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皇女は当て馬令息に恋をする  作者: かのん


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第二十話

 アルバスは、執務室でうめき声を漏らしていた。


 はっきり言って、全てが上手く行き過ぎていて恐ろしく感じる。


 内々に帝国の一部貴族らからはオーレリア皇女殿下の為ならばと協力を得られる事になった。これは、オーレリア皇女殿下のお人柄を考えれば当たり前ではあった。


 だが、気になるのは、そこではない。


 駄目だろうと思っていたアルメニアにいる内通する貴族に話を持ちかけたところ、オーレリア皇女殿下のおかげでアルメニアは恐ろしき事態になる所を救われたと、そちらからも全面的にオーレリア皇女殿下を支持する旨が伝えられた。


 現帝王を裏切るという行為であるのにも関わらず、即決であったことに、アルバスは目を丸くした。


 それならばレイズ王国はどうだろうかと話を内々に持ちかけてみたところ、そちらからも当たり前のごとく支持する旨が届いた。


 だが、そればかりではない。


 他国にまで名を轟かせている闇の貴族、マッドマスター家から突如としてアルバスの所へと手紙が届き、マッドマスター家は今後オーレリア皇女殿下に仕えるという事が書かれていた。


 マッドマスター家は当主が若き当主に数日前に代わったばかりのはずであり、学友という立場ではあるはずだがどこでオーレリア皇女と関わりを持ったのかがまず分からなかった。


 だが、手紙を読み進めて行きアルバスは絶句する。


 そこには、オーレリア皇女がまるで女神かの如く言葉が連ねられており、マッドマスター当主の信徒のような様子が見てもいないのに伝わってきた。


 しかもそこには、いずれ帝国へと移住し、オーレリア皇女殿下にしっかりと仕えたいとも書かれておりアルバスは震える手を抑え、ゆっくりとお茶を飲んだ。

 

 少し、大きな声を出して驚きまわりたいが、そんな事は出来るはずもなく、お茶でその気持ちを流し込む。


 外堀がだんだんと埋まってきた。


 アルバスはその事自体は喜ばしいことのはずなのに、なんとも言えない驚きの方が心を占めていた。


「オーレリア皇女殿下、、、一体貴方はどんな魔法を使ったのですか。」


 アルバスはそう呟くと、このままいけば予定よりも早く行動が出来るだろうと、軍部への根回しを早める事にした。


 まだまだやるべき事は多いが、思いの外、オーレリアの働きが多くてアルバスは苦笑を浮かべた。


「負けていられないな。」


 そう呟くと、アルバスは立ち上がり自分のするべき事に向かっていくのであった。



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