大事にしているのに。

 何故、彼の今の状態をほっといていられるのか、私は腹が立ってくる。


 そう私は奴隷の女の子に、少し怒りを覚えていた。



 暗い壁際で、酷い姿で佇む彼。

 明るい光の下で、称賛され囲まれている少女。


 それを見ながら、そんな事を考えていた。


   

 

 何故だろう...私は彼を、陣内君のことが気になっていた。   


読んでいただきありがとうございます


宜しければ、続きを読んで頂けたら幸いです。

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