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泣くな青鬼

作者: 友益衛士
掲載日:2017/11/06

久々小説書きましたがが小説ってやはりむずかしいですね。

文章の拙さがもろ出てると思うので、批評感想お願いします。

昔々あるところに、泣いた赤鬼がいた。

これはそんな赤鬼が泣いてから数百の時が過ぎ、人が強くなり鬼を含む妖怪たちが生きにくくなった時代の話である。

加えると此度の話は赤鬼ではなくその友であった青鬼の話。



今でも時々思い出す。

たった一人の友と過ごした時間を。

俺たち鬼は泣く子も黙る程恐ろしく強い妖怪だった。

そんな鬼のなかでも俺はおとなしい方だったし、人間なんかも襲ったり食ったりなんかしなかった。別に腹が減れば別のを食えばよかったし何より狂ったように人間を食べる同族を見ると恐ろしく感じた。まあそれが鬼として当然なのかもしれないが。

そんな俺でも人間は少し力を入れれば勝手に死んでしまう虫みたいなものとしか思っていなかった。だからそんな人間と仲良くなりたいなんて言うこいつと出会った時は冗談の下手なやつだと思ったものだ。

だがそいつと話していると、

あぁ、こいつ本気で人間と仲良くなるきなんだな。

と、おもうようになった。まあ、喧嘩も嫌う程おとなしいやつだった。そんなあいつを同族は臆病者と笑い貶したが、その度に違う!と喧嘩をしたものだ。あいつは人間が持っているような張りぼてみたいな優しさではなく中身のある強い優しさを持っていた。

そんなあいつがある日人間と仲良くなりたいと相談を持ちかけてきたときは本気で協力したいと思った。

俺はどれだけあいつが人間と仲良くなりたいのか知っているし何より、たった一人の友達だから。

だから俺は村を襲い一人悪者になっても全然かまわなかった。

それが原因で一生の別れになっても。




あれからどれだけの時が過ぎたかはわからない。

何度も春が来て、何度も夏がきて、何度も秋が来て、何度も冬が来た。

俺は鬼のなかでも強い方に入るようになり、青鬼の名を聞くと誰もが恐れるようになった。

向かってくる鬼や他の妖怪を追い返しているうちにこうなった。

だが人間だけは、人間だけは襲うことはなかった。襲ってはいけなかった。人間を襲わないことだけが人間が好きだったあいつとの繋がりだとおもったのだ。

まあ人間は必要以上にこちら側に干渉してこなかったこともある。一重に妖怪といっても人間を襲う奴だけではなく、人間の役に立つ奴もいるのだ。

だが最近人間はそんな妖怪も退治するようになってきた。

なんでも陰陽師とか言うやつらが妖怪というだけで退治するようになってきているらしい。

まるで自分達はもうお前ら妖怪には敵う存在ではないかと言うように。

もしあいつに今会えるなら一つだけ問いたい。


お前が仲良くしたかった人間はこんなやつなのか?





人里から離れた深い森の中、普段ならば小動物や小さな妖怪がひっそりと暮らしているだけの静かなところだが今はその面影は見当たらない。

赤く燃える木々や妖怪たちの断末魔。

そんななか一匹の小さな子犬のような妖怪が今退治されようとしている。

黒い上に盛り上がった帽子をかぶった白ずくめの人間。

手には妖しい輝きを放つひとふりの刀。

その刀を今目の前の妖怪に向けんとしている。


「…」


妖怪へ向ける視線はまるで傍らに積もる塵を見ているようだ。

妖怪は震えるしかない。

本来なら同族と共に遊んでいるはずなのに。

その同族も殺され今はただ刀の錆になるのを待つしかない。

人間が刀を振り上げた。

あぁ、自分はもう同族達と同じように殺されるのだと悟り目をつぶった。

肉を斬る音が辺りに響く。

いつまでたっても来ない痛みに何事かと目を開けると。

目に写るのは自分より何倍も大きい青色でした。


「…っ」


何が起きてるのかはわかりません。ただ一つわかるのはのは目の前の青色は自分を救ってくれたのだということだけ。

突然のことにぼうっとしていると


「なにを呆けてやがる、早く逃げろ!」


と言われはっとし、慌てて逃げていった。

青色はそれを確認すると目の前の存在と対峙した。

すると刀をもった者が


「…お主が青鬼とやらか」


と言って来たので青色は


「…そうだ」


と答えた。

すると相手は方眉をあげ面白そうなものを見たようにいった。


「鬼が他の者を庇うとは、珍しいこともあったものだ」


「…これ以上お前らの好きなようにさせるのも癪だからな」


青鬼は吐き捨てるように言った。

目の前にいる相手は今の自分に勝てる相手ではないと悟ってしまった。

さっきの妖怪を庇った時にできた傷で満身創痍。

逃げるだけなら出来ようがそれだと逃げ切れぬ妖怪が殺されてしまう。


何より、人間は殺せない。


そうなるともう道は一つ。

どしりとその場に腰を下ろす。


「…何のつもりだ?」


相手がこちらを見据える。


「どうせあんたには勝てねぇ、ここで潔く散るさ」


「鬼風情が人の真似事か、汚らわしい…!」


怒気を込めた目でこちらを睨む。

そして刀を振り上げた。


――あぁ、もう死ぬのか――


――どうせなら最後だけでもあいつと酒を酌み交わしたかったぜ――


刀を降り下ろすその瞬間。

赤色が青鬼の視界を覆った。


肉を斬る音が辺りに響き渡る。


青鬼の目は驚愕に染まった。


倒れる赤色を受け止める。


――何で――


「何でお前がここにいるんだよ、赤鬼!」


赤鬼は力なく笑う。


「…青鬼がどっか行くからだろう?」


赤鬼の体から力が抜けていく。


「…あれからさ、人間と仲良くできたんだ。とても嬉しかった。でもそのあと青鬼がいなくなったって知って悲しかった」


青鬼は言葉出ない。


「僕の夢を笑わず聞いてくれたのは君だけだったんだ」


赤鬼の目の焦点が会わなくなってきた。


「そんな君がいなくなっちゃ、人間と仲良くなれても意味ないよ」


「まさか!お前、あれからずっと…!」


赤鬼は頷く。


「青鬼の噂は僕の耳にも入ってきたからね、見つけるのは遅くなっちゃったけど」


「もうしゃべるな!死んじまうよ…」


「大丈夫さ…ねえ青鬼、知ってる?地獄には鬼がいるんだよ。たくさん鬼が、ここで死んでも地獄に帰ってくるだけだよ。ねえ、だからさ、…青鬼…」


――泣くなよ…――


その言葉と共に赤鬼は消えていった。


「…下らぬ茶番で時間をとらせよって、鬼ごときがなにを語るか。さて、次はお前だ、青鬼」


青鬼はのそりと立ち上がる。


「なんだ?仇討ちか?最の鬼は人の真似事が流行りらし――」


その言葉は青色の咆哮にかきけされた。





それからその咆哮は三日三晩続き、それはどこか泣いてるように聞こえたと言う。


―――完―――



これを書くきっかけは泣いた赤鬼を思い出したときに頭のなかに泣くな青鬼って題名が出てきたからです。

書いてみたら思っていた以上に難しかったです。

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