No.11 設計
「タルヤ、それって『学校』のこと?」
「『学校』?そんな名前なのか?雨がしのげる学び舎、という意味なのか?」
...うーん、もしかして、これは『学校』という名前がこの世界では普及していないのか?
まあ、趣旨としては合っているし、『学校』のままでいっか。
「まぁ、そんな名前かな。学び舎だから」
あ、でも、建てるのってかなり時間がかからない?
それに、骨組みとかもかなり考えなきゃいけないし...。
「心配そうな顔をしてるけど、大丈夫だよ、『魔法』があるから」
「...あっ」
そうだったね、『魔法』ならチョチョイのチョイじゃん!!しかも、ほぼノーリスクで出来ちゃうよ!!
これぞ、ノーリスクハイリターン!!
「だから、サトミに設計はしてもらおう、って思ってね」
...
......
.........はぇ?
***
「無理無理無理無理無理無理!!!!!」
え、何ちょっと待って??
タルヤ、私何でも出来るわけじゃないんだけど????
どうやら、タルヤ曰く、「料理も勉強も出来るんだから、設計だって出来るだろ!」と言う話らしい。グッドサインまでされた。
いや、あのね?
素人に任せるのはどうなのよ?私設計の勉強なんてしたこともないし、やってみたいと思ったことすらないのに。
「...サトミ、何叫んでんだよ...」
後ろを振り向くと、ナウット君が呆れ顔で立っていた。どうやらタルヤ家の警備は弱いらしい、物音も立てずに入って来たのはそういうことか。
「ナ、ナ、ナ...!!」
「ナ?」
「ナウット君〜!!!助けてよぉ〜!!!!」
スライディング・ハグでナウット君に抱き着くと、聡美は半開きの眼でアイディアを求めた。
ナウット君が真っ赤になって、倒れたのは言うまでも無い。
***
...えっと、状況を整理しよう。
私は、今の今まで、『学校』の設計図を考えていて、それで、ナウット君が大声を出した私の様子を見に、タルヤ家まで見に来てくれました、と。
そこで、ナウット君は私に抱き着かれ...えっと、気絶(?)をしました?
「...ナウット君も、一応男の子だった、ってことか...」
悟るような口調で言っている聡美、傍から見たら只の変な人である。
「っっっっっっっっ!」
「ふぁっ!?ナウット君!?!?お、おはよ...」
「お、おはよ...?」
きょろきょろ辺りを見回すナウット君、何かにハッと気付いたのか、顔をまた少し赤らめながらも、「で、何を助ければいいの?」と聞いてきた。
「そのさぁ...」
かくかくしかじか、取り敢えず今の状況を伝える。設計図を作らなきゃいけないだなんて、初めてのこと過ぎて、色々混乱...がね?生じてね??
「でね、ナウット君は、何か意見とかある?こう言ったのがいいなぁ、とか...」
「...うーん...」
机に散乱した、在り来りの設計図を見て、ナウット君が首を傾げる。
「そのさ、この設計図とか、すっごい在り来りなんだよな、なんて言うか」
「ぐっ...」
痛いところを的確に付いてくるナウット君、流石です...。
でも、本当なんだよね。
だって、この設計図とかどこでもあるようなものばっかりなんだもん。なんかつまらないし...。
「俺だったら...」
そう言って、ちらりと私のことを見るナウット君。澄んだ瞳が此方を射抜く。な、何だか、無駄に...かっこいい?
「優しい雰囲気で、なんか...それでいて、面白い『学校』が、いいかな」
ふわり、と笑うナウット君。
あれ、待てよ、優しい雰囲気で、面白い...。
......あっ。
「って、こんなの意見にもならないよな!!ご、ごめん、俺じゃ何も...」
「ナウット君!!流石だよ!!」
二度目のスライディング・ハグをしようとする聡美を躱すと、ナウット君はまた赤面顔で「な、なんだよぉ!?」と叫んだ。
「うふふっ、いいアイデアが思いついたんだ!」
「...そーかよ」
「うん、ナウット君にも手伝ってもらうけどね」
「はぁっっっっ!?」
にっこりと微笑むと、ナウット君は持っていた設計図を手から離して、何か言いたそうな顔をした。
はい、更新遅れて本当にごめんなさい。
実は、書いていたデータを、執筆中小説から新規小説に移す途中、誤ってそのデータを消してしまいまして、また一から書き直しになっていました。(物凄く説明下手ですね)
ナウット君、今回はずっと赤らめています。スライディング・ハグの威力が中々強いらしいです。
閑話と本編、どっちも楽しんで書いているんですけれど、どちらかと言えば閑話の方が好きになってくる今日この頃です。




