表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リーフリールの森の中 ~エルフなホムンクルスの憂鬱~  作者: NEGA
3.リーフリールの森の中。
11/13

リーフリールの森の中へようこそ。

≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫



 ここ3ヵ月近くは医療団の資金調達用に、リーフリールの森の魔化生物や魔物の採集をメイン活動にしていました。

 ミスリルやオリハルコン鉱石を売る事も考えましたが、あまり多量を市場に流すと値崩れして以前から資産として保有されていたものまで適正価格に混乱がでるので、コントロールが難しいそうです。

 それは森の素材でも同じでは?というと違うのだそうです。

 魔化生物や魔物の素材は基本的に消耗品か実用品の部材なので、資産としての価値は魔法金属と違って一過性と捉えられ易いのです。

 討伐者組合(ギルド)並みの数の支部をいきなり建設した医療団から、薬や研究の素材として大量の需要があったというのもあります。

 わたしが収集して素材を資金化したお金で、わたしが収集した素材を一般ルートで買うのは無駄にも見えますが、先の事を見据えるとユール商会や商業組合(ギルド)なんかにも利益分配しておかないと後の仕入れルートに困るのです。

 基金も最低限の質と数の参加が揃い、討伐者組合(ギルド)等他のギルドとも提携を取り付けて『国境無き医療組合(ギルド)』は雛形にはなったと言える状態になりました。


「それで、ジーナス教団や勇者達はどうなのでしょうか?」

『まず勇者パーティは魔王級統率個体を討伐可能と実証して、実力は示してみせたんだから恥じるコトはないはずなんだけど、バックは自滅して割れちゃったからね。

 解散してから会ってないみたいね、集まると空気が悪くなるし』

「まあ、あれでは国費で軍勢を集めて勇者召喚してまでして、檻の中の獣を檻の中で殺せと命じて『わたしが命じて勝ったから褒めて』と宣伝(アピール)しているようなものです。

 命じた者に何の功績があると思っていたのでしょう?」

『まったくよ。しかもあたし含めて当事者は達成感もなければ、弱ってなければ勝てる気はしないしね。

 …んで教団(・・)だけど、医療ギルドを敵対視してるね。

 聖騎士とミスリルゴーレムの件もあるし、治療についてはこれまでは最高権威として権益を得てたんだし。

 ジーナス教会(・・)や他の神の教会にしても良い顔はしていないと思う」

「んん?…ジーナス教会(・・)教団(・・)は違う組織なのですか?」

『え?ああ、戦神ジーナスを信仰する最大派閥が教団派でそれ以外が教会かな?

 聖騎士を送ってきたのは教団で、まあ…あたしとしては教会の方がマシな印象かな。

 ついでに錬金術師ギルドと教団・教会とはズブズブだし、教団・教会と敵対したくないからポッと出の医療ギルドの提携提案にのれないってさ』

「錬金術師ギルドと教団・教会に利害関係が?

 ああ、『神秘の治療術』に錬成薬剤も含まれるのですね。

 ひょっとして幻覚剤とか覚醒剤も?」

 大体の国では製造販売を禁止しているはずですが、幻覚剤とかは地球ですら国際的に条約で規制されているのに『自生する国で少数の集団に伝統的に魔術(・・)または宗教的な儀式(・・・・・)としての使用』なら『条約の影響は留保』されるそうです。

 魔術と宗教的な儀式が現実的なこの世での扱いは?

 覚醒剤も手っ取り早い苦痛緩和手段でしょうし。

『そのとおり、正解。

 錬金術師ギルドとっては比較的手間のかからない薬剤錬成の御得意様なのよ。

 医療ギルドは実働実績も長くないし、もうすぐ監査権を持った多国籍基金での運営になるから、グレーな幻覚剤とか覚醒剤は使用しない方針だし、客としては教会に劣るのよ』

 基金参加者に直接介入の権限はありませんが監査権を持ってもらうのです。

「医療ギルドの熟成具合(・・・・)はどうですか?」

『あからさまに腐ったのはもう潰しちゃったけど、程良く臭って来てる…背後に何かあるっぽいのがいるわね。

 …教団はヒト相手の神罰(よわいものいじめ)専門の聖騎士団ではミスリルゴーレム相手は相性が悪過ぎるでしょうから引いたみたいだけど、帝国はむしろ二十機ものミスリルゴーレムに興味を持ったみたいね。

 今帝国は軍勢を集めてるけど、医療ギルド内に今ある自警戦力以上の戦力を集めるべきだって騒ぐ一部がいるのよ。

 あたしの事もミスリルゴーレムの仲間だって決め付けて、一緒に戦ってこいって煩いし。ハズレでもないけど』

 医療ギルドが外れにテントを連ねる村の十㎞先に、白竜機と内部に二十機と周囲警戒に二十機のミスリルゴーレムを待機停止魔物ノンアクィブモンスター状態で残してきました。

「…つまりその騒ぐ一部は医療ギルドに対帝国戦力を持たせて侵略者に仕立てあげたいのですね?

 いやあ、魔王バスターズの〈代理人(エージェント)〉は人気者ですね」

『お姉さんはインフィの手の平の上で踊っていただけでしょうが』

「シナリオはディアーナさんです。

 わたしは精々大道具ですね。

 それで次のシナリオですか?」

『そんなものはありません。

 ただ、あそこに置きっ放しにして良いものかなと思ってね』



≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫



「総員突撃!」

 帝国司令官の号令に人が歩兵二千・騎馬兵五百・魔術師隊五十・飛竜騎(ワイバーンライダー)十の軍隊が白竜機達に向かって突撃します。

 でも聖騎士団の時とは違い、ミスリルゴーレム達は遠距離からエネルギーボルトを足や馬を狙った一撃だけで白竜機の上面に退避、飛竜騎をエネルギーボルトで圧し退けながら無傷の内に撤退します。

「なんで?」

 予想外の展開に司令官の呆けたように呟きました。



 なんでも何もありませんね。

 既に医療ギルドのボランティア団は、まだ専門治療が必要な数名の患者を連れて引き揚げています。

 最近はわたしにある種の遠慮がなくなって神経が図太くなったディアーナさんは、景気よく高価な従飛竜(従ワイバーン)を医療ギルドで五十体ほど購入していますし、普通に来た時の馬車もあります。

 医療ギルドが帝国に敵対する理由はないのです。

 医療ギルドは飽くまでも帝国領の村民にも医療ボランティア活動していただけです。

 そう公言していましたし、それでも妨害が予測されるなら引き揚げるだけなのですね。

 ミスリルゴーレム達があそこに居座っていたのはボランティア団の事情とは関係ない事…という建前で、放置した村外れのテントと囮になっていたのです。

 人口自体少なく出入りがほとんどない村に余所者顔が偵察・斥候を出しても気付かれる可能性が高いですし、その為の内部潜入協力者ですから避難指示を出したら必ず連絡と取ろうとするはずです。

 マークしていながら放置していただけの、反帝国を訴え続けた内部潜入者はあっさり尻尾を出して拘束。

 既に一度は蹂躙して自国となっている村を再略奪しても、無抵抗な自国の村を襲う汚名に釣り合うウマミがあるはずもありません。

 村の人口より桁違いに多い、輜重隊等後方を含めれば四千近いはずの味方の目の前では憂さ晴らしの蹂躙もできません。

 赤字遠征となってもらいましょう。



 件の内部潜入者(みってい)の男は教団が差し向けた者でした。

 この世の人は簡単に自白します。

 拷問に耐えても魔術的手段や魔術薬剤的手段で自白した挙句に精神的・肉体的に死んでしまうの可能性があるので、先に自白して嘘判定してもらうのが普通だそうです。

 なので潜入者には極力情報を持たさないのですが、本人も捨石である自覚はあるので想定外に切り捨てられた場合の、保身の為の取引情報を得ていました。


「聞きたい事は聞いたから、あとはもう帰ってもいいよ。

 もう少し経験を積んでから帰りたいなら、それでも良いし」

 ディアーナさんが潜入者にそう言ってロープの拘束を解きますが、まあ居辛いでしょうね。

「何でですか?!」

 口を挟んだのは勇者…カズヤ。

 ボランティア団が避難したと聞いて避難先の町までディアーナさんとクリリスさんの様子を見に駆け付けてきたそうです。

依頼主(クライアント)の意向よ?

 クリリス、覚えてる?」

「えっと…盗みに来るなら盗ませればいいし、教を乞いに来るなら教えれば良いって。

 そこまでするなら大事に利用してくれるからですよね?

 臨床データとか統計は独占しても得は少なくて、公開してより多くのデータが蓄積されてこそ信頼性の高いデータになるし、このまま行けば最多数の臨床データが蓄積するのは医療ギルドなのは確実ですもんね」

「…なんだか嘘くさいくらい立派で甘い人ですね」

「あはは、立派?…甘い?…かな…?

 まあ、お姉さんにも守秘義務があるから依頼主の事は言わないでおくわ」

 …わたしは依頼主ではありませんが、そこは素直に肯定しても良いと思います。

「『国境無き医療ギルドを志す者』ですから、普通に立派じゃないですか?」

 …ソレは架空の人物です。

 それに国境無き医療ギルドを目指したのはディアーナさんですよ?

「あはは…」


 潜入者の男は結局出て行きました。



≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫



 この世には精霊と呼ばれる存在がいます。

 地球の物語の様に気紛れだったり好奇心旺盛だったりしませんけれども。

 ヒトとはかけ離れた判断基準を持った、半ば機械のような生命…いえ、生命とは言えないかもしれません。

 判断基準を持った法則…希薄ですが意思を持った現象発生要素…?

 エルフ・アイ…というと語弊があるかもしれませんが、エルフの知覚で認識できる存在です。

 物語のように地水風火といった単純な属性(エレメント)で分けられるものでもないようです。

 例えば火の精霊らしき精霊というのは、大気中や自身の魔力から精霊に語りかけて熱に関する魔素(マナ)を集めると顕現します。

 火の精霊魔法は精霊が熱を集めて対象を燃やしますが、逆に冷却魔法は熱を拡散させて対象を冷却する事でも成立します。

 もっと言えば伝導抵抗等で熱に成り切れないエネルギーが炎や電磁波(ひかり)として放射されるのですから、光の魔法も同じ精霊で可能です。

 なので火の精霊というよりエネルギーの精霊と言った方が近いかもしれません。

 ただ、『絶対零度』に『電磁波』や冷気を浴びせるのではなく『熱を奪う』といった概念はこの世にあるのでしょうか?

 少なくともインフィとしての知識には『熱を』と『奪う』の語彙はあっても『絶対零度』や『電磁波』の概念も語彙もありません。

 『魔法』というだけあって術を超えた理法(ことわり)で編まれた大系なので、最低でも魔術より希少な精霊を知覚できる才能が必要なりますから、先天的に有利な種族でも精霊魔法の使い手は多くないそうですが、いることはいます。

 …わたしが感覚的にそう理解しただけで、もっと曖昧でも良いのかも知れませんね。



≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫



 リーフリールの森の少し中。

 魔化擬態樹木5体を始末して、警戒しつつも一息つくディアーナさんとクリリスさん。

 ディアーナさんを尊敬すクリリスさんも、自力を磨きたいと修業の同行を申し出てディアーナさんが受けたのです。

 (ソウ)がディアーナさんにマスターパスを通じて通信呼び出し有りと高速信号を送ります。

 高度なゴーレムはマスターのゴーレムマスターとしての熟練度に応じてマスターパスを通じて遠隔高速意志疎通(シグナルテレパス)が可能なのです。

 ディアーナさんも複雑な会話はまだ無理ですが、単語会話程度は理解できます。

『ファルフィ(ねえ)さん?インフィ?』

 わたしは森から出た所で合流したい旨を伝えました。



 ディアーナさん達を見つけて(アカ)とバーンから降りると…。

「わあ、美少女!

 っと、御免なさい。

 初めまして、クリリスです」

 …そうでした、わたし、十一歳の美少女エルフでした。

 リーフリールの森に引き籠っていますし、出てもほとんど誰にも会わないようにしているので、目立つ自覚はあっても忘れがちです。

「インフィです。初めまして」

「会うのは久しぶりよね、インフィ」

「御久し振りです、ディアーナさん」

 …ゴーレム通信で時々話すし、実はゴーレムの視覚を含む感覚や状態を表示するフィルム状の魔導機を例の古代遺跡(アーコロジー)で発見して使用しているので、姿を見るのも久しぶり感はあまりないのですけれど…。

「で、またグリフォンなんかよく騎獣にしたわね。

 バーン君は?」

「バーンですよ、アレ。

 走らせ過ぎたのでしょうか?脱皮変態したらあんな風になりました」

 地球知識の幻獣は上半身と翼が(ワシ)でライオンの下半身だったと思います。

 ですがバーンは7mサイズで、羽毛ですがネコ科の足で四足走行する体型以外は、全身羽毛の(ワシ)にしか見えません。

 顔すらクチバシのついた鷲で、下等竜種の面影がありません。

 この世のグリフォンも鳥類寄りのようです。

「バーン君なの?

 変な魔力も与え過ぎたんじゃない?」

劣化亜竜のワイバーン(リュウゾクモドキ)とは比べ物にならない、ほぼ魔法生物ですよ?グリフォンは」

「アレ、やっぱりグリフォンなのですね…。

 まあそれはおいておきましょう」

「で?どうしたの?

 グリフォンになったバーン君を見せに来たわけではないでしょ?

 インフィから呼び出しなんて珍しい」

「ええとですね…」

 横目でクリリスを示します。

「私、外しましょうか?」

「いや、ピンときたわ。

 クリリスも関係なくない話でしょう?」

「…なくはないですね」

「なら、迷惑かけたらあたしに貸しを増やしていいわ。

 クリリス、インフィの事で何か知っても察しても、不用意に他人に悟られないようにふるまう事を約束できる?」

「それは約束しますけど、聞かない方が幸せだったりする事はあると思いますよ?」

「そこまで深刻な事でもありません。

 危険な目に会う位なら喋って下さい。

 王都辺りまでなら気付いている人は気付いている事です。

 わたしは引き籠りですから、さほどの問題はありませんし、ディアーナさんが面倒な思いをするだけですね」

「そういう事ね…まあ良いでしょ。

 んじゃ、話を聞きましょうか」

「まとめると簡単な情報提供です。

 勇者カズヤが帝国に喧嘩を売って、帝国軍相手にリーフリールの森の外縁部でゲリラ戦を始めました」

「なにしてんの、あの勇者?

 あの、やっぱり聞かなかった事にしていいですか?」

「お姉さんも聞かなかった事にしたいけど…?」

 二人とも帝国にかなり悪感情を持っているはずですが、さすがに無鉄砲ではありません。

 ディアーナさんはちらりとわたしに視線を向けますが。

「別にそれならそれで構いませんよ?

 ただ、あのままディアーナさんが外縁部にいて、事情もわからず否応なしに巻き込まれたりしたら、またわたしに借りを作る事になったり、後味が悪いに事になったりするかと思って情報提供したまでですから」



≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫

五日後。



「マズイ事になりました。

 重要な用事がなければ急いで避難した方が良いと思います。

 申訳ありませんが(ソウ)に目隠しさせますけれど、秘密の隠れ家を提供しますから」

 通信でディアーナさんとクリリスさんにそう伝えて、バーンに二人をリーフリールの森の中の古代遺跡(アーコロジー)まで護送させました。



古代遺跡(ここ)については後で話せる分は話しますが、先に事情説明した方が良いでしょう。

 結論を先に言えば帝国軍十二万、勇者召喚三国六万、ジーナス教団二万がリーフリールの森にて敗退、五割近い損耗と思われます」

 地球での戦争は三割の損耗で敗北と判断されると聞いた気がします。

 十割で勝てないのに七割以下で勝てるわけがないという理屈ですね。

「「なっ!」

 …大規模な軍事行動が続いているのは、近辺では子供でも知っているけど…」

「この世では一般的に四割の損耗で敗北と判断するそうですが、それは人間同士の話であってリーフリールの森の強化魔物類に相手にあてはめるのは…いえ。

 そもそも今まで無理と思われていたリーフリールの森の魔物類を攻略に踏み切った、不幸にも重なり合った事情があるのでした。

 一つは五人PTで魔王を討伐できた事。

 一つは出入りの為に伐採(じゅうりん)して瓦礫道(みち)を直前に作ってしまっていた事。

 一つはその瓦礫道(みち)を勇者とのゲリラ戦で発見されてしまった事。

 一つはその瓦礫道(みち)はマシではあっても決して安全ではない事に気付けなかった事。

 更に二週間もすれば元通りになってしまう繁殖力を想像出来なかった事。

 伐採しながらなら進めると思ってしまったのですね。

 四割の損耗で敗北なら、四割の損耗まで進まざる得ない各国の事情(メンツ)もあったでしょう。

 夜まで保てば撤退の理由になったでしょうけれど、リーフリールの森の中はそんなに甘くはありません。

 一日で進入できた兵が全て犠牲になりました。

 瓦礫道が発見されていなければここまで被害は大きくならなかったでしょうけれど、結果としてはただの罠に見えますよね?

 カズヤに罠として利用できる知識があったとは思えませんが、勇者PTの立場は危険です。

 犬猫でも十万も死ねば大問題ですね。

 兵隊の殺人責任や殉職責任は上官が持ちます。

 上官が持ち切れない責任は更に上官が持ちます。

 行き着けば元帥、官僚長官、国王となりますよね?

 今回は敵国の卑劣な…といった言い訳もできません。

 鮮烈な生贄が必要なのです」

「「…。」」

「面識もなく連絡手段のない他の方々はともかく、御二人くらいはほとぼりが冷めるまで衣食住付きで匿う人情もあります。

 ただ、安全で開放できる区域だけでもそれなりに広くはありますが、森の中の遺跡なので、かなり不自由を強います。

 それで良ければ御利用下さい。

 出る時も事前に申し出てもらえれば、なるべく都合をつけて送迎します。

 ただ戦闘をまず間違いなく避けられないので、バーンでも森を抜けるのに二・三時間はかかりますから、あまり頻繁ですと道中の安全を約束できませんけれど」

「…ありがと。厚意を感謝して受け取るわ」

「…そうですね、感謝します。

 ところでインフィちゃんは何者ですか?

 この際聞いちゃった方が摩擦を減らせる気がするんですけど?」

「そうですね。

 でも遠方出身のクリリスさんにはピンと来ないと思いますからディアーナさんからじっくり説明して上げて下さい。

 わたしからは一言だけ。

 リーフリールの森の古代遺跡(わがや)へようこそ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ