第1話
第1話
「・・・・う」
目をさました俺は少しの間空を見上げていた。だが、ずっとこのままという訳にもいかず気だるい体を支えるように立ち上がった。
「・・・森の中か?」
普通の人ならパニックを起こしているだろうが、幸いにも俺は普通ではなかったので冷静に状況を分析していた。
俺の名前は黒河裕鬼、年は17、実家が少々特殊なことを除けば高校生としても年頃の男子としてもごくごく平凡だと言えるだろう。
「まだ少しのダルいが、動くのに支障はないみたいだな」
体を動かして違和感がないか調べるが、特に異常は無さそうだ。
「さてと、もう少し情報がいるかな」
特に気負うことなく平常心でいるが、他に俺がいた世界のヤツがここにいれば正気を疑うだろう。しかし、俺の唯一普通じゃない部分が冷静さを保たせていた。
俺の家族は少々特殊だ。父親は中小企業の中間管理職、母は専業主婦、姉貴は建築会社のエリート事務と特に変わったところはないように見える。だが、問題は中身だ。
俺ん家のご先祖様は、まあなんというか風変わりしている。ぶっちゃけると・・・・・神様だ。
「籠手は問題無さそうだな」
右腕を少し挙げると、青白い焔が腕を包みすぐに消えたかと思うと、そこに鋼色とも深い黒色ともとれる籠手が現れていた。
神代の籠手、または鬼神の籠手と呼ばれているそれは俺の一族がいにしえから受け継いできた神器だ。しかし、誰でもいいという訳でなく籠手が主にたるにふさわしいと認めたものにしか者にしか着けることができなかった。
過去に無理矢理籠手を着けようとして絶命したバカが何人かいたそうだ。
いろいろ便利な機能があるので、取り敢えず具現化しておこうと思ったのだ。
「さてと、何にしてもまずはこの森?から出ないとな」
そう思い 、風を便りに今いる場所とは違う匂いがかすかにする方向へ歩き出そうとした瞬間、低い唸り声と共にガサガサと共に枝や木葉が擦れる音がし始めたたのであった。
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