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四神獣記  作者: かふぇいん
赤の国の章
102/199

これから

 夕刻になると忙しさも一段落したようで、日の暮れる頃に南王に夕餉に呼ばれた。都内外の被害は軽微で、明日には集落と都の代表者と、王を交えて話し合いが持たれるという。

「人々の数に比べて、城壁が小さいのが問題だったのよ。何せ、もう何代も前の王が造らせた城壁なのだし」

 食卓を前にくつろぎ、南王は言う。疲れた様子ではあったが、表情にはようやく安堵が見えた。開け放たれた窓からは宵の風が吹き込んで、青草の匂いを運んでいる。昨日のような災禍(さいか)の臭いはない。

「あの、集落の人達はどうなるんですか?」

 隣に座るファンが心配そうに尋ねる。先ほどまで仮眠をとっていたからか、急いで結い直した髪には癖がついている。

「話し合いにもよるけれど、しばらくは城壁を新設する手を頼むつもりなの。都の人々と交じって。それが終わるころにはそれぞれに道が見えると思うわ。彼らの中には腕のいい細工師がいるようだし」

「毒があるとはいえ、見事な細工物だったの」

 南王の隣の席には朱雀が座っている。奥の神域にいれば使った力もすぐに戻ろうが、何か食べたいと出てきたらしい。椅子に座り足を揺らしているその様子を見ると、昔のような苛烈(かれつ)さはなく、ただ見た目通りの子供らしさを感じる。

 南王の答えを聞いて、ファンは安堵したのだろう。乗り出していた身を引いて、椅子に座り直した。全員が座ったのを見て、南王が微笑む。

「じゃあ、食べましょう。久しぶりに飲もうと思うけれど、シン、貴方は?」

「良いものがあるなら、そうしよう」

 応えると、朱明が椅子を揺すりながら言う。

「余と少年にも良いものをくれぬか。ああ、酒は困るぞ」

 ひとしきり笑い、南王は盃を差し上げる。

「朱なるこの地と、中つ国一円の平和を願って」

 乾杯の声に唱和し、シンは杯をあけた。

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