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プロローグ 「闇は光でよく映える」
自転車は突然のブレーキに金切り声をあげる。
しかし、僕はそんな自転車により深くブレーキをかけた。
かけようとした。その時、僕は確かに聞いた。
スコッ。
「あ。」
悲鳴は止み、それと同時に減速しかけていた自転車は嬉しそうに体をくねらせながらスピードを上げて、海沿いの国道へと向かう。
面白いね。俺の遺言「あ。」なのかよ。18年生きて来て、それなりに頑張って生きてきて、「あ。」かよ。まあ、辞世の句があるかと言われれば、無いんだけども。ああ、死にたくないな。とか思っているうちに横切る車の10メートルくらい前だ。この前、大学の合格通知が来たって言うのに。これじゃ、予備校でかかったお金は無駄になりそうだ。ごめんね、母さん。母さん、育ててくれてありがとう。…あ、辞世の句が出来た。
「死ぬのかな。」
後ろから声がした。
そうだよ。死ぬんだよ。今から。
…ってか、後ろに乗ってるお前は
誰?
振り向こうとした時、視界は乱暴に不規則に天地を動き回り、間もなく一寸の光も無い闇に隠された。




