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エロス研究会  作者: 木枯 桜
相原縁、襲撃編
6/10

ep.06 其の女、挑発者



「そろそろ時間じゃないですか?」



息と心を整えてこの拷問の終焉を確認する。



「喜ばしいことにまだ十分近く残っているわ」



なんということだ。



こんなことでアインシュタインの相対性理論を体験してしまうとは。



アインシュタインも後輩たる学問の徒が神聖な学び舎でこんな所業をしていると知れば草葉の陰で泣くのではないだろうか。



僕は泣きたい。



「そうですか……。なら一刻も早く終わってくれることを願います」



「それはできない相談ね」



「ではせめて肉体的接触はなしにしましょう。こんな所教師に見られでもしたら停学物ですよ」



「そうね。肉体的性欲は満足してもらえたようだし、今度は切り口を変えてみましょうか」



「もう、それでいいです」



これは確固たる敗北だが、ならばせめて今後に活かさなければ何時性犯罪者になってしまうか。



そんなことになれば琴音に汚物を見る目で軽蔑されてしまう。



そうなったら三島由紀夫のように自決するだろう、いやしないな。



あの人は憂国を嘆き自決したのだ。



女性先輩にセクハラされそれを苦に死ぬなど新藤家始まって以来の軟弱さだろう。



これでは死後あだ名に【マンボウ】と付けられてしまうに違いない。



それは流石に御免被りたい。



「さて再開しましょうか」



金糸雀のような掛け声を聞き、心を律する。



先輩は半身ほどの距離に陣取った。



「……?」



てっきり開幕雷撃でもしてくるかと思えば先輩は優雅に微笑むだけだ。



まぁ藪を付く趣味はないので時間を浪費してくれるのなら願ってもないことだ。



「さてと……」



そう言って先輩は学校指定のブレザーの釦を一つ一つ丁寧に外していく。



刹那、全裸にでもなるのかとも思ったが流石にそこまで行くと常識外れ所ではない。



全ての釦を外し終えるとブレザーを丁寧に折り畳み、机に置いた。



今度は両手をスカートの中に入れて何やらモゾモゾ動かしている。



この行動も意味が分からず、首をかしげているとスカートに手を入れたまま中腰になる。



右足を上げてから下げ、今度は左足を上げてから下げる。



すると先輩の両手には黒い何かが収まっているではないか。



なるほど、僕はマジックに性的興奮を覚えると思われていたのか。



「な、なな、何やってるんですか!?ここは教室で!今眼前には僕がいるんですよ!?」



そんなわけはない。



どう考えても先輩が手にしているのは今この時まで履いていたであろう下着なのだ。



堪らず両目を手で隠して糾弾する。



すると何がおかしいのか先輩はクスクスと声を上げる。



「別に見てもいいのよ、新藤君?これ、アンダーショーツっていう所謂見せパンだから」



「アンダーショーツ……?見せパン……?一体何の話ですか……」



もうキャパシティーを超えて何も分からない。分かりたくない。



「ほら、私電車通学でしょ?けれど自宅の最寄り駅まではそこそこの距離があるから自転車を使っているの」



「…………………」



「自転車って膝を激しく上下するから下着だけだと見えちゃうから履いているのよ」



なるほど下着を二枚重ねて着る意味は理解した。



だがなぜそれを見せびらかすのかは依然理解できない。



「手に取ってみる?流石に少し恥ずかしいけれど、新藤君ならいいわよ?」



「結構です!」



「あら残念」



そう言うと先輩はアンダーショーツなるものを丁寧に畳み、机に置いてからブレザーを被せるように載せた。



流石にその程度の羞恥心はあるらしい。



戻ってきた先輩はまた手をスカートのほうに向け、僕は思わず叫ぶ。



「今度はパンツを見せるつもりですかっ!?流石にそういうことはTPOを弁えてくださいよ!?」



「ち、違うわ!スカートに触れようとしたのであって脱ごうとしたわけではないわ!」



僕の予想は外れたようで反論のために大声を上げた。



そしてヘアピンの刺さりっぱなしで見える耳はとても赤くなっていた。



よかった。本当によかった……。



こほん、と分かりやすい咳をした先輩は凛とした表情でこちらに微笑む。



すると予告通りスカートの裾を両手で摘み上げ、秒速一センチで少しずつ持ち上げていく。



身体を張ったチキンレースだ。



膝小僧か露わになった時点で先輩の顔を一瞥すれば涼しげな表情をしていた。



今は太ももが見えているのだが、先輩は一向に手を休めない。



もし僕がウエストからのスカート丈を知っていれば逆算できたのだろうが、生憎女装癖はないので不可能だ。



このままではあと二十秒足らずで下着を日の元に晒すことになるのだがどこまでする気なのだろうか。



そんなことを考えていると目測ウエストから三十センチ弱の地点で手が止まった。



眼下には透き通るような白さの太ももがあった。



触れてみたい欲求を理性でねじ伏せる。



そして、ふと、思った。



一体どれほどの柔らかさなのだろうか……いやいやいや!



「どうかしら?お楽しみいただけたかしら?」



先輩の声で終了のゴングが鳴り、覗き込むように尋ねてきた。



例えば今ここで僕が首を傾けて覗き込むだけで見られる状況だというのに、先輩は無邪気そうに微笑むのだった。



「はぁ……もう僕の完敗でいいです」



ただ一つ明記させてもらうなら先輩の耳は紅葉していたから相打ちだと思いたい。



そして今日は早く帰ろう


明日は8時20時に投稿予定です。

あと予定では一章は残り5話弱の予定です。


追記

活動報告にて2章のアンケートを取っております。

数字だけでも頂けると大変ありがたいです。

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