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私は文官になりたいのに、口先だけかまってちゃんが税金で貢いできてキショイ  作者: ハムウサギ


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番外編⑥:クレアの植物探検隊

これは裸の王様の誕生日祭りの影響で、世間がドタバタしていた頃のお話。


新型魔法陣の発明などで誘拐などの危険性があったクレアは、誘拐などができそうな能力を持っている団体や貴族が、裸の王様兼狼オジサンのせいでドタバタしている隙に、探索に出かけることにしたようだった。


護衛として、光魔法に覚醒して戦闘力としては王国トップレベルになっているグレイスもついてきている。光魔法に覚醒してからは、第二学園ではなく、防衛都市マーウデンにいることが多かったが、今回はクレアが人見知りを発揮しない相手で戦闘力が高い、という理由で護衛のために王都まで転移ゲートを使ってきていた。


「クレア、今日はどこにいくんだ?」

「王都の南西にあるタルナ島です!」

「レモンが有名なところだったか?」

「そうですね!でも、遺跡もあったりします。島の南部は、テチス海の向こうの大陸にも近いので、植生を見てみたかったんです!」


ワクワクした様子のクレアをみて、グレイスは「何か美味しいものにありつけないかな?」と思いつつも、表面上は取り繕った様子を出している。


「そうか。私が守るから安心して探索してくれ」

「はい!では、植物探検隊出発!」


腕をあげて、おー!みたいな感じの仕草をしているクレアを見たグレイスは、雰囲気に流されず冷静にツッコミを入れてしまった。


「植物探検隊?」

「あの、変ですか?」

「いや、変ではないが・・・急にどうした?」

「えっと、ミラさんがいたら言いそうだなぁと思いまして!」

「確かにそうだな。じゃ改めて、クレアの植物探検隊、出発だな」


ーーーーーーーーーーーーーーーー


1〜2時間後、2人はタルナ島に到着し、船着場から数キロメートル離れた場所を散策している。


「魔法船って早かったですね!」

「そうだな。クレアが来たかったのはこの辺りか?」

「はい!楽しみです!」


クレアはワクワクした様子で、キョロキョロしながら散策をしている。

一方で、グレイスは1人でもできる魔力制御の練習をしていた。


ふと、魔力制御の練習をしていたグレイスが、腰にかけていた剣に手を伸ばした。


「クレア。おそらく魔物だ。下がってくれ」

「すごい!もう魔力検知ができるようになったんですか?」

「いや、それは練習してもできなかった。今のは気配と、勘だな」


「グレイスさんの勘って下手な魔法よりも当たるんですよね〜」とのほほんと考えているクレアの視界に、虎が現れた。


「虎!?ここって虎っているんでしたっけ?」

「うん?あれは狐じゃないのか?」

「えっ狐???」


思わず顔を見合わせる2人。

すぐに納得顔をしたクレアは、自分の体の魔力の流れを制御した。


「狐ですね。狐虎でしたか」

「あれが狐虎か。初めて見る」

「私も初めてです。常に幻影魔法を放出しているから、本当は狐なのに虎に見えるんですよね。グレイスさんはこの程度の幻影魔法なら無意識でも一瞬で破るから最初から狐に見えたんじゃないですか?」

「そうかもしれない。それより、美味しいのか?」


食い意地が張っているグレイスを見てクレアは若干苦笑いしながら答えた。


「根本的には狐なので、肉質は硬いと思います。煮込んだりすればなんとか・・・?」

「まぁ物は試しだな」


すぐに臨戦体制に入ったグレイスを見て、クレアが焦った声をあげた。


「あっ!グレイスさん!待ってください!狐虎って本当は弱いのに、虎の幻影を見せて強く見せてるんです。だから、幻影が破られたと勘付いたら、すぐに逃げます!」

「なるほど。虎の威を借る狐だな。まぁ、速攻で仕留めれば問題ないだろう」

「あっ、」


「慎重に仕掛けてください」と言おうとしたクレアとは裏腹に、グレイスはスピード重視で狐虎を仕留めていた。



その後も、クレアとグレイスは探索を続けている。


「あっ!あれはワケワカメ!」

「なんだ?」

「ワカメって知ってますか?」

「いや、知らない」

「極東の島国の近海が原産の海藻です。最恐の外来海洋植物の異名があります」

「海洋植物?林の中に生えているように思えるが」

「そうなんです!本来海洋植物のはずが、テチス海近郊では陸にも進出してるんです。原産地では陸には上がってないので、意味不明な進化を遂げてて、陸にあがったワカメはワケワカメと呼んで区別してます」

「そうか。ダジャレのような気もするが、美味しいのか?」

「食べられはしますけど、私たちでは生では難しかったと思います」

「私たちでは?」

「はい。極東の島国の方々は、生のワカメも消化できるみたいですけど、私たちは火を通さないとダメです」


「極東の島国は食い意地が張っている民族なんだな」と言いながら、グレイスはワケワカメを収穫した。



その後も、クレアとグレイスは探索を続けている。


「あっ!あれはダイ梨」

「ダイ梨?台の形をしているが、あれが梨なのか?丸くないぞ?」

「はい、あれでも梨です!味は美味しいですよ!それに、逸話も興味深いんです!」

「逸話?」

「はい、なんでも昔のどこかの偉い人が多額の費用と人員を注ぎ込んで、この梨の人工栽培を試したらしいんです。でも、ことごとく失敗していました。そのうちに、たまたまとある農家が露地栽培の方法を確立して、偉い人がかけた費用と人員がだい無しになったんです。梨自体も台の形であることも相まって、ダイ梨って呼ばれるようになり、そのまま正式名になったらしいです」

「言葉遊びじゃないか」

「それはそうなんですけど、興味深い逸話ですよね。植物は費用と人員をかけても思い通りにならないですから・・・」


植物魔法の使い手でもあるクレアは、ダイ梨をすこし眺めてから収穫した。



こうして、今回のクレアの植物探検隊は幕を閉じた。


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