2話 編入
なかなか話が進みません...
俺は今、学長と向かい会って座っている。ものすごい威圧を受けながら...
すると、急に威圧を解き話しかけてきた。
「初めまして、ジークベルト・ブラックバーン君。」
「始めまして、オメロ学長。」
「ほほほ、こんな老いぼれの名前なぞよく知っておるな。」
「いやいやご謙遜を。30年前のレートSSの魔人討伐の最大の功労者の`爆砕のオメロ´といえば、大陸の英雄ではないですか。」
「ほほほ、今では恥ずかしい話じゃな。それに今は新しい世代が台頭してきてるじゃろ?」
そういってこっちを見てくる。
「いや、自分は英雄ってガラじゃないんで...」
そういいながら俺は目を背ける。
「ふむ、それは他人が決めることじゃろうて。それはさておき、我が校へ入学おめでとう。」
「急に編入という形で入ってきて申し訳ありません。」
「よいよい、君が入ることはいい刺激になるじゃろう?」
「いえ、自分は一生徒として学校に通うつもりなので、あまり目立ちたくは無いのですが...」
「ふむ、そういうことならこちらも配慮しよう。」
「では、君には我が校の説明をさせてもらうかの。」
そういって学長は話を始めた。
要約すると、こういうことになる。
・この学校は、将来、軍を目指すものたちが通う学校である
・16歳から通うことができ人気も高く各国から選りすぐりのエリートたちが試験を勝ち抜いてきている
・学年は1年生~4年生まで
・生徒は皆寮暮らしになる
とまあこんな感じになる。
「では、こちらも渡しておこうかの。」
そういって、学長は机の引き出しから何か取り出した。
「これは、自分の魔力を記録し自身の状態を確認でき、学校の時間割りや連絡用の掲示板などが使える情報端末なのだ。通称`Mボード´と言われておる。」
といって渡された。
「では、教室に案内するぞよ。」
と言われ俺は学長の後ろについて行く。
「そういえば学長、クラスといえばどのように別れているのですか?」
「おお、まだ説明しとらんかったな。クラスは全部で一学年4クラスあってな、1~4の順に優秀な生徒が集まっているのだ。」
「で、自分はどこに入るのでしょう?」
そんなことを話していると、学長は1つのクラスの前で立ち止まった。
「ここが君が今日からお世話になる、1組じゃよ。」
教室は授業の最中だった。前のドアが開くので1組にいる生徒49名は皆ドアに注目した。
最初に入ってきたのはこの学校の学長オメロだった。
生徒たちは大陸の英雄たるオメロの登場に一瞬固まり、一瞬にして騒ぎはじめた。学長自らクラスに赴くことなどはほぼ無いと言ってもいいほどであり、生徒たちは何事かと思った。
「急にすまない、授業を中断させてしまってのう。今日は皆に紹介したい子がいるのじゃ。」
と言って廊下のほうに手招きする。
そして、入ってきたのは黒髪で身長は175センチぐらいだろうかという青年が入ってきたではないか。
生徒は皆内心戸惑いつつも、学長の言葉に耳を傾けた。
「この子は今日から君たちと同じクラスの生徒になるジークベルト・ブラックバーン君だ。皆仲良くするように。」というではないか。
生徒たちは最初飲み込むことができずにいた、今までにいたことの無い編入生に...
「ほれ、ジークベルト君よ。挨拶をしなさい。」
俺はそういわれ、一礼して自己紹介をした。
「今日からこのクラスに編入することになりました。ジークベルト・ブラックバーンです。名前は気軽にジークって呼んでください。どうぞこれからよろしくお願いします!」
「ということじゃ。皆仲良くやってくれ。」
生徒たちはやっと事態を飲み込み、頷いた。
「では、わしは戻るかの。授業がんばるのじゃよ。ではな。」
といって学長は帰って行った。
なんだか、やっと学校っぽくなってきたな。よしがんばって学園青春っぽくやってみるか。
おれはそんなこと決意してみた。
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