表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊事典  作者: 東雲 小百合


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/2

1. 風の精霊

きみがこんなところまで来るなんて珍しいね。

ぼくに聞きたいことがあるんだって?


えっ、精霊たちについて知りたい?

学園の講義に使うからって?


そういうのは、ぼくじゃなくて世界樹の精霊に頼みなよ。

・・・ああ〜、ぼくを通して色々と情報を集めて、最後に彼女にまとめてもらうつもりなのか。

それなら手伝ってあげるよ。なんだか面白そうだしね。


それで、まずはぼくの番なんだね。ぼくは何を話せばいいのかな。

自己紹介して欲しいって?


ぼくは大気の精霊。風の精霊の中で一番魔力量が多いから、なんだか代表みたいな扱いをされているね。

名前?・・・人間がつけた名前ならいっぱいあるよ。アトモスフィアとかブラストとかヴァンとかエアリアルとか。

精霊たち同士で一番呼ばれるのは、ムオルかなぁ。ぼくの固有名ってやつだね。


得意なことは何かって?

また、変なことを聞くよね・・・そうだなぁ。空気を使うことなら何でもできるよ。


例えば、声を使った会話は全部覚えているから、人間たちの使う音声言語は全て使える。文字や無声言語は習わないとできないけど。

情報収集も得意だよ。ぼくは、空気のあるところならどこにでも行けるからね。秘密の話をこっそり盗み聞きもできるし、よほど難しい暗号を使って話しているのでもなければ、全部ぼくに筒抜けだね。


攻撃はできないのかって?

まぁ風を使って転ばせたりとかかな。あとは・・・人間の周りから空気を奪って殺す、なんてこともできるよ。

竜巻で辺りを吹き飛ばすとかも、やろうと思えばできるけど、別にする意味もないしなぁ。


・・・怖いって?自分から聞いておいて、身勝手だなぁ。

まぁきみのいうとおり、攻撃よりも防御や補助が得意なのは間違いないよ。

それで、他にまだ何か聞きたいことはある?


・・・えっ、どうして風の精霊はみんな帽子をかぶっているのか、だって?

んー、別にこれは決まりって訳でもないし、単なるブームだったんだけど、みんな何となく気に入っちゃったみたいだね。


風の精霊は、他の精霊と比べてもよく移動するし、昔から人間と関わる機会も多かったんだよ。

それで、まぁ定番のお遊びとして、草原とか荒野を歩いている人間に風を吹き付けて、持ち物を吹き飛ばす遊びがあるわけ。

え?ひどい?・・・まあ、たまに山とか海とか砂漠とかでやって人間を死なせちゃうやつもいるけど、普通はお遊びだから、本当にちょっと持ち物を吹き飛ばすだけだよ。


とにかく、そのお遊びをする時にさ、帽子ってすごくいい獲物なんだよね。

マントとか荷物とかは大抵身体にしっかり括り付けてあるけど、帽子はそうでもなくて、よくて紐で結んでる程度だろ。

それでいてちょうどいい大きさと重さで、何より風をはらんでよく飛んでくれるからさ。

思いっきり風を吹き付けて、帽子を高く遠くに飛ばすの、本当に楽しいんだよ。一度、きみもやってみたら?


・・・全然共感できない?物を飛ばされる方の気持ちにもなってみろって?

ははは、まあ、人間と仲が良いやつらもそうやって気の毒に思ったんだろうね。


だから、自分で帽子をかぶって、暇な時は自分に風を吹き付けて飛ばして遊ぶようになったんだよ。

飛ばした帽子をまた自分の方に風で引き寄せてもいいし、自分が風に乗って一緒に飛んだり、帽子を追いかけるのもすごく楽しいんだ。


・・・どう、きみもやってみたくなった?

やりたかったら、今度ぼくと一緒にどこか高く遠くまで飛んでみようか?世界の果てまでだって飛ばせてあげるよ。

・・・ふふふ、やめておく?


そろそろ別の精霊にも話を聞きたいって?

そうだね、じゃあ今から一緒に行こう。

ぼくもついていって通訳してあげるよ。人間は、あまり精霊の言葉を話すのが上手じゃないものね。


せっかくだから、ちょっと思いっきり飛んでいってみようか。しっかりつかまっててね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ