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エロス研究会  作者: 木枯 桜
相原縁、襲撃編
1/10

ep.01 其の女、危険物

週一更新を目指します。



「ねぇエロスって一体何なのかしら」



放課後の文化棟の一室、つまりは尊き学び舎たる部室で彼女はそんなことを唐突に言い始めた。



僕は読んでいたリア王を閉じて彼女に目をやる。



高尚なる学び舎で何を言っているんだ。



「ねぇエロスって一体何なのかしら」



また同じ台詞を吐き、つまりは僕に解を求めているらしい。



「キリスト教では【愛】とはフィーリア・アガペ・エロスの三種類に分かれており、エロスはその中でも肉体的・精神的・認識的な混沌とした他者に対する交渉的行動らしいですよ」



とりあえず、キリスト的解釈で弁明してみるものの彼女は納得がいかないらしい。



「違うわ。そういう平面的解釈を求めているのではないの。もっと立体的なエロスを求めているの」



この女は何を言っているのだろうか。



頭がおかしいのだろうか。



いや頭がおかしいのは既に知っていたが、ここまで打っ飛んだ言動を起こすまで社会的協調性がなかっただろうか。



「具体的なエロスっていうのはつまりどういうことですか」



どうせこの女は自分が満足するまでこの会話を続けるつもりなのだろう。



だから仕方なくそう続けるのであった。



何が悲しくて放課後の有意義なこの時間をこんな話に付き合わなければならないのだろうか。




閲覧いただきありがとうございます。

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