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プロローグ
Q.人間は完璧に到達しうるだろうか?
A.不可能。
理由は簡単だ。
人間の叡智を集結させても未だ実現できていない神の領域だからだ。
人間が完璧な球をつくろうとした結果、できたのは真球からの誤差わずか数十ナノメートルの球。
人間が完璧に未来を予測しようとした結果、月食の発生を1000年程度先まで誤差数分で予測できるようになった。
しかし、誤差が生じているのだ。常人なら切って捨てるような誤差が。完璧はそんな誤差さえ許さない。だから突き詰めた完璧なんて不可能だ。
………だが、そんなこと頭ではわかっているのにどうしても祈ってしまうのだ。
自分が何度もやり直しこねくり回した紙粘土が中心からの距離が等しい球になっていることを。
たゆまぬ努力の結果、ラプラスの悪魔に生まれ変わる日が来ることを。
自分が完璧に足を踏み入れることを。
初めて小説を書きます!ぜひ最後までお付き合いください!