表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リーフリールの森の中 ~エルフなホムンクルスの憂鬱~  作者: NEGA
1.リーフリールの森の中。
3/13

ゴーレム!ゴーレム?

加筆するかもしれませんが短いです。

 続二日目。 




 夕方までまだちょっとある微妙な時間帯なので、研究施設の地下の隔離施設で鹵獲したゴーレムを調べてみる事にしました。

 魔化する前の素体となっているゴーレムは稀に遺跡等で発見されるらしく、それを調べた資料はメインシステムが持っているのです。

 CPUとかがあるのなら頭か胸ですよね。

 人型である以上、首は狙われ易い事を考慮すると装甲が強固な胸ですか?

 資料のよると頭部装甲を外さないと胸部装甲は外せない仕組みらしいので、胸が当たりでしょう。

 サクサク外して中の金属板あけると、おお、ケーブル束にコネクタ!

 機械ですよ?これ?なんで魔化したの?生物でなくても魔化するの?

 …ソコは一旦保留しましょう。

 コネクタを外して接触部を見ると金属っぽくない?。電線ではなさそうです。

 光ファイバーっぽくもない?魔術的な魔力ケーブルかも?

 とりあえずコネクタを全部外して、コネクタがささっていたCPUケースっぽい金属ケースをゆっくり引っ張り出して、手前の一辺を残して開けられるようになっている蓋を開けます。

 蓋の裏には7インチくらいのモニター?コネクタを外さないと見れない構造なのに?これがモニターなら電源…エネルギー源はどこから?

 ケースの中は、わたしの知る電子基盤とは違いますが透明なジェル状の緩衝材に包まれた微妙に凹凸のあるフィルム状の基盤らしきモノが積層されています。

 熱管理は必要ないのでしょうか?

 ジェル状の緩衝材を開くとの端に箱が着いています。箱がクーラーでジェルごと排熱するのかも?

 モニターからのケーブルはフィルム状の基盤らしきモノに繋がっていて、とてもパワーサプライに見えません。

 あ、モニター蓋が180度以上開いています。開いたまま戻してコネクタを繋げばいいのですね。

 隅にはケース外からも物理的に押せるようになっている小さなボタンが一つ。

 位置的に揮発メモリのクリアスイッチっぽいです。いわゆるリセットスイッチ。

 自爆スイッチの可能性もなくはないですが。

 次、パワーサプライは?と、ざっとケーブルの流れを追うと腹部の一番大きなケースに、四肢からも来てるっぽいです。

 ケース取り出さずに開けられる蓋を開くと、そこだけここの魔導器っぽいです。

 魔力バッテリー的なモノでしょうか?

 試に少し魔力移譲(トランスファー)してみると少し変質した感じですが移譲した分は貯まっているのを感知できます。

 モニターは?…ブラックアウトのままですが軽く触れたら少し明るくなりました。

 タッチセンサーですね。ですが十秒くらいでブラックアウト。

 思い切ってリセットスイッチらしきモノを十秒くらい押してみます。

 このくらいの魔力量で自爆したところレアステーキも焼けないでしょう。

 画面に十数行の読めない文章が流れて半分がモニターキーボード画面になりました。

 ROMとOS領域は生きてましたか。

 タッチスクロールさせて文章ログを見ても文字自体に全く覚えがありません。

「ファル姉様、読めますか?多分パスワード入力を要求していると思うのですが」

『これだけでは無理ですね』

「これは機械ですよね?機械も魔化するのでしょうか?」

『魔力を貯めて消費しているからではないかと推測されます』

「多分こいつ今、腹の中で変質した感じの波長を変えたような…魔力通信をしようとしていると感知できますが、他に黒い一体型サングラス的な目の真ん中辺りから電磁波を放射しているはずだと思うのですが?」

 エルフの目はヒューマンにとって不可視光…赤外光やある程度の紫外光まで見えてしまいます。

 ちなみに携帯電話やスマホのCCDカメラでも、テレビやエアコンなんかのリモコンの赤外信号光くらい拾ってしまいます。赤くはないですよ?

『そうですね。

 暗号化されていて意味は解析不能ですが』

「多分、文字を2進法か16進法32進法…みたいに分解した上で暗号化していると思いますが、ヒントになりませんか?」

『…やってみましょう。

 時間はかかると思いますが』



 …何をしているかといえば、マスター権限を奪って支配下にできないかな?という試行錯誤なのです。

 ワイバーンにしても上手くすればテイムできないかという打算ががあって結界内に降ろして捕獲しました。

 どちらにしても瘴気と強化因子をわたしに吸われて魔化が解けた素の状態では、リーフリールの森では弱すぎてすぐに再魔化するか、他の魔化生物や魔物の餌食なのでリーフリールの森では役立たずですが。


 屋敷に帰って晩御飯。

 といっても厨房の調理台で正に携帯糧食といったモノを温めただけのものですが。

「…マズイとまでいいませんが美味しくない…。

 でも魔力だけで食事しないより文化的なはずです…」

『文化的を語るなら、せめてお皿に盛り付けて食卓で食べませんか?』

「むう、返す言葉がありません。

 ですが瘴気化魔力と強化因子を一緒くたにドレインで摂取しているので、魔物寄りな栄養摂取を続けるのは抵抗があるのです。

 …瘴気化魔力と強化因子は不可分なモノなのでしょうか?」

『いえ、それだとヒューマンは魔物を倒し続けたら皆魔化してしまいます。

 通常、魔物を倒したら強化因子のみを吸収して、瘴気は浄化等の処理を行わない限り死体に残り、そのままその肉を食べたりしなければ地に還る時に魔脈に吸収されます。

 本来、一緒くたに摂取する方がおかしいのですよ。

 今後は分けてドレインする事を意識してみても良いかもしれませんね』






3日目。



 リーフリールの森脱出路の構築を兼ねて、わたしとファインセラミクスゴーレムをワイバーンに乗せて歩いて(・・・)強化訓練です。

 紅いコーティングされたファインセラミクスゴーレムは色々模索した結果、わたしをマスター認証させた上メインシステム=ファル姉様の直接操作まで可能になりました。

 ワイバーンは元々騎竜だったようで、額に蒼い魔石・獣魔契約の楔というアイテムが付いていたのですが魔化によって無効化されていたのを再契約したのです。

 ともあれワイバーンは特に弱っちく、6mもあるのに1m級の魔化鳥類にも勝てないのでわたし達を載せて地上を歩かせています。

 わたしはわたしで慣れてはきましたが体格的にハルバートが向いていないのでしょうか、気を抜くとハルバートに身体が振り回されます。

 まあ、これは身体スぺックの問題ではないので地道に取り回しや型の修業するしかないのです。

 武器変更も考えないでもないですが、ただでも小柄な身体なのでリーチのある武器の方が魅力的に思えるのです。ドレイン的に。

 一応、例の超高性能装備の中から背中に太刀と投げナイフ代わりの短刀を十本をローブの中に装備しています。見た目が和刀っぽくてカッコ良かったので。


『二時方向、150m討伐ランク30級ゴブリン3 です』

「はい。バーン君、ゴー!くれぐれも食べないでね!」

 渋々ワイバーンは2人乗せて慣れない地上を走って、ゴブリンとはいえ地上の魔物と地上戦を始めます。

 バーンというのは獣魔契約の時に個体名が必要という事でわたしが名付けました。

「さすがに負ける事はないですが効率が悪いですね。

 ワイバーンは魔術を使えないのでっしたっけ?」

『高位の一部個体は多少使えるようになりますが?

 あとは高位になれば人でいうスキルみたいなものも覚えますね』

「高位になれば…ですか。

 高性能武器でも持たせましょうか?」

『ワイバーンに手はありませんし、飛んだら酷い足手纏いなので足が使えません。

 口は唯一使える自前武器である牙が使えなくなります』

「魔術スクロールか魔術リングでも持たせた方がマシですかね?」

『どちらも魔力を通すだけで使えるので調教次第では使わせる事はできると思いますが、魔術リングは低威力固定でリーフリールの森ではほとんど役に立ちません。

 魔術スクロールは何枚も持たせる事に無理がありますし、備蓄もそんなにありません。

 いっそ自作しますか?

 いえ・・・。

 バーンに使われている獣魔契約の楔はそこそこ高品質なので他の術式を書き込む余地がありますから書き込んでみますか?

 ついでに私…(アカ)の制御魔石にも』



 面白そうなのでやってみました。

 わたしのエネボ…フルバーストインパクトと名称を欺瞞した魔術と、ただのエネボを3連射マクロを組んだバーストエネボ…バーストエネルギーボルトを2人…2体に書き込んでみました。


 …事によって強化訓練・森脱出路の構築がつつがなく終了したのでした。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ