昼・目眩
ここ三年ほど、病気で学校を休んだことはない。
「頑丈になってきたのかねえ」と親は喜ぶ。小さい頃は細くて弱々しかったのに、最近はふっくらしてきちゃって安心した、と。年頃の娘(いちおう生物学的には)にかける言葉としては一言余計だが、私自身体が強くなってきたのは嬉しい限りである。
それでも、たまに体調の優れない日もある。もともと喉が弱いので、風邪かと思いきや扁桃炎だった、というしんどい事態もこの前あった。ケガはしょっちゅうする方だが、過去には頭を打って数日後に頭痛が……なんてこともあった。
今日もそうだ。あまり気分が良くない。特にどこが痛いわけではないが、貧血気味なのだった。朝、布団から起き上がった瞬間クラッと来た。
それでも午前のうちは「なにくそ!」と無駄に元気を奮って生きていたが、本当にそれは無駄なエネルギーの消費であった。不必要にウロウロしたり、いきなり掃除機をかけ始めたり……。ほどなくして私は、部屋の地球儀をなぎ倒す格好でぶっ倒れてしまったのであった。
そんなわけで今、私はソファで寝込んでいる。暇で仕方ない。
今友達が遊びの誘いをかけて来たら、暇なあまりにフラッフラのまま飛び出して行きそうな気がする。そしてまたぶっ倒れてしまうかもしれない。
極めつけに、フラフラのまま夜景は見られない。屋上に上がったら絶対に転落する自信がある。それぐらい目の前がグラグラしている。
全体的に好きなことの妨げになる、病気が私は大嫌いだ。
余談だが、さっきまで某動画サイトで動画を見ていた。ひたすらキャラクターが坂道を転がる動画だ。
キャラクターはバウンドして豪快に転がり落ち、目を回している。それを見ているイチ視聴者は、転がってもいないのに目を回している。画面の中とリンクした、などとつまらない冗談を口にしつつ、今回はここで終わる。
今日はゆっくり休んで新学期に備えます。また次話もよろしくお願いします。