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黒鬼の太刀  作者: 飛影さん
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第6話

第6話


「私たちの命を救って頂き、感謝の言葉もございません」


マークさんはそう言いながら頭を下げた。


あれから、取り敢えず馬車が走れるかどうかを確認し、大丈夫そうだったので馬(に似たモンスター)を繋ぎなおして目的地に馬車を走らせていた。 相当賢いらしく御者は要らないらしい。


「いえいえ、こちらこそ助かりました。何せ、山から降りるのは初めてで。」


助けた当初はまだ警戒心が残っていたのか、硬い態度を取っていたマークさんだが、こちらの事情(でっち上げた)をはなすとどうやら緊張を解いてくれた。


ちなみに話した内容は、異世界から来ましたなんて話して気が変なヤツだと思われても困るので、生まれてからずっと親と一緒に山奥に住んでいて、親が死んだので遺言に従って山を降りた、というもの。


するとマークさんは、自分たちはこの地方の主要都市であるリーベという街に住んでいて所要で他の都市に出かけていた、助けてもらった恩を返したいのでとりあえず一緒にリーベに来ないか、と言ってくれた。


どうやらマークさんはとても誠実な人のようだ。


「私からも礼を申します。感謝のしようもごさいません」


と、頬を赤く染め、輝くばかりの笑顔をこっちはに向けている隣の超絶美少女からも礼言われてしまった。

この美少女の名前はマリーといい、マークさんの一人娘だそうだ。ちなみに彼女を紹介した時のマークさんは世間で言うところの親バカ丸出しだった。しかし、こんな美少女が自分の娘なら俺も自慢はしたくなるかもしれない。


「いや、特に大したことはしてないんだけど」


そう言いながらも、やはり美少女に感謝されるのはいい気分だ、なんて思いつつさっきの襲撃について何か分かることがないか聞いてみることにした。


「さっきの連中はあなたたちを明確な標的にしていたようですが、なにか心当たりでも?」


マークさんは少し迷っていたが意を決して話し出した。


「私はリーベの街を拠点に商売をしております。我がベルナー商会はこのラナウェル王国でもかなりの勢力を誇っています。」


「へぇ~、スゴいですね」


「はい。私はリーベの街の統治にも深く関わっています。しかし・・・」


「・・・何かあったんですね?」


「これは機密情報ですが・・・あなたになら構わないでしょう」


「いいんですか?」


「あなたは私たちを救って下さった。それに商人として人を見る目はある、と自負しております。」


「・・・」


面倒ごとだか仕方ない、と俺は真剣な顔つきで続きを促した。


「実は、隣の領地を納めるマーロー男爵が最近王都に続く街道に兵を配置して検問しているのです。そのせいでリーベから王都方面へ行く荷や行商人が足止めをくらい難儀しています。」


マークさんはため息をつき、次いで窓の外に顔を向けた。


「リーベの街の近くには魔腺の源があるので、周辺では希少な魔物や鉱物、薬草が多く取れます。なのでハンターたちの活動も活発です。リーベから王国全体に品物が供給されているの、それが断たれれば経済は大打撃です。」


「そういう事はあっちもわかっているはすでは?


「実を言いますと、マーロー男爵は、そのなんといいますか・・・」


俺はマークさんが言いたいことを何となく悟った。


「どうしようもないタイプのヤツなんですね」


「はい。以前男爵からマリーを側室にしたいと打診がありました。私は娘を側室になど出来ないと断ったのですが・・・」


「その事を逆恨みして兵を出したと」


あきれてものが言えない。仮にも、貴族で上に立つ人間が逆恨みで多くの人々に迷惑をかけるなどあっていいはずがない。


「じゃあ、さっきのも男爵の?」


「おそらく、そもそも今回の街を離れた理由が王宮にこの事を知らせるためのものでしたので。」


確実に王宮に知らせるために彼が王都行きを買って出たのだろう。そうでなければ本来、街の重役がでばることではない。危険すぎる。

しかし、そうなると疑問が残る。


「護衛は雇わなかったんですか?」


「それが、雇ったのですが先ほどの連中に殺されてしまいました。」


「!?」


さっきの奴らにやられた!?そんなに弱い護衛を雇ったのか?と思い驚いていると、俺の考えいることがわかったのかマークは身を乗り出して答えた。


「いえ、雇ったのはCランクのベテランハンター4人でした。だからこそ、あの時のユウキさんのしたことに驚いたのです。」


さっき俺が倒した連中は結構な実力者だったようだ。そんな奴らに何もさせずにのしてしまったのだからマークさんが驚くのも無理はない。


どうやら俺の力は予想以上に上がっているようだ。理由はわからないが、このままだといらぬ被害を出してしまうかもしれない。


(自分の力を把握する必要があるかな。それまでは自重しないとな)


俺はそう思いながら馬車に揺られ続けるのだった。

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