悲痛とボタンとユーコミス
夏目は家に帰らなかった。どうせ帰っても一人だからだ。少しでも人のいる公園へと向かっていた。そのとき遊んでいた子供たちも夕暮れになると帰っていった……
夏目は足音が近づいていることに気がついた。見るとそこには白いタキシードを着た男とブロック塀の上を歩いているウエーターの服装をした女性がこちらに向かってきた。すると男が言った。『デージーの最後を見たのは君かい?』夏目は全てを悟ったようだ。『あなたがカザールさん……ですか…』それを聞いた男は言った『いかにも!僕がチーム ユーコミスのリーダー、バル カザール ボタンだ』
『……ごめん…なさい…私はデージーさんが死んでいくのをただ見ているだけで…なんに…ゴホッゴホッ』
夏目はそのまま咳き込んでしまった。カザールは近づき、『君のせいじゃない…悪いのはデージーの命を奪ったピュトンたちだ。 僕は奴らを決して許さない!』夏目の肩に手をおいたウエーターの姿の女がこう言う。『うちはこの人の考え方に賛成してついてきとるんですぅ。 エリンジウムとは……少し違う思想なんでナァ』エリンジウムとは凌馬達がいるレギオンのことである。夏目もそれは知っていたようだ。夏目はデージーの最後についてカザールに話した。カザールはその途中、涙を浮かべていた。
女は月兎耳 七奈美(ツキウジ ナナミ)という名前だと話している最中にわかった。すると七奈美が何かに気づいた。
『来た…この臭いは…ジューンベリー』その直後、地面を突き破って植物がはえてきた。ジューンベリーとは赤色の実がなる植物だが、その実が全て目玉になっていた。しかも今回のピュトンには手が這えていた。イヤ、手ではなく、いびつな形だったが……。
『七奈美!行くぞ!』カザールと七奈美は果実を出して戦い始めた。『僕の魂の形よ、今ここに現れたまえ!聖剣デュランダル!』カザールの能力はデュランダルというフェンシングの剣のようだった。
『カザールさんはホンマに中ニ……うちはこれやで』
七奈美の能力は左腕に亀の甲羅のようになり、先端には3本の爪があった。ピュトンが攻撃を始めると七奈美がその甲羅で攻撃を防ぎ、そしてカザールが攻撃をする。『喰らえこの力!スピリンター……コンヴァーション!!』デュランダルが敵を連続でついている。カザールが一旦離脱すると、『七奈美!あれをするぞ!』『了解でアリンス!』こう言った七奈美は夏目をその甲羅で守った。カザールはどこかで見たような構えをしていた。夏目はその瞬間ある痛みに襲われた『いたっ…なんでいつも頭痛が……』
カザール言う。『ピュトンよ、君たちにもそれなりの理由があって人を襲うのだろう……しかし!我々は生き残るためにも君たちピュトンを倒さなければならない!すまないがここで終わってもらう!
喰らえ……スピリンターofエクスプロージョン!!』その瞬間は夏目には見えなかった。ただ鼓膜が破れるほどの爆発音だった。気づいた頃にはピュトンは倒れていた。
夏目はこの人達ならついていけると思った。
『夏目?……そうか…カザールに会ってしまったか』
夏目はその声に聞き覚えがあった。凌馬だ。
凌馬はカザールに『来い』という合図をした。
夏目はデージーのことが脳裏によぎった………




