前•桃太郎物語
初投稿です。正義とは何かをテーマにしました。
むかしむかし、あるところに鬼だけが棲む島がありました。そこでは、漁業や農業が盛んに行われており、のどかで平和な島でした。
あるとき、鬼たちは人間との共存を望み、舟に乗って人間のいる町へと下って行きました。しかし、ツノやキバの生えたその風貌から、人間たちは全然話を聞いてくれませんでした。そればかりか、武器を取り、早く立ち去れと脅されました。人間たちの執拗な偏見にもめげずに何度も何度も説得を試みましたが、いつも結果は同じでした。鬼たちの中には人間に仕返しをしに行く者もいましたが、多くは人間との共存を望んでいました。
そんなある日、ある一人の男が鬼たちの棲む島にやって来て言いました。
「私の村ではみんな鬼を嫌っていて、早く皆殺しにしてしまおうと言っているが、私はそうは思わない。共に仲良く生きていこうではないか。」
その言葉を聞いて鬼たちはたいそう喜びました。その日を境に男は鬼たちと仲良くなり、村へ戻っては鬼たちが心優しいことを話して回りました。しかし、村人たちは聞く耳を持たず、
「お前は鬼たちに騙されているだけだ、行くのはもうやめておけ、喰われるぞ。」
と口をそろえて言うのでした。それでも男は諦めずに説得をし続けました。そんなある日、男はある女鬼と惹かれ合い、女鬼は男との子どもを身ごもりました。男は毎日毎日村へ下り、みなを説得し続けていましたが、あるときから、男が帰ってこなくなりました。しばらく経ち、女鬼から赤ちゃんが産まれました。姿、形ともに人間とそっくりな赤ちゃんでした。そこで、女鬼はこう考えました。この子がきっと人間と私たち鬼との共存を叶えてくれると。そして、願いを込めて赤ちゃんを桃の中に入れ、村の川へと流しに行きました。
そしてその桃は、どんぶらこ、どんぶらこ、と下流へと流れて行きましたとさ…
読んでいただき、ありがとうございます!
至らない点など多々あると思いますので、アドバイスや指摘をしていただけると嬉しいです。