幕間 旅立つ
「「「サトミ、『王都』に行っちゃうの〜?」」」
「う、うん、先生の資格を取りに行こうと思ってね」
子供達の無邪気な声に応える聡美。唯一事情を知っているナウット君は、子供達に囲まれている聡美からちょっと離れたところで、地面をじっと見つめている。
「でも、また帰ってくるなの!だから、皆サトミを応援するなの!!」
ハンナちゃんが拳を握ってそう叫び、子供達がそれに「そうだね」とか「うん、早く帰って来てね」と口々にそう言う。
...もう帰って来れないんだけど。
そう言いかけて、口を噤んだ。
これをこの子達に言うのは、酷すぎる。
「...うん、いってきます」
にっこりと笑って、そう返した。
レーナちゃんやハンナちゃんが丁寧に作ってくれた、自分の一張羅を着込んで、アヘル子爵が手配してくれた馬車に乗る。埃一つ見当たらない馬車の席の手前には、タルヤが乗った。
「「「サトミ、頑張って!!」」」
子供達がそう叫ぶなか、馬車はゆっくりと加速し始めた。
ナウット君は、相変わらず壁に身体を預けている。
そりゃあ、そうだよね...。
もう、会えないんだもん、ちょっと、嫌われちゃった...かも...。
「...ちょっと、寂しいなあ、なんて」
馬車の窓から手を振っていたら、やっぱりちょっと涙が出ちゃって、そう呟いた。
その時だった。
「サトミ!!!!」
「ナ、ナウット君?」
馬車の進む方向に走って近づくナウット君。な、何で...?
「俺ッ...サトミのこと、忘れねぇからッ...これ...!!」
「えっ?」
差し伸べた手に握られていたのは、ブレスレット。ブレスレットに使われたこの紐、もしかして、ナウット君の...。
「俺...忘れねぇよ!だから...サトミもッ...」
息も切れ切れ、最後に叫ぶ。
「俺達のことッ...忘れないで!!」
ナウット君...。
「うん、私も、忘れないよ」
馬車が、加速した。
***
「わぁっ...」
レンガが積み重なった家の壁、至る所にある看板。
これが...。
「これが、『王都』...」
光が差し込んで、その『王都』の全貌を映す。
そして、始まる...。
新しい生活が!!
ナウット君、最後に素直になれたようで良かったですね。
作者はすっかり親モードです。
「最近、面白くないんだけど」と友達に言われますが、最近のは本当に新章への繋げだったので、そりゃあ、ね、という感じです。本当に、ごめんなさい汗
新章頑張ります汗汗汗
新章では、新キャラ続々登場です。
果たして、聡美は帰れるのでしょうか。さて、怒涛の新章が始まります。




