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勇者ウェイン物語  作者: クモ子
小国の王
16/19

ドーン 2

 ラクト砦への二回目の遠征で俺たちは魔王軍と対峙していた。

 戦闘が始まると早々に時を同じくしてラクト砦にやってきたライオス軍が押されだしている。

 そしてザイラスからライオス軍へ救援に迎えとの伝令が来た。

「ドーン、行こう!」

 ルークのその言葉で俺達ドーン隊とルーク隊はライオス軍の救援へと向かう。

 魔導部隊の援護を受け世界連合軍左翼側のライオス軍を目指して移動を開始する。

 隊を移動させている最中、ルークが魔王軍中央を見ながら呟く。

「まずいな」

 そしてルークが近寄りながら叫ぶ。

「ドーン、隊を任せていいか?」

 その声に反応して俺も魔王軍中央に視線を向ける。

「ルークはどうする?」

「親衛隊を連れてザイラスの援護に戻る」

 ルークらしい返答だった。

「気をつけろよ」

 止めても無駄だと思った俺は短く答えるとルークは笑みを浮かべ「いつも通りやる」と駆け出していた。

 

 リブセレに来る前からルークはいつもあんな感じだった、常に自ら最前線に立ち仲間のために戦う。

 どんなに危機的な状況でも仲間を信じてルークは戦う。

 いつだったかルークが「呪われてるんだ」と言っていたことがある、確かにあの身を挺した戦い方は呪われているといっても過言じゃない。

 だがウェインと出会ってからはその呪いは見なくなった、まるでウェインが呪いを解いたようだった。

 それはルークも感じていたのだろう、戦闘でそれまでのような悲壮感はなくなっていたから。

 ウェインの影響はルークだけじゃなく俺達のパーティー全体にも言えることだった。

 ウェインは俺たち全員に何かしらの影響を与えていた、もちろん俺自身もそうだ。

 戦い方だけじゃなくその在りようは異質ではあったが同時に心地よかった。

 俺も仲間という存在に対する考え方が変わった。大きくとは言わないが、でも自分がやらなければという呪縛からは解放されたと感じた。

 仲間は護るものではなく信じるものなのだと、互いに信じ合えているからこそ護れるのだと。

 仲間を信じているからこそ自分にできることをやるだけだと行動で示してきたルーク。

「ならば俺も自分にできることをやるか」

 そう独り言ち、隊を見回す。

「ドーン隊長、ルーク殿下が!」

「心配するな、ルークがいつも通りだと言ったんだ信じろ」

 ルーク隊副隊長をなだめルーク隊に指示を出す。

「ルーク隊、ドーン隊に続け、ライオス軍の救援に向かうぞ!」

 そう、自分にやれることをやる。いつも通りだ。


 ルークを見送ると俺はドーン隊とルーク隊を率いてライオス軍に向かって隊を移動させる。

 そしてライオス軍と交戦している魔王軍の側面に到着する。

 魔導部隊の攻撃を抜けてきた魔王軍を殲滅しながらライオス軍に合流すると大きく息を吸い込み魔王軍目掛け咆哮を放つ。

「うおぉぉー!」

 ライオス軍に襲い掛かる魔王軍の注意が一斉に俺に向けられる。そしてそのまま隊の先頭に立ち魔王軍に突進をかける。

 いきなりの突進を仕掛けられた魔王軍は怯み動きが一瞬止まる。そしてそのまま魔王軍を吹き飛ばしながら隊を分断する。

 ウェインパーティーの大楯とまではいかないが俺も訓練は積んできた、不屈の名に恥じぬように。

 ルークやザイラスが心配ではあるが今はただ信じるだけだ。

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