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皇女は当て馬令息に恋をする  作者: かのん


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第二十五話

 オフィリア帝国にて、オランドは全身を巡っていた聖獣の力の喪失を感じ目を丸くした。


 なんだ。


 これは、一体なんだ。


 身体がまるで鉛のように重たく感じて、オランドは両手を見つめた。


 先程まで感じていた聖獣の力が今では一切感じられない。


 それどころか、身体の至る所から痛みを感じる。


 王位を引き継いだとき、聖獣を従える力も手に入れた。


 オランドはそればかりでは物足りず聖獣に力を寄越せと命じた。聖獣の力は凄まじく、自分はなんと頭がいいのだろうかと感じた。


 それが今はどうだ。


 聖獣の力が全く感じられない。


「どういう事だ?、、、聖獣がまさか、死んだのか?」


 オランドはそう考えると窓の方へと歩き、そしてテラスに出るとオフィリア帝国の空を見上げた。


 そこには、王族にだけ見える聖獣の守護が空に広がって見えた。


 聖獣の守護は消えていない。


 それなのにもかかわらず、自分の身体を巡っていた聖獣の力は消えた。


「何故。」


 オランドは足が痛み、うめきながらソファに腰掛けた。


 身体の痛みなど何十年ぶりであろうか…。


「どういう事だ。」


 考えても答えが出ない。

 

 オランドは心の中で聖獣を何度となく呼ぶが返事はなく、苛立ちを感じた。


 戻れと命じても戻ってこない。


 こんなこと今までは一度も無かった。


 明らかにおかしい。


「う、、、。」


 目が霞み始め、頭が痛くなる。


 この身体の不調も一体何なのかと不気味に思えてくる。


 今までは聖獣の力があったからこそ自分は戦争をしても簡単には死なないし、無敵だと自負していた。


 しかし、今はどうだ?


 オランドは急に争い事が怖くなり、身体の不調も相成ってその日から寝込むことが多くなった。


 医者にこの足腰の痛みや、目の霞、そして頭痛は何だと尋ねるが口を揃えて皆が恐る恐る言う。


「老化です。」


 その誰にでも訪れる事をオランドは受け入れることが出来ず、子どものように喚き散らした。


 オーレリアの所に行ってから聖獣はいなくなったのだ。


 オランドは声をあげた。


「オーレリアを呼べ!」


「皇女殿下はレイズ王国です。」


「連れ戻せ!」


「で、ですが、、、。」


「連れ戻せ!」


 オランドの叫び声が室内にこだました。











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