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転生幼女はあきらめない  作者: カヤ
キングダム編

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トレントフォース二日目

週2投稿を目指していましたが追いつかないので、また週1投稿に戻ります。



 ちょうど一時間後、私の部屋にトントンとドアを叩く音がする。


「わたしだ」


 ニコである。ハンスが静かにドアを開けてくれた。


「ハンスもみんなのところにいっていいのに。ここはけっかいがあるからだいじょうぶよ」


 ハンスは昨日、お屋敷と敷地内を一通り見終わってからは、ずっと私のそばにいてくれている。


「いえ。結界があるところこそ、俺のいる意味がありますから」

「そうなの?」


 よくわからないがハンスとナタリーは大好きなので問題ない。


「リア、マールライトはしあがったか」

「もちろん。せーの」


 私たちはお互いに握りしめたマールライトを差し出した。


 ニコは大きめの、私はその半分の大きさのものを三つずつだ。


「せっかくしあがったというのに、いちばんひつようとしているアリスターがいそがしそうでな」

「そうね。はこもほしいところなのに。あ」


 私ははっと思いついた。


「ブレンデルに、はこだけもらえないかな」

「ブレンデルとはだれだ?」

「まどうぐやさん」


 お昼ご飯の頃に頼んでみようと思う私だった。


「ニコ、アリスターにいっこあげるでしょ? 残りはどうするの?」

「あと二つか。作ることばかりかんがえていたが、そうだな」


 ニコは腕を組んで真面目に考えて、こう結論を出した。


「ヒューとカルロスどのにするか」


 ハンスとナタリーがほっとしたように頷いたので、それで正解だったらしい。


 でも、私にはちょっと納得がいなかない。


「ニコのぶんはどうするの?」

「わたしはけっかいが作れるからいらぬ」

「アリスターだってつくれるよ? それにわたしだってつくれるけど、あ」


 別にニコが身につけるのは、ニコが作ったものでなくてもいいことに今、気が付いた。


「ナタリー」

「はい、リア様」


 ナタリーは察して、作ったばかりの小さなぬいぐるみとローダライトと小さな魔石を渡してくれた。魔石をどこから手に入れているのか、いつも持っているのがちょっと不思議ではある。


 私は小さなラグ竜のぬいぐるみに、私がつくったマールライトとローダライトを押し込み、ポケットに魔石を詰めこんだ。


「はい、これ、ニコのぶん」

「だがこれは」


 ニコが嬉しそうだが、受け取るのをためらっている。


「どうして? ほしくないの?」

「これはよんこうのしるしだと、リアがうたっていたではないか」


 私の変な歌が聞かれているとは思わなかった。恥ずかしくて思わず赤くなるところだったが、そんな場合ではない。本当は欲しいのに、私の変な歌で我慢させてしまったかもしれないのだ。


「ナタリーをみて」


 ナタリーはニコに腰のぬいぐるみが見えるように向きを変えた。


「ナタリーはよんこうにつかえてて、よんこうみたいなものだけど、よんこうじゃない。でも、ぬいぐるみをもってる」


 私はまたふすふすと鼻を鳴らした。このところ、長くて複雑な文章もぺらぺらと話せるようになったのが自慢である。


「ニコはよんこうのなかまというか、ともだちだからぜんぜんいい」


 本当は四侯を統べる者と言ってもいいのかもしれないが、友だちくらいでよいだろう。


「それもそうか。みんなおそろいだとたのしいな」


 ピンクのラグ竜だから嫌だなどと誰も言わないところが最高だと思う。


 ちなみに、小さいほうの色は私の大きいラグ竜ぬいぐるみに合わせているのかと思ったら、レースの町で買ったピンクの布がたくさんあったからだそうだ。


「けっかいをつくるときは、こうして」

「ませきをポケットから出しておしこむのだな」


 トレントフォースで使う機会などないのだが、ニコは素直に頷いてくれた。


 トントンと、今度聞こえてきたのは兄さまだろうか。


「リア! ニコ! お勉強は終わりよ! あそびましょ」

 私はニコと顔を見合わせて笑った。

「エイミーだ!」

「行こう!」


 ハンスとナタリーに厳重に見守られながらレイとエイミーと遊んでいると、すぐにお昼の時間になってしまう。


 大人たちの葛藤を知らない私は、このままこうして楽しい時間が過ぎていくのだと思っていた。


 だが、昼食の時に、昨日ぶりに顔を合わせた兄さまは、厳しい顔をしていた。


「リア、ニコ殿下。それからエイミーに、レイも」


昨日自己紹介したけれど、それでも兄さまがわざわざエイミーとレイと名前を呼んだのは不自然な気がする。そしてその違和感は正解だった。


「しばらくはこの屋敷から出てはなりません」


 しっかりとその内容が伝わるように、注目させたということのようだ。


「どうしてだ?」


 私が抱いた疑問は当然ニコも抱くはずだ。兄さまは一言一言はっきりと口にした。


「お父様の、いえ、キングダム側の予想が外れたかもしれません」

「おとうさまのよそう……」


 旅を楽しむばかりですっかり忘れていたが、私は何のためにトレントフォースにやって来たのか。


「あいつが、いる?」


 兄さまは重々しく頷いた。


「こんな土地に二人組のラグ竜の商人がこのタイミングでやってきていたなんて、あいつしかありえないでしょう」


 自分も含めて、名前を言ってはいけないあの人の扱いだが、名前を呼ぶと親しい感じがするからそれで正しいのかもしれない。


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― 新着の感想 ―
サイラスがヴォルデモート卿扱いなの笑う。 ピンクの布、リアの好きな色って言ってナタリーが急いで買ってたねwww
[良い点] ニコー!いつもリアを見てるのね・・・。 アリスターとリアのイチャコラも見てたんだw リアが長文話せるようになってきた!漢字も? [気になる点] 貞子並みに恐怖を感じる第三w 名前が放送…
[一言] 勇気のしるし(牛若丸三郎太)の替え歌ですか。
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