神頼み
前に書いた祈願成就とタイトルが被った気がする
男は焦っていた。
大事な要件があって何が何でも朝一番に出発する飛行機の便に乗らなければならなかったのに、空港へと車で向かっている最中に道路を塞ぐほどの渋滞に嵌ってしまい、抜け出せなくなってしまったのだ。
時間はまだ出航時間になってはいないものの、一向に全く進もうとしない渋滞が解消される様子はない。このままではどうあがいても飛行機に間に合いそうにない。男はどうにもならなくなって神に祈りたい気分になった。
すると、男の願いが通じた。天から神様を名乗る声が降ってきたのだ。
その神様は、男の願いを叶えた。
ふと男が気づくと、いつの間にか車の運転席から乗る予定だった飛行機の座席へと着席していたのだ。
こうして男は、予定していた飛行機の便に間に合うことが出来た。
男は神様にとても感謝した。助けていただきどうもありがとうございますと。
すると感謝する男に神様からこんな返事が男にやってきた。
「いえいえ、どういたしまして。私は死神です。貴方はこの飛行機の墜落事故で死んでしまう予定でしたので、間に合ってなによりです」
死神が男にそう告げた直後、飛行機は離陸した。