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私は文官になりたいのに、口先だけかまってちゃんが税金で貢いできてキショイ  作者: ハムウサギ


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40:秋学期お疲れ様でしたパーティー

コンコンコン


私は女子寮の自分の部屋から出て、同じ階にあるクレアさんの部屋をノックした。


「クレアさーん、そろそろ行きましょう」


返事がない。ただのドアのようだ。

いや、実際ただのドアなんだけど。


「クレアさーん?」

「あっはい!」


急いだ様子で、クレアさんがドアを開けて出てきた。


「すいません、本に夢中になってたようで・・・」

「もう少し読んでても平気よ?」

「いえ、また読み込んじゃいそうなので行きましょう」


クレアさんはちょっと苦笑いしながら、部屋から出てきた。


学期末テストも終わり、今日はⅠ組でお疲れ様パーティーをやることになっていた。

ちなみに、ユッカの木でテスト勉強会をしたおかげか、グレイスも赤点は回避していた。よかったよかった。

これで憂いなくお疲れ様パーティーに参加できる。


会場に向かって歩いていると、クレアさんがちょこんと私の袖を引っ張った。

私の魔力検知にも引っかかっている。


「セレーネさん」

「ええ、誰かいるわね・・・」

「あの人でしょうか・・・」

「かまってちゃんかもね・・・別の道行ってもいい?」

「もちろんです」


私たちは道を変えて歩き出した。


「明日から1ヶ月間の学期間休暇だから、しばらく安全ね」

「休暇中はケニルワース領に戻るんですよね?」

「その予定ね。久しぶりに帰るわ」

「道中気をつけてくださいね」

「ありがとう!クレアさんは休暇中はどうするの?」

「えへへ、今回は謹慎じゃないので、王立図書館とかに行こうと思ってます!」


そういえば、クレアさんって、年末年始休暇の時は寮の自室を爆破したせいで謹慎してんだっけ・・・


「・・・それならよかったわ。王立図書館は蔵書が多いの?」

「多いですよ!天国です!!」


王立図書館に想いを馳せてテンションがあがったクレアさんと話しながら歩いていると、パーティーの会場についた。

クラス委員のレイ様とグレイスと学園のスタッフさんが準備をしてくれたおかげか、すぐにでもパーティーを開始できる状態だった。ありがたや。


そして、人数が揃ったのを確認しおえたレイ様がみんなの前に出て話し始めた。メガネをかちゃっとするのもお忘れではなかった。


「みなさん、秋学期お疲れ様でした。せっかく1年生の初めての学期に同じクラスになれたんです。今後もこの縁を大切にしていきましょう。それでは、グラスをもってください」


少し間をおいて、レイ様が乾杯の音頭をとった。


「学期末試験の終わりと、私達の今後に乾杯!」

「「「「「「乾杯!」」」」」」


ビュッフェ形式の立食パーティーだったので、食べたいものを食べながら、他のクラスメイトと交流をした。


一通り話し終えて、ちょっと疲れたので壁際にあった椅子に座っていたら、ベラさんがやってきた。文化祭の時に、王女殿下の襲来を教えてくれた喫茶店の接客をやってくれてた子だ。


「セレーネさん、お疲れですか?」

「はい、少しだけ。ベラさんも椅子に座りますか?」

「それじゃ、お言葉に甘えて」


ベラさんは「失礼します」と言いながら私の横の椅子に座った。

確か子爵令嬢だったっけ?しっかりしている。


「セレーネさんは春学期から文官コースでしたよね」

「そうですね。ベラさんは生産系でしたっけ?」

「はい、そうです。それにしても半年間はあっという間でしたね」

「ほんとですよね。文化祭の王女殿下襲来はびっくりしましたけど」

「あれは・・・ほんとにびっくりしました。心臓に悪いです」


そんな感じでとりとめもない雑談をしていると、ふと気になることがでてきた。


「ベラさん、あのちょっとお聞きしたいのですけど、生産系だと爆発するんですか?」

「えーと・・・?」

「あっ、その、魔法陣を組み込んだりすると爆発するのかなぁと」

「なるほど。そういうことですか。そこまでギリギリを攻める生産をする人は少ないので、頻繁には爆発しないと思いますけど・・・」

「そうですか。ギリギリを攻めないと大丈夫なんですね」

「ええ、そうですよ。逆に言えば、ギリギリを攻めると爆発しますけど・・・」


なんと危ない学問なんだ!


「セレーネさんが気にしているのはクレアさんのことですか?」

「あっ、わかりやすかったですか?」

「以前、寮を爆破していらしたので・・・」

「あはは、デスヨネー」

「けど、また爆発が起こるかもしれないですよ・・・」


ベラさんが目線を向けた先をみると、クレアさんとリチャードが盛り上がっていた。

きゃっきゃうふふしているようで、表面的な様子だけをみると微笑ましい。

しかし、時折聞こえた会話の中身が物騒だった。


「ベラさん、もしかしてあの2人、『こういうのはどうだ?』『それは前に試したら爆発しました』って言ってます?」

「そうですね・・・」

「寮じゃなくて、生産系の設備の中で試してくれるのを祈ります・・・」

「私もそう祈ります・・・」


その後も少しベラさんと雑談をした。

雑談を終えたあと、1人でのんびりしていると後ろから目を隠された。


「だーれだ?」

「ミラ?」

「正解!わかりやすかった?」

「こういうことする人は他に思い付かないし」


それと、ミラのいい感じに成長している胸があたってたのよね。

これについては言えないけど。


「セレーネにとっては、私はある意味で安定の信頼ってところかしら?」

「そんなところね」

「そこは否定してほしかったわ・・・」

「まぁまぁ。赤いドレス似合ってるわよ」

「ほんと?ありがとう!」

「いえいえ。それにしても、みんな楽しそうに話してるわね。お貴族様がいるのにこれって普通なの?」


私の目線の先には、和気藹々と楽しそうに話しているクラスメイト達がいる。

田舎の農家、もとい弱小男爵家の私には社交の経験はなく普通がわからない。


「みんなの性格もあるんでしょうけど、身分を気にしないことになっている第二学園ということも大きいわ。この学園の外の貴族達はそれはもうドロッドロよ。国に巣食う癌なんじゃないかってくらい」

「そ、そっか・・・」


ミラは今までそういうところにいたのか・・・。

クラスメイトを見る目は心なしか羨ましそうに見える。


「えいっ!」


私は思わずミラの小腹をつついた。


「ウッ。何するのよ?」

「ここは学園のなかよ。ミラも学生よ。ほら!行きましょう!」

「えっちょっとセレーネ!?」


いつもはミラに振り回されることが多いけど!たまには私に付き合ってもらいましょう!

私はミラの手を引っ張って、みんなの輪の中に入った。


ーーーーーーーー


お疲れ様パーティーも終わりに差し掛かるとデザートが出てきた。

なぜか、グレイスが誇らしげにしている。


「グレイスどうしたの?」

「セレーネか。今回はちゃんとデザートを手配した!私は成長している!」


・・・そういえば、懇親会の時には忘れてたんだっけ。

グレイスに返事をしようとしたところ、私の体が横に追いやられた。


「さすがグレイスさん!」


私を押し除けてグレイスに近づき、そう声をかけたのはマリーさんだった。

この子もある意味で安定の信頼ね・・・。


そんなこんなでわちゃわちゃしながらも、最後にグレイスが終わりの挨拶をして秋学期お疲れ様パーティーは終了となった。


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