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大日本神國  作者: 野薔薇
4/6

大日本神國Ⅳ

北京、中華連合参謀本部

「我が軍の残り戦力は40%を切りました。このままで首都制圧は時間の問題かと」

「我々にも神機はあるはずなのに戦力差がありすぎる」

「総書記殿!」


「覚悟を決めよう」




上海、日本占領基地


第二大隊は次の作戦に備え補給を行っていた。


そして兼ねてより提案していた、北京潜入作戦をラヴィリアは草壁に打診していた。


「ラヴィリアその作戦についてだが、重慶の方で中華の神機のパイロットを捕まえてな、色々聞き出せた。」

「へぇーよく喋ったわね」


「なんだって子供の捕虜だからな」

ラヴィリアは驚いた


「子供ですって!?まさか…」


「ああ、もちろん素直には答えてくれなかったからな少しばかり手を加えさせてもらった」


「鬼ね…相変わらず」


「まぁ部下を1人失ったからな、腕の一本安いもんだろ?」


ラヴィリアは唇を噛み締めた


「それで情報は?」


「北京の情勢については混乱は当たり前、参謀本部も機能していないらしいが、一つ気になることをいっていた。」


草壁は苦い顔で言った。


「朱雀隊っていう部隊が急速に部隊を強化していると、」


「というと?」


「神機を量産しているらしいんだ」

ラヴィリアは驚いた


「前から思っていたけど生産力だけは世界一よね、…でも情報が漏れてるわね」


「それに捕まえた捕虜は、強化人間みたいでな」


詳しく聞くと春日野が一部強化人間のデータを持ち出したらしくな」


ラヴィリアは苦い顔をする


草壁は淡々と話を続ける


「『vice』(ヴィアス)聞いたことあるか?それを強化人間共は埋め込まれてるという。」


ラヴィリアはわからないと答える


「詳しいことはわからないが本国に戻ったら知り合いの研究者に聞いてみる。今は作戦について話そう」

草壁とラヴィリアは作戦について話し合う




上海日本占領基地 格納庫


「何見てるの?」

波風は榊原の後ろを覗き込む


榊原は一枚の写真を見ていた。

「ん?ああ、またこの人に助けられたなと思って」


写真には両目を包帯で巻かれており、車椅子で可憐に、美しく座る女性が写っていた。


「どんな人なの?」


「この人は日本独立国の沖縄国の人なんだよ」


「沖縄国って」


沖縄国…日本神國ができる際に独立した国

旧日本国沖縄県、現在では日本と独立しており沖縄国として独自の政治、軍事、を持っている


「沖縄国ってあの独立したってとこの?なんでそこの人なんかと?」


榊原は写真を胸元にしまい


「演習中に神機の不具合で不時着したんだよ。

そんの時に色々あってな」


「色々って?」

波風は興味津々に聞く

「色々だよ、」

格納庫からラヴィリア大尉が入ってくる


ラヴィリアの階級章が普段と違っていた。


「ラヴィリア准佐昇進おめでとうございます」

「ありがとう。あまり実感はないけどね」

ラヴィリアは凛々しく笑った


「それはそうと、例の作戦の実行許可が出たわ」


榊原と波風は一気に緊張感に包まれた


「例の潜入の件ですか?」


「そうよ。貨物船が着き次第神機を乗せて行くわよその前に機体はバラしておいてね」

2人は敬礼をしラヴィリアが尋ねた


「赤石は今どこに」


「多分格納庫の物置で寝ているかと」


「ありがとう」


ラヴィリアは物置に向かう

ラヴィリアは寝ている赤石に大きな声で言った。


「赤石伍長!起床せよ!」


赤石は驚き、寝ぼけたまま立ち上がった。


「すみません。大尉」


「階級章を見ろ」


赤石は目を擦り階級章を見る


「失礼しました。准佐。」


「これが私ではなかったら懲罰だぞ?馬鹿者まぁいい楽に座れ」


ラヴィリアは赤石を座らせる

「単刀直入に言う、我らの共にこい」

赤石はラヴィリアの言っていることはが理解できなかった。

「どう言うことですか?」

「私たちは……」



南シナ海海上、天津市行き貨物船内


ラヴィリア達潜入部隊は台湾軍が手配した偽造中華貨物船に乗船し、神機を二台解体していた。

「椎名!そっちはどうだ?」


「こっちは大丈夫!赤石くんのほうは?」


「こっちは後少し」


榊原達3人は順調に作業を進めていた。

波風はラヴィリアの機体のコンピュータの調整を行っていたが、


「榛名、ちょっといいかしら?」


ラヴィリアは波風を呼んだ 


「はい隊長、今行きます。」


2人は甲板に出て海風を浴びる、空は快晴で心地よい

ラヴィリアはどこか悲しげな表情を見せ


「榛名、よく頑張ってるわね」


「いえ、軍人としての職務を全うしているだけです」


「私は貴女が羨ましい…こんな事言うのは恥ずかしいんだけどね、私少し貴女に憧れているのよ?」


「わ、私にですか!?」


波風は驚いた。


「最初は少し怯えていたのに今では実戦はもう慣れてきて、惨劇を目の当たりにし、それでも気高く戦おうとしている、普通ならどこかタカが外れるもの」


「私にはもうそんな前を向く勇気すらない、戦いに感情も抱けない。貴女人を殺す時どう思う?」


ラヴィリアは波風に問いかける


「私は生き残るため仕方ないと思いますが、相手にも恋人、家族がいるとつい考えてしまいます。」


「私にはもうそんな感情がないから貴女が羨ましい」

ラヴィリアは波風の頬を撫でる


「貴女のその美しい感情を私にも分けて欲しい」


「ラヴィリア…隊長」


ラヴィリアは波風のまだ幼さが残る唇にキスをする


「榛名は嫌かしら?」


「いえ、隊長…」


次は波風からラヴィリアにキスをしお互いに何度も唇を重ね合う。

そして貨物船のラヴィリアの自室へ2人は消えていく


それから数日

ラヴィリア達は天津市に到着し、

大型トラック二台で北京に潜入する

北京に入る際に検問があったが台湾の工作員が手配した書類で難なく入ることができた

手配された倉庫に着き、神機の組み立てが行われて

一週間後作戦が開始される。


作戦開始4日前


「榊原ちょっと来てくれる?」


「はい!今行きます。」


榊原は駆け足でラヴィリアの元にいく


「悪いけど北京市内を少し見回ってきてくれない?今はどんな些細な情報でもほしいから」


「でも大丈夫ですかね?日本人ってバレたら」


「大丈夫よ在中日本人だっているしほら、身分証」

ラヴィリアは身分証を渡す


「わかりました。」


榊原は拳銃を腰に下げり

「拳銃は置いて行きなさい。トラブルはごめんでしょ?」

「あ、すいません。いつもの癖で」

「気をつけてね」


北京市内市場


北京の市場は今は戦時中ではないかのように明るく賑わっていた。

怒号なのかわからない大きな声が飛び交っていた。

榊原は市場の角に目を向けると角には銃を構えた軍人が立っている。


北京市内オフィス街

オフィス街は特に人が多くスーツを着た者が多くいた印象を受けた。

車通りも多く、排気ガスで咽せる

やはり至る所に軍人はいる


北京市内人民大会堂前


やはりこの前には大勢の軍人が居た。


周辺を回ってみると格納庫らしいものを見つけた。


「あ、あれは!?」


榊原は格納庫から運び出される中華軍の神機を見つけた。

その瞬間


「おい!きちゃま!なにちてる!?」


榊原は体をはねらせ振り向くがそこには誰も居なかったが

「どこをみている!?」


視線を下に向けると背の低い軍服姿の女の子がいた。

「きちゃま身分証をみちぇろ!」


「え?こども?」


軍服の女の子はその一言に激怒したのか

榊原を一瞬で払い倒した

「ぐぁっ」


「これでも15だ!身分証をみちぇろ」


「ふーん在中日本人かここでなにちてた」


「神機に憧れて魅入ってたんだ」


「なんだ貴様スパイではないのか?」


「だから違うって!離してくれ」


(子供のくせになんて力だ)


「悪かったな、最近のじょうちぇいを知っているだろ?警戒はしないといけないのだ」


女の子は敬礼をし名乗った


「中華連合軍朱雀隊ヤン・イーヒィンだ。すまなかったな日本人」


「いや、大丈夫です。」


(朱雀隊?特殊部隊の?この子が?)


榊原は女の子をまじまじみるヤンは恥ずかしそうに体をくねらせる


「な、何をそんなに見てるか!」


「い、いや〜まだ小さいのに軍人なんてすごいなって」


「ふん!私は選ばれた人間なのだ!」


だが彼女は表情を変え、落ち込んだ様子を見せた


「でも我が軍と日本軍の戦力差は大きいこんなこと言うと総書記殿に怒られるかもしれんが、我が軍は負けると思う」


その話をする時だけ彼女は大人の様に感じた


「なぜ負けると分かってて戦う?」


榊原は冷たく言った。


「それは自分の国が侵されれば守る為に戦うのは当たり前だろ?」

ヤンは真剣な眼差しで言った。


「でも今回は台湾を侵攻したよね?それについては?」


「台湾侵攻は軍の意志ではないそれについては私からはなんとも言えないさ、命令に従うそれは何処も一緒でしょ?」


ヤンは続けて言う


「なんで同じアジア民族なのに、殺し合うんだろ…

民族浄化、戦争、私はそんな世界に生まれたくなかった。でも生まれたからには無くす為に戦う、だから武器を取る」


「でも無くすから戦う無くされたから戦う結局悪循環でししかないと思う」


ヤンはそれでも!と言うが


「ヤン!ここに居たか!パトロールの時間だ」


ヤンと同じくらいの年齢の男の子がヤンを呼ぶ


「きちゃまと論議していると楽しいなまた話そう!明日は非番なんだ。市場にお気に入りのアイス屋がある明日10時に待ち合わせな!」


「あ、ああ」


ヤンは駆け足で去っていく


「あの子は一体…」


一通り回ってラヴィリア達がいる倉庫に戻る


「榊原戻りました。」


「戻ったかどうだった?」


榊原は一連の出来事を話した


「朱雀隊…多分例の特殊部隊だろうな草壁の報告にもあったけど子供が…」


「ええ、ですが、かなりの戦闘能力はありました。払い倒された時は驚きましたよ」


「明日また会うんでしょ?できるだけ情報を引き出してくれない?あなた気に入られているみたいでしょ?」


「まぁ気に入られてるかどうかはわかんないですけど」


「できれば4日後の警備について聞ければいいけど」


「とりあえず探ってみますよ」



北京市場


榊原は待ち合わせ場所に向かう、既にヤンが待っていた。


「おーい!こっちこっち!」


ヤンは無邪気に手を振っている


ヤンのお気に入りのアイスクリーム屋に向かう

「ここのアイスはうまいんだにゃ!」


無邪気にアイスを頬張るヤン


その姿だけを見ると軍人の子供には見えなかった。


「ここにはよく来るの?」


「まぁ非番の時にはよく来るよ!そうえばなんて呼べば?」


「京介でいいよ」


「京介はなんで日本から中華へ?」


「貿易の仕事でね、日本へ帰ろうとしたら戦争が始まってねここにいるわけさ」


「なら永住権は持ってないの?」


「行ったり来たりだからね」


榊原は昨日のうちに嘘の自分のファイルを読み直していた。


「ヤンはなぜ軍に?」


「日本人にスカウトされたんだよね〜なんでも中華軍のアグレッサー部隊みたいなとこに」


「アグレッサー部隊に日本人が!?」


「うん、それも侵攻が始まってすぐに日本本国から密輸にって感じで神機と、操縦者が来たみたいなの」


(一体どう言うことだ?)


「そんなこと話して大丈夫なの?」


榊原はヤンに聞いたが


「言うなとも言われてないしでも日本は何を考えてるんだか」


「まぁそうだな…」


「それよりさ私が日本に帰れる様に手配してあげようか?」

「え?」


榊原は驚いた、この子にそんな権限まであるとは思っていなかったからだ


「ちょっと詰所まで来なよ!」


ヤンはアイスを頬張りながら榊原の手を引き中華軍詰所まで連れて行かれる


中華軍北京司令部基地 兵舎


ヤンは榊原を連れて司令基地門前にいた。


「ヤン・イーヒィン特務大尉だ客人を招きたい」

「はっ!」


中華兵士は敬礼をし門を開ける


(特務大尉…)


「緊張しなくても大丈夫にゃ!私のオフィスまで行こう!」

「あ、ああ」


榊原はヤンのオフィスまで行く


オフィスに入るとかなり綺麗に整理されていた。


とても子供とは思えない強いて言うなら優秀な将校の部屋みたいな感じだった。


ヤンはオフィスの椅子に座ると引き出しを開ける

すると銃を榊原に銃を突きつける


「な、なにを!?」


榊原は驚いた。まさか銃を突きつけられるとは思っていなかったからだ


「私を子供だと思って甘くみたね」


「いや、そんなことない、この部屋、そして階級を知ったら子供として見れないよ」


「いやいや!冗談!昨日の話の続きをしようよ!」


ヤンは銃口をこちらに向けたまま銃を置いた


「ヤンは日本軍の進撃をどう思う?」


榊原は質問をヤンに投げかけた、ヤンは背もたれに寄りかかり腕を組む


「うーんやっぱり神機の扱いに慣れてるし、指揮をとっている隊長クラスはかなり優秀だし、それを遂行できる兵士一人一人の能力も高い印象を受けてる、逆にうちの軍は人数だけみたいなところあるからね」


ヤンは自軍の不満を述べた



「正直うちは負けるよ、でもそうした方がいいと思う第二次世界大戦の時もうちは日本に占領されてたけどおじいちゃんが言ってたよ日本統治時代は楽しかったって私はもちろん経験したことないけど」


ヤンは席を立ち壁際にあるコーヒーメーカーでコーヒーを2杯入れ榊原に1つ差し出す


「京介は日本軍には入らなかったの?」


「俺は争いごとが苦手でね軍隊には興味なかった」


「なら今すぐ日本に帰った方がいいよ、じきにここにも日本軍が来る、私の予想ではもう目と鼻の先にいると思うし、手続きはしてあげるから」


「何でそんなに良くしてくれるの?」


榊原はもっとな疑問を投げかけた。


「お前が気に入ったからさ」


ヤンは悲しそうに言う


「もう誰も死なせたくない殺したくない戦いたくないそれが私の本音さ会ったばかりのお前にしか言えない他の者に話すと示しがつかないからな」


「それはみんな思っているさ日本軍も」


「そうだといいが私は…平和な世界を望んでる…もう大地を血で穢したくない」


榊原はそんな悲しそうなヤンを見て少し戸惑う


「でもヤン、平和を望んでいない者もいることも」


「だから武器を取る平和の為に」


「それでは悪循環だ」


「じゃあどうしろって言うのよ!?」


ヤンは机を叩く、机の上のコーヒーが少しこぼれる


「ヤン、君は優秀で、立派だ逃げることだってできる」


榊原はヤンを説得する、子供に戦場に出てほしくないその一心でヤンの心に訴えかける


「他の方法で平和を勝ち取ることだってできる」


「結局行き着く先は武器を取ることよ」


ヤンの表情は揺るぎないものだった


「手続きはする、今日はありがとう」


ヤンは書類を出し手続きを始めた


「いつ発つ?」


ヤンは聞いた


「ヤン…考え直すんだまだ間に合う」


ヤンは銃を向けた


「くどい、いつ発つ?」


「わかった…三日後の夜の便は?その前に君に会いたい」


ヤンは難しい顔をした。


「3日後は夜間警備がある、難しいな」


「今日で最後ってことか無事で」


「ありがとう」


榊原はヤンを横目に部屋を出る



北京市内 倉庫


榊原は司令基地から倉庫に戻り一連の出来事を報告した。


「それはまずいわね夜間警備があるってことは」


「明るい時間は避けたいですしね」


ラヴィリアと榊原は地図を見ながら悩む


「夜間決行は決定にしましょう。目的は人民大会堂の制圧それだけ考えましょう。敵の注意をこちらに逸らして閃光弾を打ち上げ第一第三大隊を呼び込むいいわね?」


「はい、了解です」


「それとそのヤンって子とヘイって子には注意しなさい。


首都に残しとく戦力ってことは切り札ってことよ」


「もちろんです」


「戻っていいよ」


榊原は倉庫内の部屋から出ると椎名摩耶が駆け寄ってきた。


「元気なさそうですけど大丈夫ですか?」


「まぁ、うん」


摩耶は顔を覗き込む


「落ち込んでますよ?」


榊原は摩耶に聞いた


「椎名は子供殺せるか?」


「ええ!そんなことできないですよ!」


「武器を持った子供さ」


「それでも無理ですよ!」


「だよな、自分が死ぬってなっても?」


「うーん真面目に答えると死ぬって分かったら仕方ないと思いますけど」


「ありがとう」


「榊原さん、今は戦争中です、多少の犠牲は仕方ないかと」


榊原は椎名の目を見る、いつの間にか兵士の目をしていた



作戦決行2時間前


20時


ラヴィリアは4人を集める


「神機に乗り込むのは私と榊原で乗り込む、意義のあるものは?いないな?他の3人は各拠点で待機し中華の動きを逐一報告せよ」


榊原とラヴィリアは神機の最終調整に入る


「油圧計ヨシ 燃料計ヨシ 戦略マップヨシ 各部位の動作異常なし 隊長いつでも行けます」


「榊原これを」


ラヴィリアはタバコと酒の入った瓶を渡す


「これは?」


「景気付けだ」


そう言いラヴィリアは酒の瓶を開け飲み始める


「ありがとうございます」


榊原も酒を飲み、初めてのタバコにむせる


作戦決行10分前


「よしそろそろだ神機を起動させろ」


「はい」


「敵の無線傍受も考えられるコールサインは私は00貴様は01だいいな?復唱!」


「コールサイン01了解」


「油断するなよ?速さが勝敗を決める」


「御意」


「赤石、椎名、波風各拠点の状況報告」


「赤石、市場異常なし」


「椎名オフィス街神機3台確認」


「波風人民大会堂前特殊なカラーリングの神機2台確認」


「やはりな遠回りだと思うが、オフィス街を迂回して市場を突っ切る」


「それだと民間人に被害が?」


「最低限の被害は免れない、いいな?」


榊原は返事をしなかった


「時間だ起動!」

ラヴィリアの号令と共に2台の神機が倉庫の屋根を突き破り轟音を、立てながら現れる


倉庫周辺の歩行者が驚き逃げ回る


「ブースト展開、01先導しろ」


「了解!」


二機は市場を目指すがまだ、民間人が多数いる、二機の高速の神機を、目撃した民間人は軍警察に通報する


「こちら椎名二機そちらに向かいます!サイレンが街中に響いています!」


「了解、00、閃光弾を発射する」



北京郊外


「合図だ!第一、第三大隊突撃!神天皇陛下の為に!」

草壁たちの大隊が北京に向け、突撃を行う



北京市場

「00、敵機正面二機です!」


「01は右、私は左だ構えろ」


榊原とラヴィリアは神刀を構える

敵機も構えるが


榊原達は敵機の目の前で跳躍し、背後を取り神刀を突き刺す、二機は崩れ落ちる


「敵機撃破」


「01いくぞ!」


榊原は市場に目をやる地面にめり込んだ民間人達を…


「は、はい…」


人民大会堂前


「こちら波風、二機の神機が動き出しました。特殊部隊です」


「了解、今視認した」


紅葉色の迷彩柄の神機が二機ラヴィリア達の前に立ちはだかる


「こちら中華連合国朱雀隊隊長ヤン・イーヒィン大尉だ。無駄な抵抗はやめて降伏しろ」


「ヤン…」


「01わかってるな?油断するな?ここで時間はかけていられない」


「了解です」


榊原達は構えると中華軍の神機が一機ラヴィリアの方に向かっていく


「ヘイ!早まるな!」


「こっちからやらないとやられるって」


「隊長!」


ラヴィリアはヘイに押し戻される


「うぐぅあ、こ、こいつ…01こっちは構うな!」


「隊長…」


ラヴィリアを心配するが


「仲間の心配をしている場合か?」


ヤンは榊原の方に向かってくる


だが目の前で静止しお互いの神機が向き合う


緊張感柄漂う中ヤンがオープンチャンネルで話す


「日本軍機降伏せよ、国際法に則り手荒な扱いはしない、今すぐ神機から降りろ」


「ヤン…降伏してくれ…」


榊原の切実な願いだった、殺したくない彼女を


しかしラヴィリアの無線で我に帰る


「01!何をしている!馬鹿者!」


ラヴィリアは榊原を正気に戻させるが隙ができてしまい、ヘイがその隙を見逃さなかった


「我が祖国の為に!」


ヘイはコックピットに向かいブーストを活かした回し蹴りをラヴィリアに食らわす、見事に命中し、ラヴィリアのコックピットに重い金属音が響きコックピット内を圧迫させる


「がぁぁぁ!ぐっ」


ラヴィリア機は倒れる


「隊長!波風!隊長を頼む!」


「了解!」


波風はラヴィリア機に向かいコックピットを開ける


「ラヴィリア隊長!隊長!」


「あっ…ああ大丈夫…」


頭を打ったのか頭部からの出血が酷く、左目には飛び散った破片が刺さっていた。


波風はラヴィリアをコックピットから引き出し、その場から去る


「01、00を回収、頭部と左目を負傷この場から離脱します」


「了解!じきに草壁大隊長が来る頼む」


榊原は隊長機を撃破したヘイの所に移動する


「ヤン隊長!敵機が!」


「機甲部隊はその場に待機、歩兵大隊も人民大会堂前に集結させろ、敵機は私とヘイでやるいいな?」


ヤンは指示を出し、榊原の跡を追う


「ふん、隊長にはしては大したことなかったなこちらヘイ敵機げき……なっ!」


ヘイの目の前には榊原の神機が空中からヤンに目掛けて蹴りを入れるが、察知したヘイは緊急回避をする


「うぐっこいつ!别舔它!(舐めるなよ!)」


ヘイは背部に装備してある神刀を構えてブーストで突進する


「日本人が!去死吧!(死ね!)」


ヘイは榊原の神機に対して右横切りを行うが榊原は後方に回避、ヘイは刃を左に向け、今度は下から左斜め上を斬ろうとするが…


「もらった!日本人が!」


振り切った先に神刀がなかった…


「ぁぁああああああ!なんで!?なんでそんなことできるんだよ!意味わかんねーよ!」


榊原はヘイの神刀の持っていた神機の手首の接合部分を綺麗に切断していた。


「………………」


榊原は淡々と冷淡にこなす


ヘイはもう片方の腕部でナイフを取り出すが榊原はヘイの弱々しい神機を簡単に転ばせる


そして神刀の剣先をコックピットに向ける


「やめてくれ、まだ13なんだよ!まだやりたいこといっぱいあるんだよ!死にたくねーよいやだぁ!いやだよ!やめてくれよ!頼む拜托了拜托了拜托了拜托了拜托了(お願いしますお願いしますお願いしますお願いします)」


「くっ……」

榊原は一瞬躊躇したそれは当たり前だった、今から子供を殺すことになるのだからしかしそれが戦争、

戦争とは残酷なもの


「はぁぁぁぁぁ!畜生が!!」


榊原は叫びながら神刀を振り下ろす


しかし榊原の神刀は弾き返される


「ヘイ…大丈夫?」


ヤンは榊原の神刀を蹴り飛ばしヘイに呼びかけるがモニターにヘイの姿が現れるが失禁し気絶していた。


「無様ね」


ヤンはヘイに吐き捨てる


ヤンは榊原に向き合う

ヤンがオープンチャンネルで話す


「空港に急いで会いに行ったのに現れなかった…まさかお前が日本軍だったとは戦争には…争いには興味ないと言ったのに…」


「ヤン…やめてくれ…戦いたくない君とは」


「ならなぜそれに乗っている!戦う覚悟のない奴が!」


「ヤン…君は戦場にいてはいけない」


「私の気持ちを裏切った…そしてお前は私の神機を見た途端にその場に立ち尽くし、任務より私情を優先した、戦場に必要ないのはお前のほうだろ!」


ヤンは怒りを榊原にぶつけた


「俺は…くそ!…」


「迷うな!」


ヤンはブーストを噴射し拳を振り上げる


「がぁっは」


榊原は吹き飛ばされる


「ここは命の奪い合いの場だぞ?迷うな!」


ヤンは背部の神刀を抜く


「この間話した時に…私は世界の平和の為に戦うと言ったが軍人のお前に聞く『お前は何の為に戦う?』」


「俺は守りたい人がいるから戦う!その人の平和を守るのが俺の戦いだ!」


「ふざけるな!」


ヤンはさらにブーストを噴射し、上から神刀を振り下ろす、榊原もブーストを噴射し、北京の街中を疾走する、

ヤンも追いかけるように後を追う二機の神機がビルとビルと間をすり抜ける

そしてお互い向き合う様に並走する


「お前と私では戦う意味の重みが違う!世界のために私は戦う!お前とは背負う物が違うんだ!だからこそ!私は迷わない!」


「くっ…速い…」


「お前は言った…世界の平和を望んでいない者もいるとそれはお前のことか!?お前が何をしたかわかっているのか?罪のない民間人を殺し、我が祖国の大地を穢し、守りたい人がいるから戦う…そんな小さな!望みで!我が祖国を侵すな!!はぁぁぁぁ」


疾走するなか、ヤンはブーストを最大限に噴射、榊原に突進しビルに打ち付ける


「がはぁ!」


ヤンは神刀を振り上げ、斬る

榊原は右腕部でガードするが、切断されてしまう


「くっそ…!この体制では…」


切断された右腕部を左手で拾い右腕部でヤンを払い退ける


「俺は…守りたい人がいるその人がいれば世界なんてどうでもいい、でも確かに世界が戦争中でその人に火の手が回れば世界を憎むことになる、なら俺は世界を!その人が平和だと思う!世界を俺が!日本神國が!平和な世界を導く!」


榊原は切断された右腕部を武器にしヤンに立ち向かう


「なら覚悟を見せろ!」


ヤンも神刀を突きの姿勢で構える


お互いの神機が同時に突進する

榊原は神機を左に倒しヤンの神刀を右腕部で弾き飛ばすが読まれていてヤンは急停止し蹴りを入れる


榊原は吹き飛ばされるが吹き飛ばされた勢いでブーストを噴射し、旋回、そのまま回し蹴りをする、

しかし榊原の視界からヤンが消え、

「まさかっ!」

ヤンは神機を低くし、下から蹴りを食らわす


「うぐっぁぁぁぁぁ」


榊原は神機を頭部をやられた


「くそ…モニターが映らない…頭部をやられたか」


「だから言ったろ?重みがお前とは違うお前はたった今戦う覚悟した、けどな私は生まれてからもう覚悟していた…だけどお前が羨ましかった守りたい人がいるそんな思いで私も戦って見たいよ…」


「ヤン…もうやめよう…優しい君とは戦えない…あの時出国の手続きをしてくれるほど優しい君には傷をつけたくない君は本当は日本人が大好きだから、逃してるんだ」


「うん…そうだよ…私だって!大好きな日本と戦いたくないよ!それに私は貴方に最初に会った時から……」


2人の会話に小さな声で割って入る者がいた


「撃て」


「私は貴方の、ことが………」


予備のモニターが映り

ヤンの機体のコックピットに何かが貫通するのが映し出された。

甲高い金属音が遅れて聞こえた


「こちら1-2、清水です目標沈黙、崩れ落ちます。」

「こちら1-1、草壁.よくやった。西中尉人民大会堂の方は?」

「総書記殿を確保し、核弾頭も確保してあります」

「全軍、北京を制圧する、抵抗するものは殺せ」


ヤンの機体のコックピットが開く中には人ならざる物が真っ赤な液体を流していく


「ヤン……うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

いやだぁぁぁぁ!なんでこんなにも残酷なんだ!どうして!」


ヤンは人間の原型を留めていなかった。


榊原はヤンの神機まえで泣き崩れる


「馬鹿者…情に流されてたわね榊原」


波風に肩を預けるラヴィリア痛々しい姿だった


「隊長…俺…助けたかった…けど…助けられなかった」


ラヴィリアは榊原の頬に平手打ちをした


「我々は軍人だ前の自衛隊とは違い守る為の軍隊ではない!戦う軍隊だそれは子供でも武器を取る人間は殺さねばならない戦うことによって守られるんだそれを忘れるな!」


榊原は拳を握り締める

「くっ…」


「日本に帰るぞ」


榊原はヤンの血を握りしめる


「ヤン…覚悟を決めるよ」





大日本神國と中華連合國との戦争は後に日中神機戦争と呼ばれる


2025年5月12日から2025年6月11日、一カ月で日本は中華連合国を占領それは世界を震撼させた。

初の人型高速機動兵器『神機』を駆使しての戦いは世界に神機の有用性を示した。


中華連合国同盟国のロシア、南北統一国は日本占領国中華に対して静観をしている。


そして水面下で各国に神機が渡り歩く


そして


皇居内 鷺ノ宮自室


鷺ノ宮の自室にあるいくつもの黒電話その受話器には各国の国名が書いてある


その一つが鳴る


受話器には中華連合国と記載されている


「もしもし鷺ノ宮です」


「鷺ノ宮様ご無沙汰しています。」


「これはこれは、総書記殿今回の日中神機戦争のご提案お受けくださりありがとうございます。」


「いえ!鷺ノ宮様の頼みとあれば我が国を捨ててでもご奉仕させていただきます、しかし神機の有用性は各国に示されましたが我々は次はどうしたら?」


「神國軍の下で軍を再編成させ南シナ海で演習を繰り返し行っててくれ時が来たら知らせる」


「わかりました!それと鷺ノ宮様のご褒美が欲しいのですが?」


「近くそっちに視察に行くその時にな、部屋は綺麗にしといてくれ」


「はいっ!、」



鷺ノ宮は受話器を置く


「豚共が…」


鷺ノ宮はベッドに横になる


「いつまで続けるんだこんなこと…何でこんなことに…」


鷺ノ宮は涙で枕を濡らす




アメリカ共和国エドワーズ基地


「これが日本のジンキってやつか?ただの鉄の塊じゃないか」

「おいおい、これをそのまま使うわけないだろ?」

「どういう事?」

あれあれと指を刺す

そこにはアメリカの国旗が肩にペイントされたアメリカ独自の神機、

「俺がウチのジンキ、ラプトル」

ラプトルと呼ばれた神機は肩部からミサイルを発射する、

訓練標的に命中

「ホーキンス大尉お電話です」

「ああ、ありがとう」

「もしもし?」

「鷺ノ宮神だ決行の日は近い準備を」

「イエッサー」



 ??? 


「もしもしラヴィリアか?久しぶりだな」


「ええ、国際学校以来かしら?」


「負傷したらしいな?こっちに戻ってくるんだろ?」


「貴方が北京で負傷しろって言ったんじゃない?まぁちょっと大袈裟にやり過ぎだけども」


「日本に着いたらわかっているな?」


「ええ、第二大隊の子達はほとんどついて来るはず、それと赤石くんも」


「それは嬉しい収穫だな、例の強化人間の子は?」


「あの子は駄目だね、それと波風と椎名も」


「そうか、こっちは大収穫だ皇居護衛隊、富士演習隊、虎連隊、それに第五艦隊も志を共にしてくる」


「順調みたいね」


「我が日本を取り戻す日は近い、」


「ええ、神君頼りにしてるわよ?」


「決行日は8月14日」


「大和の魂を今再び!」


日本クーデター計画8月14日決行

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