No.23 思い立ったが
...やばい。
「やっちゃった、ね...」
眼の前に転がっている男性を見て、レーナちゃんと私はそう呟いた。
***
事の始まりは数分前に遡る。
「お前等ッ...下賤の者めが!!汚い手で汚い花を投げるのではない!!」
ああっ、怒っちゃった...。
どうしよう、折角良い感じだったのに。レーナちゃんと一緒に、和んでいる感じだった...のに。
「貴様のような者がいるから服が汚れて...!!」
「...ご、ごめんなさい...サプライズ、で...喜ぶと、思ってたなの...」
「ごめんとお前が言ったところで何になる?価値さえ無いだろう!」
一人、男の子達に混じって花弁を撒き散らしたハンナちゃんが、ぷるぷると肩を揺らしながらそう呟く。涙を浮かべて、弱々しくごめんなさい、と呟いたハンナちゃんを、またも子爵は叱責した。聞こえた範囲で言うのならば、「煩い」と。
「大体お主等は、生産性もない癖に煩いのだ!!下賤者ならば、王族や爵位持ちに税を納めるのが義務であろう!?それをお前等はッ...!!」
...もう聞いてられない!!!!!!
聞き捨てならない!!!!!
「てェェェェイッ!!!」
アヘル子爵の、首の後ろを手で叩く。勢い良く手はアヘル子爵の首の良い所(?)に当たったのか、アヘル子爵はガクリ、と頭を揺らして気絶してしまった。
あっ...。
子爵に、こんなことしちゃった...私。
...やばい。
「やっちゃった、ね...」
眼の前に転がっている男性を見て、レーナちゃんと私はそう呟いた。
そして、話は冒頭に戻る。
***
「...サトミ、これは流石に...」
レーナちゃんが、顔を真っ青にさせてそう呟く。た、確かに、これは...。
「し、死刑...?」
「「「えええっ〜!!!」」」
男の子達、ハンナちゃん驚きで顔が引きつってますよ。
「...かくなる上は、証拠隠滅を...」
「そうなの、レーナ...ハンナ、手伝うなの」
「こら、止めなさいッ、あと薬研下ろしなさい!」
薬研を、倒れているアヘル子爵の上で構えるレーナちゃんと、それに賛同するかのように木の棒を持つハンナちゃんを止める。
流石に、アヘル子爵を殺すのは駄目なのよ、ねぇ!?
「じゃあ、俺の家にでも『監禁』するか...?」
「お、おう、俺のでも...」
「こらっ、止めなさいッ、あとロープ取ってこないで!」
そんなことしたら、親が困るでしょ、止めなさいッ!!!!
「取り敢えず、タルヤの家で介抱しよう!アラン君、ちょっと手伝って...」
「アランだったら重いだろう、俺が運ぶよ」
「ナウット君!?」
ナウット君が、「サトミ、やっぱりサトミはサトミだな」とか意味不明のことを呟きながら、アヘル子爵をよいしょっ、と背中にのせた。
「...やだぁっ、俺も手伝いたい!!」
「あ、じゃあアラン...」
ごしょごしょ、と何か耳打ちするナウット君とアラン君。な、何だか、仲間外れ感が...。
「ていっ!」
「あっ、サトミ」
「何言ってるの、教えてよー!」
間に割って入って、そう叫ぶ。大人気なさ丸出しだが、もうそれでも良いの!何言ってるのか、教えてよー!!
「ああ、えっとね...」
アラン君とナウット君が囁くのを聞く。
あっ。
それって、すごく良いアイディアだよ!
流石、ナウット君!!
「じゃあ、用意しよう!!」
「えっ、今か...?」
「だって、言うでしょ?」
思い立ったが吉日、って!!!
今回は少しボリューム少なめです。ま、まあ、ね...?
さて、サトミ達、一体何をするんでしょうね〜。
ちなみに、作者は思い立ったが吉日、とか書いておきながら、思い立ったが明日派なので、まあ自分がしたいときにマイペースを貫いています。




