第10話
第10話
マーニャに連れられて廊下を進むとかなり大きな広さの部屋に着いた。部屋の壁には不可思議な紋様が描かれていて、中心部には大きな丸い水晶が台にのせてある。まるで某魔法世界の一場面のようだ。
「これから何を?」
彼女は振り向きながらこれからする事の説明を始めた。
「この部屋は契約魔法を行う為のものです。ここで魔法を使いギルド登録と、ユウキさんの基本情報をこのマジックリングにリンクできるようにします」
そう言って彼女が表面に赤い文字が刻まれた指輪を取り出した。
「このリングにはハンター資格証であるとともに、装備しているハンターの能力数値や活動履歴の記録を表示するための魔道具です」
「資格証はわかるけど、情報の表示って言うのは?」
「例えば、ユウキさんの筋力や素早さ、魔力を数字にし、魔法で見ることを可能にしたり、今までに受けた依頼の内容を記録しておき必要な時に確認することができるということです」
「なるほど」
ゲームでいうステータスを見ることができるようになるらしい。ファンタジーに忠実で俺にとって嬉しいばかりだ。
「それでは、始めましょう」
促された俺は水晶の上に右手を置いた。すると床が光だし魔方陣のようなものを写し出した。
《契約に従い彼の者の力をこの指輪に繋ぎ示せ》
マーニャが言葉を紡ぐと俺の体が光に数秒光に包まれ、そして消えていった。
「・・・もう手を離してもいいですよ」
今までの光景に唖然としていた俺はその言葉ではっとしながら手を離した。
「これで登録は完了です。何か質問はありますか?」
そう言いながら彼女は俺にマジックリングを手渡した。
「・・どうやって情報を見るんだ?」
「マジックリングを持った状態で《表示》と唱えるか、念じて下さい」
俺はマジックリングを見つめながら言われた通り《表示》と唱えた。するとリングが臼青く光、目の前に何処からともなく四角い半透明の枠が浮かび上がった。
「!?」
名前 ユウキ・クロカワ
年齢 17 性別 男性
レベル 1
職業 ???
称号 ??? 超越者 封じる者 心を射止める者
修羅 剣神 冥王 手加減を極めし者 侍らせる
者 悪運
体力 1000(称号補正+2000)
魔力 1000(称号補正+2000)
筋力 800 (称号補正+2000)
俊敏 1200(称号補正+2000)
耐性 700 (称号補正+2000)
運勢 ???
魔法適正 火1 水1 雷8 風1 土1 光1
闇1 冥10
装備 学生服 運動靴
「っ!!」
俺は予想外の能力の高さに息を飲んだ。
「どうですか?」
「・・・参考までに聞くけど、能力値の基準てどうなってる?」
マーニャは顔を下に向けて考えるような仕草をした後、顔を挙げて答えた。
「えっと、個人差はありますけどレベル1の新人のハンターでだいたい能力値の平均が100とちょっとくらいですね」
「・・・・・・ちなみにこの国で一番強い人の値は?」
「騎士団の方もいらっしゃるので詳しくはわかりませんが、ラナウェルにいる最高位のハンターであればレベルが140で能力値の平均は1000くらいですね」
それを聞いて俺は驚愕してしまった。俺の能力はレベル1の段階でこの国の最高位ハンターに匹敵している。しかも、ヤバそうな称号により3倍近い値になっていた。
(マークさんが言ってた通り、あの連中が弱かったんじゃなくて俺が規格外過ぎたってことか
俺はそれはもう深い深いため息を着いた。