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愛と失踪と軽蔑心

目が覚めた夏目はベッドに横たわっていた。カザールの家のようだ。夏目はふと横を見たところ、凌馬がベッドの横に座っていた。『大丈夫……ではないよな……あんなのを見せたし…』凌馬はこう言ったが、反省しているわけではないようだ。あの言葉が本当の決意であるならば子供の命などどうでもいいのかもしれない。夏目は軽蔑したように言う。『愚かでも強くありたい……か…まるで悪魔の考え方ね…』

凌馬は何かを言いたいようだった。少し間が空いたがこう言った。『黒由利さんの言葉なんだよ……何をしてでも目的を達成しなければ行けない……そのためなら同じことを 何度繰り返してもいい ……と  俺はこの言葉を愚かでもいいととらえただけさ』


夏目は黒由利の言葉の意味を理解は出来なかったが黒由利冬華という人物のことが知りたくてたまらなくなった。『その黒由利さんというのはどんな人だったの? 私とうりふたつだとか言ってたけど…』

凌馬は夏目の目を見つめてこう言った。『とても綺麗な人だったよ…あの人のためならなんでも出きると思うほどに優しく、美しい人だった…… だから俺は君をレギオンに入れたいのかもしれない 君に初めて会ったときは嬉しかった…黒由利さんが戻ってきたんだと思って……遺体を持ち去られたからきっと何かの力で生き返ったのかもしれないと……思ったんだ……』凌馬は少し泣き目になって言った。


  『君が好きなんだ夏目……』


凌馬は夏目の手を握るとこう言った。『黒由利さんがいなくなってから俺は悲しかった……だから…今度は君が…俺をささえてくれ!』


夏目は凌馬の腕を振り払った。凌馬は悲しい目をしていたが、容赦なく言った。『貴方のような愚かな人は……好きになれない……』


『サヨウナラ……』


こう言った夏目はカザールの家から出ていった。

しかし、カザールとは縁を切らなかった。ピュトンに遭遇したときはカザールに連絡をとり、退治してもらった。夏目は事実上ユーコミスの一員となったのだ。夏目は何度かカザールに助けてもらううちに彼のことが気になっていた。好きと言ってもいいほどだった。そうして一ヶ月と少しの月日がたった頃のことだった。カザールから夏目に電話がかかってきた。好きな人から電話がかかってきた……ということになるので少し浮かれたように夏目はケータイをとった。

『夏目さんか、カザールだ……ちょっと言いたいことがあって……』  『な、なんですか?』


『トム兄さんが……いなくなった……』

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