閑話 エイプリルフール
「ねぇ、知ってる?サトミが言っていたんだけど、『一年に一回嘘をついてもいい日』があるんだって」
「そ、そうなの?それ、本当、マジェ?」
「本当よ、サトミが言っていたのだから!!」
マジェは微笑むと、「『エイプリルフール』って言うの」と朗らかに言って、農作業に戻って行った。
「『エイプリルフール』...」
呟いた私は、何故かちょっとにやにやしながら、空を見上げた。
***
こんにちは、ご機嫌よう皆様、レーナ・ボネットです。
あの後、マジェから散々『エイプリルフール』について聞き出しまして、色んなことが分かった...ような気がしなくもないです。
まず、『エイプリルフール』は、サトミの教えてくれた『太陽暦』でいう4月1日です。タルヤの教えてくれた『太陽暦確認魔法』で、確認をしたので、今日が4月1日なのは確定、なわけで...!
「...キッシュに、何かイタズラ出来るじゃない...」
キラキラ眼を輝かせて、そう言った。
しかも、もしそれで怒られても、『エイプリルフール』だから、と言うだけで素敵な言い訳が出来る。なんて良い日なんだろう。
「よぉっし、良い嘘を思いつくぞぉっ!」
ぐっ、と拳を握って、そう叫んだ。
***
「...あっ、キッシュ」
「おう、なんだ、レーナ?」
よし、今だ、レーナ。
予め考えていた、嘘を言ってキッシュを騙して...。
「キッシュ...あの」
実は、うちのお母さんがいい肉を仕入れたから、今日は贅沢なお肉料理なんだよ...。
もし本当なら、すっごく嬉しい話な分、嘘だった時のショックは大きい。この村は、基本的に皆で分け合うから、この嘘に真実味は高いし。
うん、計画的な良い嘘だ。
「あっ、あのねぇ、キッシュ...」
「何だよ、レーナ」
どくんっ、て何かが脈打って。
あっ...あれっ?
私、何が言いたかったんだっけ?
ええ、えぇえ、ええっとぉ...。
「キッシュ...」
「...何」
「...好き」
...。
......。
.........。
............。
あ、あっ、あっっ、あれぇぇぇええぇぇええぇえええぇ!?
わっ、私、今何を言ってぇえ!?
「キッシュ、今のは言葉の綾でッ、『エイプリルフール』って言う、嘘ついて良い日があって...」
「何だよ、なんて言ったんだ?」
...。
き、聞こえていなかった?
ぼ、墓穴...は掘ってないか。
「...何だよ、なんか話があるんじゃないのか」
「あっ、あるわけないじゃないの!!!じゃあねっっっ!」
はぁーっ、失敗した...。
...好きって言うだけでこんなに赤くなるとか、ほんっと馬鹿らしいじゃん!
「私の、間抜けぇ...」
ぱんっ、と頬を叩いて、そう呟いた。
***
「...レ、レーナ、好きって言ってた...」
ああああ、びっくりしたぁぁぁ!
でも、『エイプリルフール』って言ってたんだよなあ...。
本当、びっくりした、俺。
だって...レーナ、こ、告白してきたのかと思ったから。
...なんか、告白して欲しかった、とか思っている?
いやそんな、俺に限ってそんな。
レーナは、ナウットがいるんだし。
はい、新章に行く前に閑話です!!!
レーナちゃん、なんか口走っていません...?笑
ちなみに、作者は兄に「新元号は『夏希』(作者の名前)で決定だね」と某メッセージアプリで話して普通に呆れられました。
まあ、良いじゃない、別に...苦笑




