第7話 空腹と選択
火葬するため夜通し起きていたルーシーとノルンは、木を背もたれにして眠っている。
村は無くなったけど吸血鬼の血界の効果はまだ残っているから魔物などに襲われることはない。
ただ数百年もの間発動していたので少しは弱まっているようだ。
人間と裏山にいるスライムやトレントなら問題なく効果を発揮するけど、あの黒い魔物みたいに魔力が高いと簡単に侵入できてしまうらしい。
太陽が丁度真上に上ったくらいの時間に起きた二人は次にどうするかを考えた。
普段から甘やかされ、村の外に出たのは昨日が初めての五歳児と、下界のことは頻繁に見ていたけどその殆どが食べ物や可愛い娘達で、現在神の力を無くしただの人間となった女の子の二人には何をしたら良いのかが分からなかった。
うんうん首を捻りながら良い案が浮かばないかと必死に頭を働かせていると「くきゅぅ」と可愛い音が二つ鳴った。
一人は恥ずかしそうにお腹を抑え、もう一人は意味が分からず首を傾げた。
昨日から何も食べてないので当然だろう。
ノルンはルーシーから「お腹が空いて音がなったんだよ」と教えられ、お腹の違和感に「これが食欲かぁ!?」と嬉しそうにぴょんぴょん飛び跳ねる。
音が鳴るたびにお腹を抱えて笑う様子にノルンちゃんは本当に可愛いなぁとルーシーがニマニマしていた。
僕たちはご飯を食べることにしたけどすぐさま頭を悩ませる事になる。
「何も無い……」
そう、今のヤスナ村には食べる物が何一つ残っていない。
火葬をしている最中、畑を見るとそこにも血の海が広がっていたから一緒に燃やしたのだ。
家が残っていたら干し肉などもあっただろうが、早く苦しみから開放してあげたくて頑張ってしまったのが原因だったりする。
現在ヤスナ村の食料問題は危険域を完全に超え二人の死活問題になっている。
そこでお祖父ちゃんが最後に言っていた事を辛うじて思い出すのに成功した。
「そうだ、ソレイユに行こう」
あそこには食べ物も一杯あるし、イリアお姉ちゃんも居る。
何だったらちょっと怖いけどお祖父ちゃんのお友達が住んでる家に行ってもいい。
とにかく僕はご飯が食べたいのです!
「ルーシー、行くのは良いけどさぁ、馬居ないよぉ? ――まぐまぐ」
嘘だよね?
だってソレイユまでは朝早くに起きて、ご飯も食べて、早いお馬さんに乗っても途中でお腹が空いて、途中お肉を食べて、お昼寝して、着いたときはお日様が半分くらい落ちてたんだよ?
なのにお馬さんは居ないし、お肉もないなんて絶対無理だよぉ。
ルーシーはどうしようもない現実に膝と手を着いて項垂れた。
「馬は居ないけどぉ、ボクがいるから元気出そうよぉ。――むぐむぐ」
ノルンちゃんに乗ってもお馬さんより早くは走れないと思うな僕。
それよりさっきから言葉の最後にまぐまぐむぐむぐって聞こえるけど何だろう?
もしかしてノルンちゃんのお腹の音かな変わってるね、くらいに思い音のする方へ向いてみた。
すると太くて長い先が膨らんだ物を口に入れ、もごもごさせている最中だった。
「何してるの……ノルンちゃん?」
「んー? 前にねぇ、森で遭難してた男が拾って食べてたのに似てたからボクも真似して食べてみてるんだぁ」
そう言って木の根元辺りに生えているそれを「もぎっ」と採り、指先から出した火で炙ってから口の中に入れ、まぐまぐむぐむぐしていた。
太くて長い先が膨らんだ物は香ばしい匂いをさせて僕のお腹に直撃した。
今直ぐにでも口に入れたいそれは多くはないけどこの辺り一帯で採れる『ヤスナ茸』だ。
ルーシーはこの前の誕生日の時に食べたあいつか!! と思い出しノルンに手を差し出した。
――ぺろん
「違うよ! 舐めて欲しいんじゃなくて僕もそれが食べたいの!」
いきなり指を舐められたことに頬を膨らませて反論すると、ノルンはキュピーンと眼を光らせ今炙っていたヤスナ茸を小さく裂き口に咥え突き出した。
「このまま食べろってこと?」
まさかと聞いてみたら物凄い勢いで首を縦に振った。
目を瞑って「ん~」っとまた突き出される。
なので僕は遠慮なくそのまま食べた。
キスしちゃったけどノルンちゃんなら嫌じゃないので問題ない。
ノルンちゃんは恍惚として我を忘れたように咥えては食べさせ咥えては食べさせを繰り返した。
漸くお腹が満たされたときにはハァーハァーと息を荒げ眼をハートにし、食べ尽くしたヤスナ茸を必死に探すノルンちゃんが完成した。
その姿に大好きだけどちょっと怖いなと僕は思った。
お腹は満たされたけど直ぐにソレイユへ行くべきだろうか。
それともヤスナ茸か他の食材を探しに山へ入るべきだろうか。
「ヤスナ茸、はっけぇ~ん♪」
諦めずに違う場所を探していたノルンちゃんがヤスナ茸を手に戻ってくると、また炙って僕に食べさせようとしたのでまたお腹が減ると困るから取っておこうねと提案する。
自分で言っておいて何だけどお預けされしゅんとしてしまったノルンちゃんが可愛そうだった。
「一本だけね」
一本といえど許しが出たことで瞳に輝きが戻るノルンちゃんに、仕方ないなと思いながら既に炙ってしまったヤスナ茸を彼女の手から奪い取った僕は、ヤスナ茸を小さく裂いて咥えるとノルンちゃんと同じように口を突き出す。
ただ、少し恥ずかしかったので眼は閉じることにした。
傍から見るとルーシーが爪先立ちで上を向き、キスをせがんでいるような姿にノルンの興奮は絶頂を超え、彼女は弧を描くように鼻血を吹き出し仰向けに倒れてしまった。
――――
あれから一時間、ノルンちゃんは未だ復活せずニヤニヤしながら寝ている。
初めこそ揺すったりほっぺをぷにぷにぺちぺちしたりして起こそうと努力したのだが、身体をもじもじさせて「ルーシー、そこはダメェェェエ」とか、「ボク壊れちゃうぅ」などと叫びだしたので、怖くなった僕は起こすのを止め、今一人で考えている。
食べ物はヤスナ茸が二本、水は小川の少し上流に湧き水の出る所があるから心配ない。
時間は掛かるけど直ぐにソレイユに行くことはできる。
できるけど今お日様は山の上に居て、もう少ししたら空が甘くてちょっと酸っぱいナキムの実の色になっちゃうから今日は行かないほうが良いかもしれない。
夜になると魔物に会いやすくなっちゃうからね。
となると夜もご飯が必要だからヤスナ茸は無くなるわけで、明日また食べ物探しから初めないといけない。
ノルンちゃんが二カ所目のヤスナ茸を探し当てるまでには結構時間が掛かった。
村周辺にはもう生えていないかもしれないから森に入らないと駄目だろう。
でも森には危険が一杯あるから大人の男の人以外は入っちゃいけないってお祖父ちゃん言ってたし……どうすればいいんだろう。
誰かが助けに来てくれないものかと可能性のある人を思い出してみたが、村の外の知り合いといえばイリアお姉ちゃんしかいないし、今まで村に来たのを見たことないから来るわけもなく……万策尽きたと思っていると知り合いが他にも居ることを思い出した。
「そう言えば真琴お兄さんはどうなったのかな」
一緒にエリートを目指すと言ったのにどうやって会えばいいのかさえわからない。
朝寝た時も夢を見たけどお兄さんは居なかった。
僕の前世らしい人の事を考えていると急に何処からか声が聞こえてきた。
『右っ! もっと右向けよ!』
右? 声に従って向いてみるけど、そこには僕に足を向けて寝ているノルンちゃんしか居ない。
『よっしゃあ! 次は少し身体を後ろに倒してみようか……そうあと少し……キタ――――!!』
言われるまま身体を仰け反らせてみると、視界に入ったのはノルンちゃんの綺麗な足だった。
腰のあたりまで切れ目の入っているスカートは太股まで捲くれ上がり、シミ一つ無い白い肌を露わにしている。
綺麗な足に見惚れ、目が離せない中、段々と顔が暑くなって胸もドキドキしてきた。
衝動的にもっと見たいと思った僕は更に身体を反らすと下から上まで見て、最後に足とスカートの隙間から黒い下着が見えているのに気付く。
瞬間、火が着いたように顔が真っ赤になり、頭からは湯気が出始め、同時に咆哮のような声が頭の中をこだました。
咄嗟に耳を塞いだのに聞こえ続けるそれはどうやら頭に直接届いているようだ。
それによく聞けばこの声は知っている。
さっきまで考えていたお兄さんの声だった。
暫くして咆哮は終わり、僕は確認のため伝わるかわからないけどお兄さんの名前を呼んでみた。
「真琴、お兄さん?」
頭に直接聞こえたというのは単なる勘違いで、側に居るだけかもしれないと思い周囲を確認していると反応があった。
『……もしかして俺の声聞こえてるのか?』
さっきまでの興奮した様子は何処に行ったのか。
お兄さんだろう声の人はおずおずと質問に質問で返してきた。
「うん、聞こえてるよ」
先に答えた方が話が早く済みそうだったから正直に答えた。
『いつからだ』
「えっと、右っ! もっと右向けよ! からかな」
記憶力は結構良い方だと思う僕はついさっき聞いた言葉を間違えること無く言い切った。
『最初からじゃねぇかよぉ~』
どうも聞いたらいけなかったみたい。
姿が見えないけど恥ずかしくて顔を隠しているのが手に取るようにわかる。
でも仕方ないよね、頭に直接聞こえるんだから。
僕は完全に悪くないとわかったところでもう一度質問する。
「答えたんだから僕の質問にも答えてよ。真琴お兄さんで合ってるんだよね?」
『ああ、真琴お兄さんで合ってるよ。てか真琴お兄さんって長くないか? 呼び捨てでも何でも好きに呼んでいいぞ』
僕の考えは正しかったみたいで声の主は真琴お兄さんだと判明した。
真琴お兄さんは頭が良いからきっと助けてくれるに違いない。
そう思い、次に僕は真琴お兄さんの呼び方について……考えるまでもなかった。
「じゃあ、まこちゃんね」
即答すると「よりによって」と聞こえた。
何でも良いって言ったのだから訂正なんてさせない。
断られる前に話を進めることにした。
「ねぇ、まこちゃん。僕達今ね、食べ物が少なくて困ってるの。どうしたら良いと思う?」
『……大体の事情は眼を通して見てたからわかってる』
長い溜息に怒られる覚悟を決めてみたけど、諦めただけのようで普通に話しだした。
前会ったときも思ったけど、やっぱりまこちゃんは優しいな。
『ソレイユに行きたいようだけど、食料があってもあの道程を乗り物無しで行くとなったらルーシーにはちょっとキツイ。魔物も出るって言ってたしな』
僕の眼から外を見ているというので、てっきり別れた後からの出来事しか知らないだろうと思っていたけど、まこちゃんと僕は記憶を共有しているらしい。
なのでソレイユに行ったときの事も知っていて、結果僕の力だけでソレイユに行くのは厳しいと判断したのだろう。
『いっその事ソレイユに行くのは諦めたらどうだ?』
ソレイユに行く以外の選択肢は無いと思うんだけど。
それともヤスナ茸みたいにまだその辺に食べ物があるというのだろうか。
考えても思い当たらないので話を進めることにした。
「でも食べ物が無いからソレイユに行かないとお腹すいちゃうよ」
『無ければ探せばいいだろ。裏山には動物も食べられる草も、それこそヤスナ茸だってまだ沢山あるはずだ』
「子供と女の人は森に入っちゃ駄目って言われてるもん」
森に入るのは自分でも考えた。
でも男の大人以外は入ってはいけないと言われている。
『はぁ、今は緊急なんだから大好きなお前の爺さんも許してくれるさ。それこそ自分との約束のせいでお腹すかせてるって知ったら悲しむと思うけどな』
図星を突かれたルーシーは「うぐぅ」と情けない声を出し反論できなかった。
森に入れば約束を破り。
お腹を空かせれば悲しませ。
かといってソレイユにも行けない。
上手くいかない悔しさにルーシーは涙を浮かべ今にも泣きそうになりながら答えを出した。
「……森に……入ります」
約束を守らないと悪いことが起きるのはもう理解してる。
でも今は生き残るための知恵を手に入れなければいけない。
僕は自分が悪いことをするよりお祖父ちゃんを悲しませない方を選んだ。
ごめんなさいと天国にいる大好きな人に祈りを捧げ真琴に森に入ってからの説明を聞いた。
『まず動物だが素人がそう簡単に捕まえられるものじゃない。あいつらは変化に敏感だから慣れるまでは直ぐに気付かれるだろう』
「最初は果物とか茸とかを探せばいいの?」
『そうだ、この村の食事は七割が裏山からの恵みで成り立っている。だが俺はこの世界の人間じゃないし、食べられるかどうかはルーシーの記憶にある調理された物から判断するしか無い』
「殆どわからないってこと?」
『……否定はしない。記憶を見れるといっても味や臭いはわからなかったからな』
せっかく森に入る決意をしたのに、入っても成果が殆どないとは……。
でもわかってて僕に森へ入れと言ったんだし何かあるんだろう。
何もしないよりはマシだ。
『でだ、俺にもルーシーにも出来ないならもう一人に頼ろう』
もう一人と言われて僕はノルンちゃんを見た。
確かに何でも知ってそうだ。
だって元神様なんだもん。
そう思い本気で起こしにかかった。
「んぅぅぅ、うひゃん、ぷっぷくくく、んみぃ――」
身体をゆさゆさ、耳に息をフー、腋をコショコショ、ほっぺをムニ~。
「まこちゃん、起きないんだけどどうしよう」
何をしても起きてくれないノルンちゃんに僕は降参と両手を上げ、まこちゃんに助けを求めた。
『嘘寝だ。耳元で起きないと嫌いになるとでも言ってみろ。すぐに目を開けるから』
半信半疑だったけど他に方法がないので耳元に口を寄せた。
でも嫌いになるなんて嘘でも言いたくなかったから少し変えることにした。
「ノルンちゃん、起きてくれたら僕、もっと大好きになるよ?」
最後にほっぺへキスすると嘘のように飛び起きた。
「ボクも大好きだよぉ。もっとキスしよぉ。ねぇねぇ早くぅ」
抱きしめられて逃げられない僕は口に手を当てノルンちゃんからのキスを防ぐ。
「ぶぅー、もっと好きになってくれたならキスくらいしてくれてもいいのにぃ」
頑なに拒む僕にプンプンと怒るノルンちゃんはとっても可愛い。
けど今はダメなんだ。
さっきからまこちゃんが嬉しそうに叫んでる。
このままだと僕を通してまこちゃんがノルンちゃんとキスしたことになってしまう。
嫌われても死守しなければいけないのだ。
イヤイヤを続けるルーシーが変だと気付いたのか、ノルンは意図を汲み取ろうと顔をジッと見て観察を始めた。
「ははぁん、なるほどねぇ。ボクとしたことがやっと思い出したよぉ」
「パチン」と指を一つ鳴らすとまこちゃんの声が聞こえなくなった。
「さ、これで邪魔者は居なくなったからぁ、キスしていいよねぇ」
邪魔者とはまこちゃんの事だろうか。
思い出したって言ってたし元々知っていたのかもしれない。
安心した僕が口から手を離すと猛獣と化したノルンちゃんに襲われた。
舌が入ってきたときは驚いたけど、何だか気持ち良くて抵抗できずされるがままだった。
数十分後、漸く満足したようで口を離すと二人を結ぶように銀色の糸が引いていた。
ノルンちゃんの肌はとてもツヤツヤしている。
僕はといえば気持ちよすぎて力が入らず、身体をピクピクさせて起き上がれないでいた。
ちょっと癖になりそうと思ったのは内緒だ。
――――
力が入るようになった僕はノルンちゃんを交えて話し合いをするため、まこちゃんと話が出来る状態に戻してもらうことにした。
同じように「パチン」と指を鳴らすと、まこちゃんの不満そうな声が聞こえてくる。
『随分とお楽しみだったようで羨ましい限りだな、まったくよ』
多分口振りから何が起きたのかは僕の記憶を見て知ったんだろう。
まこちゃんは僕が襲われている間は暗い場所に隔離させられてたと言っている。
指を鳴らしたときに何かをしたんだと思うけど僕にはわからなかったので本人に聞いてみた。
ノルンちゃんが言うには感覚共有は意識を集中すれば簡単に遮断することができるらしい。
挑戦してみたけど、いくら集中しても僕には遮断できなかった。
真琴が一頻り不満を言い終えたところで本題に入る。
『ノルンさん、魔術はどの程度使えるんだ?』
「ボクかい? さぁどうかなぁ。まだ火属性の初級魔術しか試してないからわからないけどぉ、上級までなら普通に使えるんじゃないかなぁ」
今二人は普通に会話してるけど、まこちゃんの声は本人が意識すれば他の人の頭の中にも直接伝えることが出来るらしい。
相手がまこちゃんという存在を意識しないと拒絶されるから、好きに会話ができるわけじゃないけどね。
『例えば先が鋭い岩を地面から突き出すとか、風の刃を飛ばすとかは出来るのか?』
「その程度は初級魔術の範疇だからぁ、練習すればルーシーでも使えるよぉ」
『どの位で使えるようになる。一番簡単なので構わない』
「相性にもよるけどぉ、早くて今日中、遅くても数日中には使えるはずさ」
すぐに魔術が使えることに僕は興奮した。
練習だって頑張ってみせるとお祖父ちゃんに誓うよ!
瞳に炎を宿してやる気満々のルーシーを見てノルンは笑みをこぼした。
『ルーシーに相性が良いのはどの属性なんだ?』
それは僕も聞きたい。
火葬のとき火炎球の詠唱をしたけど全く出なかったからだ。
もしかしたら僕は火属性との相性が悪いのかもしれないし。
「うーん、闇属性が一番相性がいいね。だってルーシーは吸血鬼だもん♪」
そっか僕吸血鬼になったんだったね。
髪と瞳が変わっただけで他にそれっぽい事してないから忘れてたよ。
因みに相性が悪いのは光属性だけで他は普通より少し良いくらい。
唯一悪いというか適性無しの光属性には治癒魔術とか解毒魔術などが該当する。
王級の治癒魔術ともなれば無くなった腕も治る程だ。
使えないのは残念だけど吸血鬼なんだから仕方がないよね。
再生能力があるだけマシと思っておこう。
『よし、じゃあ闇属性魔術の練習で決まりだな。すぐにでも始めてくれ』
「僕頑張るよ!」
こうして僕はソレイユには行かず、ノルンちゃんに魔術を習うことになった。