閑話 プレゼント
自分でもそれの原理は、分からない。
只、レーナにナウットの話題を話されると、何だかイライラが溜まって、改めて自分はレーナのことがす、好きなんだと納得させられた。
「...今日、レーナの『誕生日』なのに」
自分がそのイライラを、彼女にぶつけたせいで、彼女が悲しんでしまった。
ああ、どうして俺は、こんなにも不器用なのだろう。
思えば、レーナと俺は、昔からの幼馴染であり、良き親友であった。その時は、レーナによく泣かされていたし、俺の方が守られる方が多かったのだが。
いざ、彼女を守れるか、彼女をいかに嬉しくさせるかを考えた時、俺はこんなにも彼女のことを知らなかったことに気づいた。
何時の間にか、彼女は彼女なりに成長していたのに。
俺...なんか、どうなんだろう。
「弱気になるな、俺!」
ぱぁん、と頬を両手で叩くと、「よし」と呟いた。大丈夫、俺ならいける。渡すぐらい、出来る。
「プレゼント...レーナは気に入ってくれるかな」
そう信じたい。
そう思いながら、彼女が逃げた後をついて行った。
***
ナウットは、分かりやすい人だ。
走りながら、俺はそう思う。彼の、サトミを見る時の視線は、熱烈で、すごく想いが篭っていて...。俺も、レーナに向けてそんな視線をたまにするから、ナウットの気持ちが良く分かる。
自分はすごく想っているけど、相手はそんなのに気付かずにいるんだよな、ホントーー...。
レーナが角を曲がった先を、道を真っ直ぐ行った先をついて行く。
レーナに、プレゼントを渡して、さっきのことを謝って...想いを、告げるんだ。
***
「...タルヤ様の、家?」
何故、此処に...?
まあ、取り敢えず、レーナにこれを渡して...。
そう思いながら、タルヤ様の家に入る。此処の家、実はセキュリティが甘いというのをサトミから聞いていたのだ。
声が聞こえる方に向かって、走る。
「じゃ、じゃあ...」
レーナの声だ!レーナは、この部屋にいる!ドアノブに手をかけた。
「レーナっ」
「ナウット...私、貴方が好き...です!」
大きく響く、聞き慣れた声。
...ナウット?
レーナは...ナウットのことが...好き?
ぼそぼそと、話している声が聞こえる。くぐもって聞こえなかったが、その後ガタン、と家具にぶつけたかのような音が聞こえた。
あの部屋は寝室なので、ベッドがある。
...レーナ...。
頬から、涙が滑り落ちる。
「あれ、何で、涙が...」
熱いものが眼から溢れ続け、それを流し続けていた。頬から、差し出しかけたプレゼントの包に、涙が落ちる。じんわりと、雫が包に染み込んだ。
レーナだって、俺のこと、ちょっとは意識してくれているのかと思った。
違った、それは、只の自意識過剰以外の何者でもなかった。
レーナだって...成長、するんだから。
「...プレゼント、渡せれないな」
包は、涙でくしゃくしゃになっていた。
もう、帰ろう。
もう、終わろう。
タルヤ様の家から出ると、雨が降っていた。傘などない、雨の中、外に出る。
もう、この恋心は終わりにしよう。雨水に流して、全てを忘れよう。何も、これからは変わらないのだから。
只、俺から見て片思いだった人が、幼馴染に戻るだけなのだから。
レーナがそれで幸せになるのなら...俺は、もういいのだから。
持っていたプレゼントの包は、水に溶けて消えていて、プレゼントが剥き出しの状態になっていた。
俺は、それをポケットに仕舞うと、雨の中帰路についた。
今日は怒涛の2話閑話連続投稿です、いぇーい!
しかも、さっきの1時間で2話書き続けるだなんて...自分で自分を褒めてあげたいです(聞き苦しいことを聞かせてごめんなさい、どうかスルーしてください)
キッシュ君、やっぱり報われない方に行くのか!?
キャラの扱いに困る作者です。閑話書いていて楽しいです。




