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皇女は当て馬令息に恋をする  作者: かのん


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第三十八話

 オーレリアは父の姿を髪の毛を引っ張られながらも目をそらす事なく見つめ、そしてはっきりとした口調で言った。


「私は何もしてはおりません。ですが、帝王陛下、貴方様は何かされる覚えがあるのでは、ないですか?」


 その一言に、オランドは目を見開くと手を離し、一歩後ずさった。


「な、、、なにを、、、。」


 オーレリアは顔を上げ、真っ直ぐにオランドと向き合うと言った。


「聖獣は、我が帝国を守護してくださる尊き御方。彼が私に話してくれました。」


 次の瞬間、光を伴って神々しい聖獣が現れると、貴族らはまるで拝むような姿勢をとった。


 だが、オーレリアの言葉に目を剥く。


「ご自分に聖獣の力を分け与えさせ、そればかりか聖獣が穢れるような事を貴方は無理やりさせてきた。帝王陛下、、、いえ、オランド。私は今後貴方を父とも、帝王とも認めはしません。帝王位は私が賜りたく存じます。」


 オランドはオーレリアを睨みつけると腰に挿していた剣を抜き、そしてゆら付きながらもはっきりとした声色で言った。


「お前が帝王?ふ、、ふはは!魔女の娘が帝王位を賜ると言うか!バカが。この国にお前の居場所などない。お前は異端の娘!この国の王にはあらず!騎士らよ!オーレリアを捕縛せよ。国民の前で殺してくれるわ!」


 騎士らにとって王の命令は絶対であり剣を抜いた。


 だが、聖獣は王の前へと進み出ると吠える。


『オランドよ。そなたはもはや王にはあらず!オーレリアこそが我が王にして帝国の王である!』


「黙れ犬っころが。お前がこの国の王を決めるのではない。この国の頂点に立ったものがお前を服従させるのだ!やれ!」


 騎士の人数は明らかやなオランドの方が優位であり、オーレリアに一人の騎士が切りかかったときであった。


 近くにいた騎士が、オーレリアを守るようにしてその剣を弾き飛ばした。


 皆がその光景に目を丸くすると、騎士は兜を脱ぎ捨てた。


「ご無事ですか?」


 優しいその声と眼差しを見た瞬間、オーレリアは戸惑いと、胸いっぱいに何かが駆け巡っていく。


 さらりとした髪が風に揺れ、その瞳がオーレリアを写す。


「レスター、、、様?」


「ええ。無事で良かった。」


 兜をつけていた騎士らの大部分がそれを脱ぎ捨てオーレリアの側に立つ。


 その光景に、オランドは目を見開く。


 それを指揮するのはアルバスであり、アルバスは剣を高らかに掲げると宣誓した。


「我、帝国の剣、アルバス・セオドアは皇女オーレリア殿下に永遠の忠誠を誓う。それに賛同する者は剣を掲げよ!」


 騎士らはそれを見て、そして心を決めると剣を掲げた。


 オランドは目を丸くしてその光景に息を呑んだ。








 

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