王様に命令されて騎士達がやって来ました。
時間ができたので書きました。不定期更新です。
王様が、お城に帰りました。10日以上居ないので静かです、やはり鷹族。鳥ですから煩いのはお約束なんですね。馬車の中で、ごろごろしながら子供達と楽しく過ごしいます。
「ママ、静かだね。落ちつくよ」
「ほんとだ!しずかだママ!」
「ハヤテは煩くならないでね」
「僕はママの子だもん、良い子だよ〜」
「ぼくもママしずか〜」
王様がいなくなったので、ライン様と争う事なくゆっくり静かに、ご飯をもらってお腹いっぱいの親子三人です。
「おい!あれはなんだ!黒い塊が飛んでくるぞ!」
馬車の窓から見ると空に見える黒い塊がこちらに向かって来ます。何だろう?
「ママーあれ、何かな?」
「くろいよ、ママー」
子供達が不安そうに言ってきます。黒っぽいつぶつぶが段々大きくなってきました。
「どんどん、こっちに近付いてくるわ」
三人で窓にへばり付きました。私は呑気に見ていたのですが、近付いてくると鳥族と鷹族の人達がらしいです。走っている馬車の前に沢山の鳥族と鷹族の人達が下りてきました。
「殿下!ハヤテ殿下!シロ様、私達が殿下達の護衛として派遣されました」
馬車に乗っているハヤテと私を見つけて隊長らしき鷹族の人?叫んできます。低空飛行で馬車について来ます。王様に命令されて来た人達の様です。騒がしのは嫌です。
「僕は分からないから飼い主のライン様に聞いてね〜」
賢いハヤテは、ライン様に問題を丸投げしました。
「飼い主!ハヤテ様一刻も早くお城にお戻り下さい。鷹族の王の子なのですから、城の者全員でお待ちしております」
ハヤテが言われた途端嫌な顔をしました。私と離れたくないようです。
「ごめんね、僕ママ好きだからライン様のペットでいいんだ〜」
にっこり笑って言います。話しかけてきた隊長もどきの人以外は、ハヤテの言葉に驚き、涙を零しながら落ちてしまいました。
「……ハヤテ殿下」
ショックが大きく立ち直れなさそうです。馬車の後ろの方で転がったままです。
「それより、もう直ぐ次の宿でご飯の時間だよママ〜」
流石私の子です。腹時計は健在です。時間に正確なご飯時計ですね。
「ごはん食べたい〜ママ」
レオンの腹時計も時間だと訴えてるようです。ライン様はこの頃王様が居ないので何時も早めに行って宿でご飯の用意をしてくれる様に成りました。直ぐ食べる事が出来るので子供達と私には好評です。
ライン様が残した護衛の人達が、本当なら王様の騎士達に文句を言うかと思いましたが、余りにも可哀想で、道に転がったまま涙する騎士に何も言えずにそのまま置き去りにしていました。
ハヤテの未来はハヤテの物です自分の望む道を選んで欲しいと思いました。