No.1 転生チャレンジ
「...誠に申し訳ないのですが...」
「えっ?」
えええぇええぇえええぇぇぇええぇぇぇえええぇ!?
***
「サトミ、到着した矢先で悪いが、『召喚師』の予定が合うのが今日しかないからな、我慢してくれ」
「早くない??タルヤ???」
まさか、早く帰らせようとか、そういう厄介払いでは...。
いや、そうなんだけどさ!?
「...そんなに、じぃっと見つめるな。厄介払いとかじゃないからな」
ぎ、ぎくぅ。
全部バレていたのね、流石タルヤ。
「あっ、あははははっ、そんなわけ無いじゃんかぁっ!」
そんなわけありありなんだけど。
「あっ、着いた、この建物の奥の部屋だな」
...え、普通の民家なんだけど。
大丈夫なの、え、これ、本当に『召喚師』の元に向かっている?
もしかして、使用人とかとして一生働かせる気じゃッ...!?
「サトミ、お前変なこと考えてるだろ」
タルヤさん、そんなに鋭い考察が出来るのなら、私が今考えてることも当ててくださいよ、『イェゴ村に帰りたい』って。
そんな私の心配もよそに、さっさか進んでいくタルヤ。
くっそぉ、エリートだけど失敗した召喚師め...!
あああ、扉がどんどん近くなってく...。
ヤダヤダヤダ、『召喚師』とか言う名のヤクザとかだったらどうすればいいのよぉ!?いやぁっ!!
「...あっ、タルヤ?」
...あれ?
身構えていた聡美の思惑とは裏腹に、ほんわかとした声が返ってきた。カチャリ、と扉が開いて、一人の背の低い少年が出て来る。
「わぁぁ、こんにちは。貴方が、サトミさんですか?初めまして、マルシェルって言います。あっ、タルヤもお久しぶり、元気そうだね」
しょ、少年の割にはすごい丁寧な態度。しかも、なんだか聡明そうだし...。
「すごいね、子供なのにしっかりしてるね、初めまして」
「「...子供?」」
えっ、何この空気。
「...僕、こんな背丈だけど、タルヤと同じ24歳なんですよ」
「えっっっ」
こ、この子が??にっ、にじゅうよん?
「な、ご、ごめんなさい!!」
「あはは、良いですよ。よくそう言われますし。さて、タルヤ、そろそろ始める?」
「ああ、そうだな、よろしく頼む」
タルヤが24歳なのも結構初耳なんだけどさ。
いや、それよりも、私の印象最悪じゃん。
「...じゃあ、始めますか」
にっこりと、彼はそう言った。
***
「ここの、『魔法陣』の上に立ってください、あっ、腕はこんな感じで伸ばしてください」
「こ、こんなんですか?」
彼の可愛い仕草を真似て、そう聞く。
ちっちゃい、見た目12歳ぐらいの少年が両腕を精一杯伸ばして、そう言っている姿は、例え中身が24歳でも可愛い。
「...はい、そんな感じです!じゃあ、始めますよ、良いですか?」
「おっ、お願いします!」
マルシェルは、にっこりと笑うと、「はい、いきますよぉ」と笑って、手を『魔法陣』にかざした。
「!?」
ぶぅんっ、と鈍い音がして、それから辺りがぼやけてきた。眼の前で、何かを呟いているマルシェルと、その隣でその呟いているのをメモしながら、此方を伺っているタルヤがいた。
視界がどんどん、狭くなっていく。
ああ、私、もう帰るんだなぁ...。
「『...彼女を、元の世界に返し給え!』」
かっ、と光が眼に入ってきた。
***
「...ミ...、サトミ...」
うっすらと眼を開けると、そこには浅黒い男性と、眼鏡をかけた12歳ぐらいの少年がおろおろしながら此方を見ていた。
タルヤと、マルシェルに似てるなぁ。
現代にも、こんな子がいるんだ。こんなところで思わぬ面影を見つけるなんて、えへへ、なんか面白い...。
「...マルシェル...」
「は、はい...」
す、と眼の前で綺麗な土下座をするマルシェル。(?)
「...誠に申し訳ないのですが...『異世界転生』の『魔法』は失敗してしまいました」
「えっ?」
えええぇええぇえええぇぇぇええぇぇぇえええぇ!?
***
「...じゃ、じゃあ、私は戻って来ちゃったんですか」
「は、はい...正確には、『異世界転生』の『魔法』は一回成功したのですが、その後、サトミさんが帰って来てしまったのです」
つまり、彼が説明しているのはそういうことらしい。
「でも、なんで私、帰って来て...」
「分かりません。可能性として、サトミさんがまだ帰りたくないと思っていたから、という場合も稀にありますが...」
えっ、じゃあ私...。
「あっ、でも、体力がない方は戻って来てしまいます。サトミさんは、体力がないとタルヤから聞いておりますので、その可能性の方が高そうですね」
こっ、この子、にっこりと笑って抉るようなことを...。
「その件は良いとして。今回の件、本当に申し訳ありません。タルヤ、信用してくれたのにごめんね」
「ああ、大丈夫、ありがとうマルシェル。きっと、サトミの体力が無さ過ぎたんだ」
タルヤまで...!?
「...じゃあ、私はまだ帰れないってことですか...」
ほっと安堵しながらも、ちょっぴり残念さが。
「あ、そのことですが。サトミさんの体力が足りなくてとのことでしたら、2、3ヶ月ぐらい『王都』に滞在したら如何でしょうか。転生できるような、基礎体力はきっとつくでしょうし、何よりサトミさんは先生になる資格を取りに来たのでしょう?」
宿屋でしたら、下の階が安い宿屋なので手配しますよ、とマルシェルが明るく話す。
「...じゃ、じゃあ、お願いします」
こうして、私の転生チャレンジ(?)1日目は失敗に終わった。
はい、お久しぶりです作者です!!
マルシェル君、合法ショタです!!12歳ぐらいの背丈、見た目、声をしてながら、めちゃくちゃ脳は頭良いです、多分、24歳以上に。
見た目はショタ、中身は24歳!!!
合法ですよ、良いですよねぇ...。何書きましょうか...ふふ。
そう言えば、作者、頑張って紅茶を入れてみました。ドブ水を汲んできたのかと思いました。レーナちゃんなみに上手くなれるよう、練習しなきゃいけません。




