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公開お化け屋敷

作者: 田貫うどん

この世界には幽霊が存在するらしい。

そんなこと信じられますか?

私はまだ見たことが無いので居るとも居ないとも言えはしない。

もし居るとしたら見てみたいものである。

結局のところ、見える人には見えるし私みたいな至って普通の人には見えない。

胡散臭い霊能者がテレビ番組で冴えないアイドルと一緒になって得意げになっている場面を思い出す。

私は変な物を見る時と同じように冷めた目で眺めている。

誰しもが気味悪がる廃墟とかトンネルとか深夜に行かなくてもいいだろう場所で尻込みしている人たちを見ていると、なんて馬鹿な人達なんだと思ってしまう。

夜は昼間より怖い。何故か分からないけども、視界が狭くなるしはっきり見えないからだろうか。

部屋にある箪笥の間とか棚の下の隙間とか、見ずに手を突っ込むのが怖いように、見えないものを相手にするのは怖いだろう。

だけど本当にいるのだろうか、幽霊ってやつは。


霊感が強いとか弱いとか、人によって何か違った感じがあるのだろう、残念ながら私には霊感が無いようである。

私だって肝試しをする時は怖い気持ちを持っている。

先程書いた通り、暗い所だと気持ちが小さくなるし、何があるか分からないからだ。

明るい所で何もかも見える場所なら肝試しの意味などない。

暗いからこそ意味がある訳だが。


昔から言われているオバケや幽霊ってやつは夜を好み人々を脅かしているらしい。

霊能者は自分の目では見ることが出来るようで、明らかに作られた映像を見ても「これは地縛霊だ」とか言う。

このスタジオにさっきから数体居ます、除霊しなくてはなんてよく言っている。


何故か感化されてしまったアイドルが霊に取りつかれる件で番組は終わりを向かえる。

本当なのだろうか、今は映像技術が発達し、全てがコンピューターで作られた物もあるし、予め仕込んでおいた人間を使い売るために演技をさせる場合もある。

そう考えると霊能者も胡散臭くなる。

何処かの宗教ではどこぞの霊を呼び出し、自らの口から死者の言葉を話している。

実は死んでいないのに死んだ両親の霊が見えてしまう霊能者もいる。

自分の目で見たもの、そして体験しなければ信用できない。

こんな性格なので、非科学的な現象なんてもっての外。

幽霊なんて居るはずがない。

でもいつか実際に見ることができたら私の人生は楽しいものになるに違いない。


カメラを通すと写真や映像としてその姿を見ることが出来る。

なんて不思議な物質なのだろう。

肉眼では見る事が出来ない物質。きっとそこには存在しているのだろうか。

若い時には聞こえ年を取るにつれて聞こえなくなるモスキート音と同じように、見える人もいれば見えない人もいるという訳か。

私の親戚に霊が見える人がいるのだが、それは子供の頃の話で今は全く見えないらしい。

大人になるにつれ不都合なものは勝手に脳が補正を入れて見えなくしてしまうのだろう、きっとそうに違いない。



「これは地縛霊ですね」とか「強い思念が見える」とか、霊能者にはその姿が本当に見えているのでしょうか?

単に脅かしているようにしか思えない。

たまたま入り込んだ影、反射した光、そういったものがカメラ越しでは捕えているのでは?

科学では証明できていないからといって、幽霊が存在するという理由にはならない。


これから先も説明できないまま過ぎていくのだろう。

空気中には酸素や二酸化炭素、窒素等々存在するが、実際に目で見ることは出来ない。

それがあると証明は出来るらしいが、これと幽霊も同じようなもので装置の中では見えても肉眼では見ることができない。

幽霊の存在証明方法が未だに見つかっていないのは幽霊の成分が空気と同じようなものだからだろうか。


話を戻す。

テレビの中ではスタジオで語る霊能者。

冴えないアイドルが何かに取りつかれたように俯く。

「引き寄せられた霊が入り込んだ」とか。

それっぽい除霊作業。

「身体が軽くなった」と冴えないアイドルは言うが、傍観者は半信半疑だ。

存在を否定はしないが肯定もしない人にとっては単なる作り話で売名行為と思われても仕方ないだろう。

これが本当だ!と言えるのは本人だけ。

こればっかりは自分が実際に体験してみない事には作り話として片づけてしまうだろう。

生憎、私にはそのような才能は無いらしい。

似たようなもので、「勘」というものがある。

たとえば、コインを投げ裏か表どちらか出るかなんとなく分かるとか、サイコロ振って何がでるかとか。

確率の問題といえばそれまでだが、裏の方が出やすい、いや表だ、って感じることがあるはずだ。

幽霊だってそこに居る、居るんじゃないかなって感じることもあると思う。

ようは考え様ってことなのだろう。

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