自宅警備員が冒険者に選ばれたら
「転送完了。ようこそ新規冒険者ここでは動作の確認、
疑問の解消、その他色々とできます。
それではまずスキル獲得から説明いたします。
メニューを表示してください。」
「はいせんせー」
「先生?何を言ってるんですかあなたは?」
「...質問なんだが、どうしたらメニューを開ける?」
「そんなこともわからないんですか...」
なんか知らんが呆れられた。
操作もわからないのにそんな常識を知らないとは
みたいな反応を取られても困るんだがなぁ。
「困ると言われましても基本操作ですので。」
「んじゃあ教えろください。」
「念じるのです。」
「はい?」
「念じてくださいそうすれば開けます。」
どう念じろってんだクソAIめ、
説明が足りねぇんだよ説明が。
「...一応言っておきますが全て丸聞こえですよ?
ぐだぐだいってないで早くしてください。」
「はいはいわぁーりましたー」
よく分からなかったから適当に念じてみた。
すると目の前に画面が出てきた。
「よくできました。えらいですね。」
感情のこもってない声と拍手が聞こえる。
それがすごい馬鹿にされているような気がして、
無性にイライラする。
「メニューを開いたらスキルというところがあるはずです。
それを押してください。」
押せるのか?と疑問に思いつつも画面に手を近づけて
スキルを選択した。
「スキル:飛翔 とスキル:空中浮揚 習得してください。」
「これは何が違うんだ?」
「飛翔は自由に飛び回ることができますが、
ゆっくり下りたり、その場にとどまることができません。
そのための補佐スキル空中浮揚が必要なんです。」
面倒くせぇな...統合すればいいのによ
「そう文句を言わずにさっさと習得してください。」
「はいはい。」
「返事は一回です。」
「はーいw」
「...」
瞬間頭の上に何かが落ちてきた。
「痛ってぇ!?」
鈍い音を立てて頭を直撃したのはタライだった。
なんてやつだ...こ、こんなの痛いに決まってる...
くらくらする...
「ちょうどよく体力が減りましたね。
スキルの習得及び使用の前にアイテム使用をしましょう。
先ほどのような感じでメニューを開いて下さい。」
「くそ...ちょうどよくじゃねぇだろ...」
「もう一撃欲しいのですか?さっさとメニューを開けください。」
もう怖ぇえよこいつ...
とりあえず今回はいうことを聞くことにした。
「最初からそうすればいいものを...回復薬を支給して起きましたので、
使用して回復してください。」
先ほどの要領で使用してみる。
すると...
「痛みが引いた...!すげぇ!」
「すごい頭が悪い感が半端ないですね。」
「うるせぇ黙ってろ!んで次どうすればいいんだよ?」
「...」
「おい?聞いてんのか?」
「...」
「なんか言えよ!?」
「黙ってろと言われたものですから、黙ってました。」
「はぁ...もういいや...
さっさと次にやることを説明してくれ...」
「分かりました。では次に飛翔とについてです」