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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

欲のままに書いている最強のキャラクター

不死身の道化師は今日も笑う

 書いてみたい「最強のキャラクター」というちょっと自分の欲のままに書いた作品第一弾です。

 グロめなので苦手な方はブラウザバックを推奨します。

 ある一つの街ではとある事件が起きている。

 路地裏で人が執拗に切り裂かれているのだ。それも、意味を込めたものではなく、時には規則的に斬られ、時には切断に使ったとされるナイフが何本、いや何十本と刺さっていることがあれば、臓器だけを抜き取られ、肉には嚙み千切ったであろう歯形が……ともかく、これほどまでに残酷な事件が連日起こっているのだ。

 この街は周辺の街より発展しているため、交通手段が多く、路面電車のようなものから馬車、さらには魔法による飛行での移動もある。その事からわかることは「人通りが多い」ということ。

 今言った通り、この街では深夜でも普通に人が通るほど人口が多い。夜なんて飲みに行った帰りとか勤務後とか。とにかく人の行動が外で絶えるようなことはない。

 ではなぜこのような事件がよく起きるのか。原因は街の構造にある。

 そもそもこの街は「街が出来てから人が増え交通が便利になった」というわけではなく、「交通手段を便利にすることで人が増えた」という形式に近い。そのため、建物がどう建つかというのを考えず、不規則に建物が増えることで路地裏が出来、結果増えてしまったのだ。


                       ※※※


「またか……」

「もうこれで何件目だ?」

「今回の死者も身元不明……犯人の動機は分からない、現在地も不明、おまけに俺たちが知っているのは見た目だけ。どんな能力持ってるのかも分からねぇ。」

 今回の事件では被害者が二名と推定された。現場に右手が二つあるため、そう考えられた。

 どちらもスーツを着込んでいたのか、ワイシャツとスーツのような欠片が散乱している。

「夜間の外出自粛の勧告だけじゃ事件は防げないか。仕方ない。ギルドに通達しろ。『夜間の巡回、犯人の捕獲または討伐』と。判明している限りの特徴を伝えておけ!」

「「はい!」」

 現場でそんな会話がされる上で

「へぇ……面白そうじゃん。俺にどんな期待をさせてくれるのかな?」

 なにかの肉片を血を口からこぼしながら食べる一人の男が現場の上の建物の縁に座り込んでいる。

 男は仮面を被っており、素顔は見えないが、肉片を食べているため口元が見える。その口元は嬉しさによるものか、歯をむき出しにして不敵に笑う。白色の仮面にはピエロを表現したような弧を描く目と赤い鼻が描かれ、涙でも表現するかのような水色の雫が目の下に描かれている。


                       ※※※


「さ、巡回開始だ。」

「って言ってもただの切り裂き魔だろ?俺たちにかかりゃ楽勝だろ!」

「人だけを斬ってるやつよりもたくさんの格上のモンスターと戦った私たちなら楽勝ですよ!」

「そうかもしれないが、油断だけはすんなよ?」

 三人組の男女が話しながら、路地裏を歩く。ギルドのメンバーだ。

 名前は話した順に、リィス、モール、フロゥだ。リィスが女性、モールとフロゥが男性だ。

「そういえばなんでこんな依頼受けたんだ?こんな金少ない依頼よりもモンスター倒した方がいいだろ。」

「楽だからじゃないんですか?」

「そうだな。モンスターを倒すのは報酬がいいが、その四~五割は全部装備やポーションに吸われる。それなら消耗するものが少ないこういうものがいいだろ。それに、依頼分の内容的に、筋肉の塊みたいなそこらのモンスターよりも剣とかの刃物なら防ぎようがあるだろ。同じ人間なんだからそこまで力に差はないはずだし。」

 巡回中でやることがないのか、会話しながら路地裏を歩く。警戒心がないものだ。

 その時、突然、路地裏の奥側にある右の道から、石が転がってくる。警戒を解いていてもすぐに反応し、戦闘態勢に移る。

 そこから出てきたのはただの酔っ払いだ。フラフラしていて、まるで歩いたことがないかのように体の動きがぎこちない。

「おっさん、路地裏はあぶねぇぞ。さっさと出てきな。連れてってやるからよ。」

 モールが酔っ払いに肩を貸し、路地裏から出ようとする。

「重ッ!?……っと、何か落ちた……ぞ……」

 彼が酔っ払いを抱えたその時、酔っ払いから何かが落ちる。彼の顔は瞬時に青ざめ、酔っ払いから離れる。

「ウワアアァァァァ!!」

 酔っ払いから落ちたのは首。そして叫ぶと同時に酔っ払いの顔が積み木を崩したかのようにバラバラとそこら中に散らばる。

「周囲を見渡せ!すぐ近くにいるはずだ!フロゥは、魔法の準備!」

 全員が周囲を見渡しながら警戒する。フロゥは杖の先に魔法を込め、魔方陣を浮かべたところでいつでも打ち込めるよう準備する。

 すると路地裏に突風の如く、声が響く。

「あーあ、バレちまったか。操り人形(マリオネット)作戦、失敗。」

 その時、リィスとフロゥの間にさっきの仮面を被った男が現れる。

「テメェだな!この街の切り裂き魔はよォ!」

 リィスは持っていた短剣を逆手に持ち、頭目掛けて思いっきり振る。

「大丈夫か?」

 モールもその声を聴いていたのか、剣を持ったまま合流する。

「切り裂き魔、案外呆気なかったな。」

 仮面を被った男は短剣が刺さったまま、うつ伏せに倒れる。

「さてと、ギルドに運ぶぞ。」

 三人はリィスが腰にある小さなバックパックから出した大きなシートで男の体を包み、運ぼうとする。

 するとフロゥが何かを見つけたかのように男の近くでしゃがむ。

「ん?」

「どうした、フロゥ。」

「いや、この男、右手だけがないんですよ。」

 フロゥが右手を見ていたが、何もないと、起き上がったその時、彼は信じられないものを目にする。

「皆さん下がって!」

 フロゥが急いで杖を取り出し、防御魔法を展開する。

 そこに映っていたのは、さっき死んだはずの男。酔っ払いの死体の近くに立ちどこからともなく取り出したナイフを三人目掛けて数本投げていたのだ。

「あーあ、バレちまった。まぁいいか。」

 男はそう言うと、唐突に自分の首を刎ねる。

「ど、どうしたんだ、あの野郎。」

 リィスが変な汗を流しながら、警戒を解かずに酔っ払いの方を見る。

 だがしかし、その警戒が良くない方へといく。

「バァ。」

 気持ち悪い声で後ろから声が聞こえる。リィスは驚きよりも恐怖を感じ、一瞬、体が強張ってしまい、反応が遅れる。振り向いた時そこに映るのは、男に腹部を素早く数回刺されたモールの姿だ。その光景にはさっき死体としてそこにあった男の死体がなくなっていることだ。

「お前ら、逃げろ……!」

 モールは血を噴きながら声を振り絞って出す。

「オ゛ラァ゛!!」

 モールは剣を振り男に一太刀浴びせようとしたが、男は剣を弾き、懐から取り出した数本のナイフを投げ、モールの右腕を壁に固定する。

「グアアア!!」

 痛みが全身に走ったモールは、固定された腕を外そうと必死にもがく。それを見た男は仮面により見えないが、笑みを浮かべたかのように

「フフ!」

 と声を上げ、ナイフに蹴りを思いっきり入れる。

「――――!!!!」

 叫びにならない程の痛みをモールは食らい、さらにもがく。

「さて、次は君たちだよぉ!」

 仮面により響く呼吸音。残された二人は仲間をやられたことによる怒りよりも掴みどころのない言動と狂気的なまでの攻撃、不可解な能力により、今までにない恐怖を感じ、逃げ出さずにはいられなくなる。

 二人は男の反対方向へと逃げだす。警戒心なんて持たずに、一心不乱に男から離れることを考える。

「ニィ……」

 男はその場から動かずに一度右腕を切り離す。

「しっかりと見ててね」

 モールに右手を見せ、それをさらに細かく斬る。

 モールはその状況から何を考えているのか読み取れないのと、これから死ぬかもしれないという恐怖により、混乱する。その時、

「イヤアアア!!」「ウワアア!!!」

 二人の叫び声が聞こえ、モールは咄嗟にその方向を振り向く。

「何なのこれ!!」

 リィスが足元を見ながら叫ぶ。足元には、男の右腕であろう物体がいくつもあり、彼女の脚を掴む。フロゥも同様に右腕に掴まれるのだ。

 リィスがその腕を斬り、フロゥは燃やすことで対処しようとするが、リィスが斬ったところで腕は二つに分裂し、より引っ張る力が増す。

 フロゥは何とか逃げることが出来たが、男がナイフを一つ投げ、フロゥへと投げることで逃げることが出来なくなる。

 ナイフはフロゥの肩に刺さっただけだが、ナイフの根元には一本の指が添えられている。

 その指から、大量の血と肉、骨が生え、男が出現する。

「フフッ!」

 フロゥは新たに出現した男に殴られてしまい、気絶し、そのまま担がれモールのもとへと運ばれていく。

 リィスは腕が増えることが分かっていても、恐怖でまともな判断が出来ず、ひたすらに腕を増やす。

「見ててね。」

 男がそう言うと、彼は指をリィスの方へと投げ、地面に腕を大量に生やす。

「いや!イヤァ!何なのこれ!!」

 ひたすらに大粒の涙を流し、剣を振り回す。増え続ける腕は彼女を引っ張り、男含め、全員のいるところへと集められる。

「さぁて……」

 男はさらにナイフを取り出し、とりあえずという感覚で全員の右腕をナイフで壁に張り付ける。

「うーん……」

 男は三人から一歩下がり、両腕の親指、人差し指を伸ばし、長方形の形を組み、スケッチをとるかのように三人を見つめる。

「よし!決めた。」

 男は手をパンと叩き、

「君たちはこのたくさんのナイフでナイフで切ったステーキをフォークで刺すようにしてあげる。ただし、今回は特別。左腕と左足だけ何もしないであげるからね。」

 三人はこう理解した。右手右足がなくなるだけで生き残ることが出来る。と。


                       ※※※


「チッ!一般人に加えギルド員がやられやがった。しかも三人。」

「被害者は全員身元不明ですが、ギルド員はギルドプレートと依頼を受けた人から推測してリィス、モール、フロゥの三名です。どれが誰だか分かりませんが。」

「それにしても、こんなことするのに、何で全員左腕と左足だけ何もされてねぇんだ?」

 そこに映る光景は壁にナイフで刺された五~十センチの四角形に切り取られた大量の肉片。そして手つかずの左腕と左足。

「クソ!!ギルドに巡回の難易度を上げろ!出来れば緊急の依頼として出すように!!」

 そして今日もその上で座り込む仮面を被った男。またなにかの肉片を食べている。

「さて、もっと楽しませてくれるのかな?」

 こんな感じの「最強のキャラクター」を書く短編をいくつも作るつもりです。

 いっぱい出すので私のページから他の短編も見ていってほしいです。

 今他にもう一つあります。

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