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捕えの直前

……幾年幾月が流れたのだろうか。気が付いてみれば元いた屋敷から随分と遠くに来た気がする。先ほどから後方の母上が話しかけているが、馬が蹄で地面を蹴り上げているせいか上手く聞き取れない。

御科之守は足全体にひどい違和を感じていた。さきほどからである。しかし、馬をずっと走らせていたせいか御科之守の意識は低回を配していた。それにより、全くと言っていいほどにこの違和を確認する気が起きなかったのである。また、この御科之守の足に在する違和は、この地域特有の植物の種子であり、刺されると幻覚作用、高熱、嘔吐、全身の震え、麻痺を発現させる非常に致死性の高い棘であったために加えて御科之守の意識を底に追いやっていた。これにより、御科之守は左右に散開し、今まさに己を捕らえんとしている無数の兵士の存在に気が付かないでいたのである。

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