第十一話
とても大変なことが起きてしまった。
頭が割れるようにいたい。
熱もある。
吐き気がおれを何度も襲う。
明日は卒業式だ。
なんとしてもいかなければいけない。
まだ自分の漫画の感想を聞いてない。
尚代先輩の連絡先も聞いてない。
そんなことを思いながら当日を迎えた。
相変わらず吐き気がひどい。
親は休めという。
俺は行くといってきかなかった。
ふらふらしながら学校に向かった。
頭が痛い。
そればかり思った。
尚代先輩に会いたい。
抱きしめよう。
強く、壊れるくらい。
そうおれは思った。
卒業式がある体育館へ向う。
目眩がする。
強い吐き気。
意識が飛ぶ。
俺はそのまま倒れた。
気づくと病院にいた。
まだ頭が痛い。
ふととてつもなく恐ろしいことが頭に浮かぶ。
尚代先輩。
俺はベッドから起きようとすると、看護婦があわてて止める。
「大切な人が待ってるんです。」
俺は叫ぶように言った。
「今は体のことだけを考えなさい。」
そう冷たく看護婦は言う。
俺はその看護婦を突き飛ばして、病室を出ようとした。
駆け付けた看護婦によって取り押さえられる。
俺は狂ったみたいにそれをどかそうとする。
午後十時を時計は指していた。
俺は看護婦に取り押さえられた。