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私は文官になりたいのに、口先だけかまってちゃんが税金で貢いできてキショイ  作者: ハムウサギ


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53:フィウメル商会王都店!?

☆☆☆☆☆

妹へ


明日の9時に王都のトレビアーンの泉に集合


兄より

☆☆☆☆☆


という謎の手紙をもらった私は、お兄ちゃんであるエリックの指示通り、王都にきていた。


ドラゴンが現れた修学旅行から少し経ち、第二学園でのんびりしていたのに、休日の朝から呼び出すとは何の用事なのだろうか。そろそろ学期末試験なんだけど・・・。


ちなみに、ドラゴンについていたあの謎の人工物は国の担当者に渡していて、今は調査中らしい。

なんかこう気持ち悪いなーと思いながら、歩いていると待ち合わせ場所に到着した。


「あっ、お兄ちゃん。早いね」

「早く見せたかったから!早く行こう!」

「えっ、ちょっとどこに?」

「それは見てのお楽しみ!」



お兄ちゃんについていくこと少しして、私の目の前には、一軒のお店が目に入った。


「フィウメル商会・・・?」


フィウメルってどこかで聞いたことがあるような、ないような・・・?


「うちの商会を作った!」

「えっ!商会!急ね!」

「いやいや、俺が王都に来た理由は元から資金を稼ぐためだから」

「・・・言われてみれば?」

「そうだろう!」

「ちなみに、名前の由来は?」

「うちの近くの2本の川」


あっ、そういえば、フィウメルってお兄ちゃんが使ってた偽名ね!さすがに、貴族名のケニルワースだと色々まずかったのかな?


「なるほど。店先にぶら下がっている商会のマークも2本の川なのね。ちなみに、川の上に描かれている花は?」

「エーデルワイスだよ」

「その心は?」

「エーデルワイスとケニルワースってどこか響きが似てないか?」

「・・・そうですね」

「そんな呆れた顔をしないでくれ、妹よ。結構クル」

「そうですか・・・。というか何を売るの?」

「積み木危機一髪!を販売する」

「えっ?この前資金調達始めたばかりじゃない?早くない?」

「俺もまさか、これほど早く王都で開店までいけるとは思ってなかった」

「お兄ちゃん・・・人に言えない方法でも使ったの?私は妹だし、一緒に罪を償うわよ・・・?」

「違う違う!あのセレーネ式記述」

「ごほん!」

「あっ、あの複式簿記が結構ウケてね。商人が結構食いついてきたんだ」

「そうだったんだ。真っ当な方法でよかったわ」

「それはそうだよ。ちなみに、複式簿記の記載方法をまとめた本の出版をしてほしいと言われてる。けど、本は高いからおよび腰なんだよね」


そうよね。この世界の本は高い。手書きだから、人件費がかかる上にあまり数も用意できない。


「確かに、原価の回収もできるかわからないわよね・・・」

「資金提供してくれた人たちにメリットを提供するためにも、どうにかしたいとは思ってるけど・・・」


うーん、一個一個手書きだから高いのよね。それなら、大量生産すればいい?

日本の義務教育の時に版画の授業があったけど、あんな感じの活版印刷があればいけるかな?


「お兄ちゃん、手書きじゃなくて、印刷機みたいな物を作ればコスト削減もできるし、大量生産もできない?」

「どういうこと?」

「まずは、墨を用意して」

「墨?」

「あっえっと!油絵の絵の具みたいな、紙に馴染むようなインクのこと!」

「なるほど!それをどうする?」

「えっと、木版を掘って文字が浮かび上がるようにする。そこに、インクをつけて紙に転写すればすぐに本のページができない?それか、鍛冶屋とかに頼んで金属の文字の型を作って、それらを組み合わせて、あとは木版と同じようにインクをつけて紙に転写するとか?」


私のこの発言を聞いたお兄ちゃんは「うーん、うーん」と唸り出した。その様子は、高負荷の処理をしているパソコンのようだった。

私は現代日本の知識があるから活版印刷も馴染みがあるけど、いきなり言われてもあれよね・・・。失敗したかな・・・?と思っていると、


「それだ!」

「どれだ?」


唸っていたお兄ちゃんが急に勢いよく「それだ!」と言うから思わず、「どれだ?」とかえしてしまった。


「セレーネ!名案だ!今すぐに、」


ゴーンゴーンゴーン


と、勢いに乗ったお兄ちゃんを遮り、鐘が鳴った。


「まずい!まずは開店準備をしないと!セレーネも手伝ってくれたりする?」

「いいわよ。いつ開店なの?」

「今日の12時」

「はい?今日?」

「お昼の12時」

「もうそろそろじゃない!先に言ってよ!なんで私を当日に連れてきたの!」

「びっくりさせたくて・・・」

「そういうのいいから!早く準備するわよ!積み木危機一髪!以外に商品はあるの?」

「アボカドの実で作ったピンボールとかがある。他にも何個か子供や一般大衆向けのおもちゃがある」

「わかった」


その後、ドタバタしながらも準備をしていると、お兄ちゃんと同年代くらいの男の人がやってきた。


「やぁエリック。お前に女がいるなんて知らなかったよ。夫婦経営ってか」

「ジェームズか。家族経営だな。妹なんだ」

「妹!?言われてみればどことなく似ている?美男美女兄妹とか、爆発してしまえ」

「悪いが開店直前のこの時間に構ってる暇はない」

「まぁ、そういうな。手伝いにきたぞ」

「それは助かる!」


ジェームズと呼ばれた人と目があった。挨拶した方がいいよね?


「初めまして。お兄ちゃんの妹のセレーネです。よろしくお願いします」

「これはこれはご丁寧にどうも。そのお兄ちゃんの学園時代のマブダチのジェームズだ。よろしく」


「マブダチってなんだマブダチって!」

「まぁ細かいことはいいじゃないか、エリック。それより何を手伝えばいい?」

「店内は俺とセレーネでやるから、外の装飾なんかを頼む」

「了解です、店長」


ジェームズさんの手伝いもあり無事に開店を迎え、フィウメル商会の初日は盛況だった。

私はというと、学園の試験が近いこともあり、夕方くらいには帰らされた。

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