表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/26

6.禍 ―1

 リーン…リーン…


 音は耳からではなく、空気を震わせ肌を通して彼へと伝える。


 リーン…リーン…


 優しい音色。穏やかで心地よい響き。


「恨み言くらい、覚悟しているよ」


 弱い微笑みは、淡い光に照らされる。

 光は淡い緑。白い檻の中で揺れた。


「ねえ、君は僕の大切なひとにとても似ているよ。彼女もそうしていつも笑いかけてくれたんだ」


 光は揺れる。それが問いかけである事が彼には分かる。


「知りたいかい? そうだね、いつか話してあげてもいい。もう暫く、君はここにいなければならないだろうから」


 リーン…リーン…


「この檻がなければ、きっと言葉も聞けると思うんだ。君が大人しくしていると約束してくれるなら、僕が一緒の時だけは自由にしてあげてもいい」


 ふんわりと微笑み、彼は背を向ける。


「また来るよ。今の返事はその時に聞く」


 リーン…リーン…


 音色は変わらず、彼へと伝えている。

 言葉では聞こえなくとも、彼には光が何を云いたいのか十分過ぎる程分かる気がしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ